日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働の是非を巡る本紙のアンケート(十三日付一面などで掲載)で、「反対」と回答した大子町の綿引久男町長が、本紙の取材に応じた。町長は「何万分の一であれ、事故が起きる確率があるなら、やめるべきだ」と脱原発を説いた。

 大子町は町の一部が原発から三十キロ圏に含まれ、避難計画を策定することが義務付けられる。町長は、他市町村を含めてこの圏内で生活する約九十六万人の避難に不安を感じるとした上で、「東海第二で事故が起きたら、福島の比ではない被害が起きる」とみる。東京電力福島第一原発の三十キロ圏は約十四万六千人で、避難時に大混乱が起きた。

 経済的被害も深刻だ。日本三名瀑(めいばく)の一つ「袋田の滝」がある大子町では、福島の事故後、場所が近かったことなどから風評被害を受け、主産業の観光にダメージを受けた。直後、観光客数は約半分にまで落ち込み、六年たっても事故前まで回復しない。

 町内の広大な森林資源を生かして木材チップを燃やすバイオマス発電所二基を建設中で、大規模太陽光発電所も稼働している。「結果的に、原発を減らすことにもつながる」と、町長は再生可能エネルギーへの転換を訴える。 (山下葉月)