五十一年ぶりの復活運転となる東武鉄道東武鬼怒川線の蒸気機関車(SL)「大樹(たいじゅ)」が十日、運行を始めた。発着駅となる日光市今市の下今市駅で出発式典があり、集まった地域住民や鉄道ファンが祝賀列車の出発を見送った。

 出発式典では、SLが方向を転換する転車台前で、石井啓一国土交通相や福田富一知事らが華やかにテープカット。東武鉄道の根津嘉澄(よしずみ)社長は「大樹の名のごとく大きな幹となり、観光資源に育つことを願う」とあいさつした。

 式典後、来賓や関係者を乗せる大樹の祝賀列車が汽笛を鳴らしてホームに入線。同日午後零時半ごろ、同駅の横山秀夫駅長が出発指示の合図をすると、祝賀列車は「シューッ」と勢いよく蒸気あげて出発した。

 隣のホームや駅構内で見守る住民らは手を振ったり写真を撮ったりした。埼玉県新座市から写真を撮りに来たという大学生成田颯一さん(21)は「生き物のような感じも受ける。生で見ると迫力があり、感動した」と話していた。

 大樹は、下今市−鬼怒川温泉間の一二・四キロを約三十五分間で走る。土日と祝日を中心に一日に三往復する。乗車には、座席指定料金(大人七百五十円、小児三百八十円)と乗車区間の運賃が必要。 (小川直人)