宇都宮大バイオサイエンス教育研究センターの児玉豊准教授(38)=分子細胞生物学=らの研究グループが、「植物が低温を感知する仕組み」を解明したと発表した。植物が持つ光の受容体として知られているフォトトロピンという物質が、低温も感知することを解明したという。研究が、寒冷下での農作物の栽培や生育改善などへ期待されるという。 (北浜修)

 児玉准教授によると、植物の低温に対する反応はこれまでも多くの研究が行われてきたが、植物が低温を感知する仕組みは未解明だった。

 准教授らは、植物の細胞内で光合成を行う葉緑体が、低温に反応して細胞内の位置を変える現象(寒冷定位運動)に注目して、主にゼニゴケなどを対象に研究してきた。

 その結果、植物がもつ光の受容体として知られているフォトトロピンという物質が、光だけではなく低温を感知すること、低温感知により寒冷下での光合成を調節していることの二点を解明したという。

 宇大で記者会見した児玉准教授は「フォトトロピンの分子機構を改変することで、寒冷下での植物の生育を改善できる可能性がある」と、研究が農作物の栽培や生育などへ応用されることへの期待を示した。

 同時に准教授は「光の受容体が温度の受容体としても機能する可能性は、植物だけではなく、すべての生物に共通しているのではないか」との見方も示した。

 研究グループの論文は米科学誌「PNAS」(電子版)に八日(日本時間)掲載された。