太田市西新町に昨年三月開設された有料老人ホーム「ガーデンハウス はぴねす」で初めての夏祭りイベント「はぴねす夏祭り」が開かれた。自身が思い描く理想の明るいホーム実現に一歩近づいたことに、開園に奔走した細田礼子施設長(48)は、入所者らが笑顔で八木節を踊る姿に目を潤ませていた。

 祭りの光景は自分が作りたかった園そのものだった。涙が出たのはホーム作りのため資金繰りや人材確保に苦労した日々がよみがえったから。

 細田さんがホームを開きたいと志した時の初心は「介護のイメージをドラマチックに変えたい」。

 そんな思いが芽生えたのは十年ほど前、医療事務に携わっていた時だ。介護の現場を見るにつけ、足りないものを感じた。「自分だったら、介護スタッフが楽しく働け、心の底からの笑顔で入所者や通所者に接する園にしたい」と強く思うようになった。スタッフ選びには気を配り、思いを伝えた。

 「介護はサービス業。これからは(園が)選ばれる時代。誰でもいつでも見に来てほしい」との自負がある。それを象徴するようにガラス面を大きくとった明るい室内をキビキビとスタッフが動き回る。

 朝礼でスタッフと復唱する言葉は「心を込めて共に生きる」。相手に常に寄り添う姿勢をともに確認して一日を始める。

 開園直後は気を張っていたが、数カ月で重圧に耐えきれず心身が疲れきってつらい時期があった。介護を志した初心に戻り、自らを鼓舞して乗り切ったと明かす。「ほら、あそこに」とホームの庭に巣作りをしたツバメのひなを指さす細田さんの目は慈愛に満ちていた。 (粕川康弘)