美しいバラを舌でも楽しんでもらおうと、深谷市の女性が起業し、食用バラを使った商品の販売に力を入れている。ビタミンCなどの栄養価も高く国内外で人気を集めており、アジア各国に販路を広げている。

 「見た目や香りだけでなく栄養面も優れていて、美容や健康に良いんですよ」

 食用バラ生産会社「ROSE LABO」(深谷市)の社長田中綾華さん(24)は話す。小さい頃からバラ好きで、大学在学中に食用バラの存在を知って一念発起。中退して大阪の農園で約一年間修行後、二〇一五年に会社を設立した。

 現在は計三千三百平方メートルのビニールハウスで色や味が異なる六種類を栽培。害虫に弱いとされるバラだが、無農薬にこだわり酢やクエン酸を使う。

 田中さんによると、バラはビタミンCや、老化の原因の活性酸素を減らすとされるポリフェノールを多く含む。同社は都内の飲食店や菓子店にバラを納入するほか、ジャムや美容液を開発し、自社サイトで販売。乾燥させた花びらをふんだんに載せたチョコや、ローズティーも発売予定だ。

 今年一月には、香港の百貨店のイベントでジャムやクッキーを販売。「香りが強すぎず、食べやすい」と好評で、完売した。年内にタイの百貨店で常設販売を始めるほか、今後はシンガポールや中国にも売り込む。

 設立当初の年商はわずか百五十万円ほど。田中さんは「アルバイトをしてスタッフの給与を支払っていた」と苦労を語るが、今年は既に二千五百万円を超えた。「国産の食用バラを世界に流通させ、多くの人に魅力を伝えることが私の夢です」と目を輝かせている。