原爆投下の被害から復興する広島を記録し、二〇〇五年に川崎市市民ミュージアム=中原区等々力一の二=で原版フィルムが見つかった記録映画「平和記念都市ひろしま」が今月、同所で上映される。 (小形佳奈)

 広島市などの依頼を受けた秋元憲監督(一九〇六〜九九年)が手がけたモノクロ、二十分の作品。四八年から翌年にかけ、バラック校舎で学ぶ児童や原爆孤児が入所した施設、広島駅前など市民の日常を撮影。公営住宅や公園の復興計画案の模型、平和祭(現在の平和記念式典)など、復興に向かう姿も収めた。

 市民ミュージアムの映画担当、森宗厚子学芸員(44)は「連合国軍総司令部(GHQ)の支配下で戦争の悲惨さを訴えるのはご法度の時代、人々が力強く生きる前向きなメッセージが受け取れる」と解説する。国内での上映記録は見当たらず、フィルムは所在不明とされていた。

 原版フィルムは、秋元監督の三男が二〇〇〇年代初め、市民ミュージアムに寄贈したフィルムの中から見つかり、上映用にフィルムを複製して二〜三年おきに上映してきた。一五年には広島市に複製のため原版を貸し出した。「現状、フィルムを所蔵するのは広島市公文書館と川崎市市民ミュージアムの二カ所だけ」と森宗さんは話す。

 二十日までの土日祝日、「映画で見る平和への願い」と題し、この映画のほか、漫画家こうの史代さん原作で昨年大ヒットしたアニメ「この世界の片隅に」(百二十六分)、新藤兼人監督が復興から取り残された広島の人々を描いた「原爆の子」(一九五二年、九十九分)などを上映する。

 一般六百円、高校・大学生と六十五歳以上五百円、小中学生四百円。入れ替え制で当日券のみ。上映スケジュールなど問い合わせは市民ミュージアム=電044(754)4500=へ。