太田市は、無作為に選ばれた市民に市政の課題を話し合ってもらい施策に反映させる「住民協議会」を始めた。県内初の試みで、テーマは「健康づくり」。市役所で開かれた第一回会合には三十九人が参加し意見交換した。十月までに計四回開き、市への提言をまとめる。 (原田晋也)

 通常、住民の意見を聞く協議会の人選は公募や推薦がほとんどで同じような顔触れになりがち。「住民協議会」は住民基本台帳から無作為抽出した十五歳以上の市民千五百人に案内状を送り、参加を希望した人が委員になるため偏りのない人選が期待できる。今回は五十人を選任した。民主党政権時代に注目を浴びた「事業仕分け」などを提言してきた民間シンクタンク「構想日本」(東京都)の協力を得て実施した。

 会合に先立ち、構想日本の加藤秀樹代表が講演し「住民協議会の目的は一言で言えば政治や行政を自分事にするということ。政治家や公務員に任せっぱなしで人ごとになってしまうと、ツケは自分たちに返ってくる」と、市民が主体的に市政に関心を持つ重要性を訴えた。

 高齢者施策やスポーツ施策に携わる市職員による市の現状と課題の説明もあった。長寿あんしん課の担当者によると、現在の太田市は、人口に占める六十五歳以上の割合を示す高齢化率は24・72%。推計では二〇四〇年に30%を超え、社会保険給付費も増えると予想されている。市は介護予防のための運動教室や老人クラブ支援などで健康寿命を延ばそうとしているが、それだけでは足りず若いうちからの健康維持活動の振興が課題だという。

 委員たちは三つの分科会に分かれ、互いに自己紹介した後、「会社員が仕事帰りにもウオーキングできるような施設がもっとあればいい」といった日ごろ抱いている健康についての意見を語り合った。

 顔触れは子育て中の主婦や学生、会社員、定年退職した高齢者などさまざまで、年齢も十六〜七十八歳と幅広い。大学四年の馬淵朝香(ともか)さん(22)は「こんなにさまざまな年代の人と意見交換できる場とは思わなかったので新鮮だった。こういう形式なら行きやすいのでいいと思う」と話していた。

 傍聴は自由で、次回は五日午後二時に開催する。九月二日の第三回会合では自民党行政改革本部長の河野太郎衆院議員が論点提示役として参加する予定。