蚊に刺されることでうつる「デング熱」に海外で感染したとみられる発症者が県内で今年五人となり、統計を開始した一九九九年以降で最多を記録したことが、県衛生環境研究所(前橋市)の調査で分かった。県内では二〇一四年、国内で感染したとされる発症者も二人出ている。研究所は「夏休みの海外旅行では蚊に刺されないように注意し、国内ではウイルスを運ぶというやぶ蚊に気を付けてほしい」と呼び掛けている。 (菅原洋)

 研究所と前橋市保健所によると、一月に同市で五十代の男性が、高崎市で二十代の男性が発症して受診。二月と三月にいずれも前橋市で二十代の男性が一人ずつ報告された。七月三十一日〜今月六日の間に、同市で二十代の男性の発症例が報告されて計五人となった。同市の発症者は東南アジアへの渡航者が多いという。

 県内の年間発症者は長年ゼロ〜二人で推移してきたが、一四年三人、一五年四人、一六年一人がでている。一四年には東京都を中心に約七十年ぶりの国内感染が報告され、県内の二人も発症前に都内の公園を訪れていた。

 新潟県では昨年七月、フィリピンへ渡航した三十代の女性がデング熱を発症して死亡。インド洋の島国スリランカではデング熱が流行しており、七月下旬までに今年の死者数が約三百人に上っている。

 デング熱は患者から血を吸った蚊が、別の人を吸う際にウイルスで感染する。急性の発熱、頭痛、筋肉痛、発疹などを発症し、潜伏期間は二〜十五日程度。まれに重症化し、出血やショック症状が起き、死に至る場合がある。人から人に直接感染しないが、ワクチンやウイルスに対する薬はない。

 海外では、中南米、アフリカ、中国、台湾、オーストラリアなどでも発生している。ウイルスを運ぶというやぶ蚊「ヒトスジシマカ」は県内でも多く、五〜十月ごろに活動する。