真夏の厳しい日差しが照りつける中、水戸市内のホテルに、汗をにじませたジャケット姿の男たちが次々と、吸い込まれていく。

 県内全四十四市町村議会の保守系議員約二百人が七月三十一日、七選を目指す現職の橋本昌知事(71)を応援するため、「橋本まさるを支援する市町村議員連盟」の決起集会を開いた。

 連盟の会員は四百人超で、県内の全市町村議が八百人あまり。つまり、県内の市町村議の半分が、知事を担いでいる計算になる。

 連盟の議員には自民党員も多く、党県連が推薦した元経済産業省職員の大井川和彦さん(53)と対決する選挙戦は、「保守分裂」と表現される。

 決起集会であいさつに立った村田進洋・水戸市議会議長は「国会議員や県議からの圧迫はあるが、一票でも多く取りたい」。福島辰三・水戸市議は「市民と最も身近な約束ができるのがわれわれ。知らない人(大井川さん)に、票を入れてくれと頼むのはうそつきです」と気勢を上げた。

 橋本知事は多選批判を受け、五選目の選挙以降、政党からの推薦を受けていない。その選挙を支えているのが市町村議のほか、県建設業協会、JAグループや県医師連盟、連合茨城などの団体だ。

 こうした団体は、なぜ知事を支援するのか。

 約十三万六千人を抱える連合茨城の和田浩美会長は「常磐線の特急の割引制度を残すのに努力してくれた」、県医師連盟の小松満委員長は「病院統合にリーダーシップを発揮してくれた」と話す。知事の仕事ぶりに恩義を感じ、選挙支援という形で恩返しする構図になっている。

 ただ、知事と自民の両方との付き合いから、両陣営に推薦を出す団体も多い。推薦団体の数では、「千百以上」を得たとする橋本陣営に、大井川陣営は「千以上」と競い合う。

 知事陣営幹部は「自前の組織がないから苦しい。推薦をいただいた以上、(その団体を)信じるしかない」と吐露する。

 二〇〇九年の知事選も「保守分裂」で、自民推薦候補の元国土交通省次官を破ったが、その時と情勢は異なる。自主投票だった公明が、大井川さんの推薦に回った。知事陣営に「保守分裂」の危機感は強い。