安中市原市の公立碓氷病院で職員が診療報酬の請求文書に虚偽記載した疑いがあり、病院が調査していることが八日、分かった。病院は一部で実際の診療と文書の記載に差異があるのを確認しており、診療報酬の不正請求につながる恐れがあるとみて調べている。この職員が有給休暇を不正に取得していた疑いもあり、併せて調査している。(菅原洋)

 前橋市の市民団体「市民オンブズマン群馬」に寄せられた情報により、疑惑が発覚した。

 市民団体と同病院によると、診療技術部に所属する女性の療法士は七月十〜二十五日、男女の患者約十人にリハビリテーションなどの診療をしたが、実際と異なる時間帯に診療したと請求文書に十数回にわたって虚偽記載した疑いがある。

 診療実態と違う記載は、患者の証言と、同僚職員のメモや証言などで裏付けられるという。実際の診療時間より、虚偽記載の時間が上回った場合には、診療報酬の不正請求につながる恐れがある。虚偽記載は長年続いていたとみられる。

 同病院は診療報酬の調査状況を踏まえ、関東信越厚生局の群馬事務所などへの報告を検討する。

 一方、有給休暇の不正取得の疑いは、昨年一月〜今年二月、実際は休暇を取っていたにもかかわらず、約四十回にわたって勤務記録に一日数時間程度の休暇を記載しなかったという。同僚職員のメモや証言などで裏付けられるとみられる。有給休暇の不正取得も長年続いていた恐れがある。

 同病院の調査に対し、この療法士は「記憶があいまいだ」などと説明しているという。

 同病院の運営は診療報酬の他に、安中市からの年間数億円の補助金などで賄っている。累積欠損金は約十四億円と厳しい運営が続いている。

 さらに、同病院では今回疑惑が持ち上がった診療技術部で、医療機器の選定を巡る二〇一一〜一二年の贈収賄事件により、元臨床工学科長が収賄罪で懲役一年、執行猶予三年の判決が確定している。この事件を受け、同病院は診療技術部を中心に内部管理体制の見直しに取り組んできた。

 同病院の神宮潔事務部長は「同じ部でまた問題が起きてしまった。市民に対して申し訳ない」と謝罪している。

 同病院の病床数は一般百四十九床、療養五十床で、昨年度の延べ患者数は外来約五万六千人、入院約三万九千人だった。