◆アイルランド文化 25年間発信 

 アイルランドの国の色、緑の物を身に着けて祝う「セントパトリックデー」を日本に広める活動をしている横浜市保土ケ谷区の不動産管理業三村秀樹さん(55)が先月、同国大統領功労賞を日本人として初めて受賞した。三村さんは四月、カナダに留学中だった長女芽里佐(めりさ)さん(21)を交通事故で亡くした。「娘がくれたプレゼントだと思い、頑張りたい」と決意を新たにしている。 (鈴木弘人)

 同賞は二〇一二年に創設され、毎年、国外で同国に貢献した十人ほどが選ばれる。セントパトリックデーは、五世紀にキリスト教を同国に布教した聖パトリックの命日(三月十七日)にちなんだ行事。横浜で毎年三月にパレードを主催するなどしている三村さんは「二十五年以上に渡ってアイルランドの文化を広めた」ことが評価された。

 受賞の連絡があったのは、芽里佐さんの誕生日の七月二十一日。亡くなってから初めての誕生日に、芽里佐さんの友人たちを招いて食事をしようと集まっていた時だった。「そんな日に、賞をもらえる電話が来るなんて思いもしなかった。しばらく何もしゃべれなかった」と振り返る。

 三村さんが同国に興味を持つようになったのは一九九〇年。「国際花と緑の博覧会(大阪花博)」で同国のパビリオンで働き、「大臣クラスの人もみんな気さくだった。友好的で世話好きな国民性にひかれた」と話す。

 間もなく東京のアイルランド大使館に勤めるようになり、日本に滞在していた同国の若者らがパレードの準備をする場面に遭遇。「愛する国を知ってもらおうと、寝る間を惜しんでプラカードなどを手作りしていた。協力したいと思った」

 同年、本場を訪れてパレードを見学し「緑が印象に残った。日本人にアイルランドを知ってもらうために一番良い方法」と確信。京都、松江、仙台などでアイルランド人らが始めたパレードを手伝い、二〇〇四年には自らが中心になり横浜で念願のパレードを開催。次回で十四回目を数える。

 今の目標は、現在十四都府県で開かれているパレードを全都道府県に普及させること。十一月に妻博子さん、次女恵鈴奈(えれな)さん(19)と首都ダブリンでの授賞式に参加した三村さん。「賞に恥じないように活動していきたい」と語った。

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 三村さんが主宰する「セントパトリックデー・パレード横浜元町実行委員会」のパレードは来年三月十日午後二時から元町商店街(中区)で行われる。パイプバンドや市立港中学校吹奏楽部の演奏に合わせて、商店街を緑に彩る。当日のボランティアの募集もある。問い合わせは実行委のホームページから。