大山(1,252メートル、伊勢原市など)は平野部が晴れていても悪天候になりがちで、古くから「雨降り山」とも呼ばれる。市はその天候を逆手に取り、「大山レインツーリズム」と銘打った誘客策を昨秋、導入。23日からは梅雨の時期としては初めて、山腹にある大山阿夫利(あふり)神社の参道でスタンプラリーを実施する。 (布施谷航)

 大山では海寄りの湿った風が山腹で上昇して雲になり、よく雨が降る。それが「雨降り山」の名前の由来で、神社名の阿夫利も「雨降り」が語源とされる。レインツーリズムは雨天時の客足減を食い止めるだけでなく、地域の歴史に触れてもらうのも狙いだ。

 雨とは切っても切れない関係とはいえ、観光にとってはマイナス。参道の土産物店店員渡辺和夫さん(62)によると、雨にがっかりして引き返して来る登山客が珍しくない。営業しなくなる土産物店や飲食店もあり、参道は閑散とした雰囲気になるという。

 レインツーリズムの主要イベントのラリーは、昨年十一月〜今年二月に続き二回目。二十六店が参加し、八月末まで続ける。買い物をして二店でスタンプを押してもらい、同神社下社か近くの大山寺でもスタンプを集めると、抽選で地元特産品の詰め合わせなどが当たる。市商工観光課の市川結花さんは「ラリーは雨天でも実施する。参加店は天気にかかわらず店を開けてくれる」と期待する。

 市はこのほか、大山を題材にした浮世絵の多色刷り体験を下社で毎日午前十時〜午後三時、無料で実施。曇りや雨でも眺めを想像できるようにと、下社の絶景スポットに写真入りの眺望説明板を設けている。

 同課の大町徹課長は「ラリーでは店の人が優しく声を掛けてくれる。気がめいりがちな雨の日だからこそ、おもてなしの気持ちが観光客に伝わるのではないか」と話した。

 問い合わせは同課=電0463(94)4711・内線2137=へ。