熊谷市の元荒川上流部だけに生息し、2016年までの5年間で個体数が10分の1に激減した県の魚「ムサシトミヨ」が、今年2月の県の調査で微増に転じたことが分かった。県は「アメリカザリガニなどの外敵駆除の取り組みに一定の効果が出た」としている。 (井上峻輔)

 ムサシトミヨはトゲウオ科の淡水魚。体長は3〜6センチで、きれいで冷たい湧き水があり水草が茂る川に生息する。環境省と県のレッドリストで絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧IA類とされている。

 元荒川の最上流部(2300メートル)での推定生息数は、11年は約2万2600匹だったが、16年には2300匹に減少した。専門家は外敵の増加が大きな要因である可能性を指摘し、県や地元団体でつくる保全推進協議会が駆除作業に力を入れてきた。

 2年ぶりとなる今回の調査は、最上流部の中で一番上流にある「県指定天然記念物区域」(435メートル)のみで生息数を推定。採捕した魚の数から計算した結果、区域内で2000〜4400匹とみられることがわかった。前回調査で同区域の推定生息数は1200匹だったことから、2年間で増加傾向に変わったことが明らかになったという。

 県は今後も外敵駆除作業を拡充するとともに、生息に必要な水草の移植や水環境の改善に取り組むとしている。