◆「刺客」の重み感じる

都民・森沢恭子(もりさわきょうこ)さん 38歳 品川区選出

 −立候補した理由は。

 二人の子どもを出産したが、保育園に預けるのに大変苦労した。夫の転勤でシンガポールにいた時は、子育てがしやすかったのに。子育て世代の人たちが、政治に声を届けなければと思った。

 −家族に反対されなかったか。

 夫には「今まで、何とかチルドレンっていうのが生まれては消えたけど」と大反対された。政治に関わる女性を増やしたいと説得し、最後は応援してくれた。

 −テレビ局で記者の経験がある。

 二〇〇五年の郵政選挙を取材した。「刺客」(対立候補)が送られた選挙区で有権者に心境を聞くと、「複雑だ」って答えたのが印象に残る。都議選で私は結果的に「刺客」のような形になった。その責任の重みは強く感じている。

 −過去の政治から学ぶことは。

 郵政選挙で当選した議員は、とにかく地に足を付けて、という気持ちが強かった。「都民」も実績をあげていくしかない。

 −その「都民」には民進から離党した人もいる。

 答えにくい質問だが、障害になるとは感じない。三役も大きくは元民進、元自民、民間組から選出された。「都民」の強みは、それぞれ専門分野を持っていること。既成政党との違いを出していきたい。 (聞き手・木原育子)

◆新しい風吹き込んで

41歳・練馬区選出 民進・藤井智教(ふじいとものり)さん

 −練馬区議を四期経験して都議選に出た。都議会で何に取り組むのか。

 「財政の見える化」を徹底的に進めたい。スウェーデン並みと言われる都の予算が、都民にしっかり説明されてきたのかは疑問。税金の使い道を明らかにし、納税者の意識も喚起したい。ライフワークにする。

 −都民ファーストの会が多数を占めるが。

 小池百合子知事の改革は素晴らしい部分もある一方、全てイエスマンになるなら、そもそも議員をやる意味はない。「議会も意味がない」となってしまうのではないかと懸念する。

 −「都民」の印象は。

 地方議員の経験がない方が多い。政治の世界でどっぷり漬かってきた人よりも新しい感覚で仕事をするのでは。良い意味で新風を吹き込んでほしい。

 −二〇〇九年の都議選では、民主党(当時)が第一党になった。

 当時は無所属の区議だった。マニフェスト(政権公約)は結局、役人に計算させないと根拠ある政策として出せない。そういう意味で「都民」は小池さんがいて、矛盾のない政策を出しやすいのでは。それが民主との違いだろう。

 −民進は今回の都議選で五人会派となった。

 離党問題なんかもあって五人だが、一丸となって闘っていくしかない。(聞き手・唐沢裕亮)

◆昔の友は今日の敵

<メモ> 旧民主党(現民進党)は2009年の都議選で54議席を得て、最大会派に躍進した。今回は都議選前に民進から離党者が相次ぎ、都民ファーストの会の公認や推薦を得て出馬。「都民」は追加公認を含め55議席を獲得し、最大会派となった。55人のうち11人は民進の元公認予定者。前回13年は、59人全員当選の自民が最大会派に。民主は前回15人、民進は今回5人にとどまった。