歌手の安室奈美恵さん(40)が16日に引退する。各地で引退を惜しむ声が相次ぐ中、県内のファンからも「自立した女性を体現している」「強い女性の象徴。常に新しいのが魅力」といった声が上がる。ぶれない安室さんの生き方をファンは胸に刻んでいる。 (黒籔香織)

 市原市中高根の会社員佐々木友見(ゆみ)さん(34)は小学生の頃からのファン。昨年九月の引退宣言を知った時は「これから何を目標にすれば良いか分からなくなった」と振り返る。

 四年前、病気で母親を亡くして落ち込んでいた時、安室さんの曲に励まされた。「Baby Don’t Cry」を聞いてライブでファンが一体となって安室さんと歌う情景を思い出し、「Get Myself Back」の歌詞「涙を拭いて これからじゃないか」に勇気づけられた。

 引退宣言から一年。佐々木さんは部屋の断捨離をし、新しいことに挑戦しようとジムに通い始めた。「自立した女性を体現している安室ちゃんを見ると、私もなれるかもと希望を与えてくれる」と話す。

 引退前日の十五日、沖縄県宜野湾(ぎのわん)市での音楽ライブが安室さんの最後のステージとなる。佐々木さんはこのライブを見に行く。「最後にもう一度安室ちゃんに『ありがとう』と言える。忘れることはないし、忘れないことがファンでいられたことの証し」

 八月二十七日午後。千葉市中央区の中央公園に笑顔の安室さんが写ったトラックが一台到着した。ファンが安室さんに宛てたポストカードを投函(とうかん)する企画「#ALLFOR916」の一環のイベントで、集まったファンが思い思いのメッセージをつづった。

 千葉市稲毛区のパート西村麻美子さん(39)は「若いママ代表としてずっと憧れ」と話す。二人の子どもの子育てで大変だった時、「安室ちゃんもお母さんとして頑張っている」と励みにしてきたという。若葉区の会社員平優姫(ゆうき)さん(32)は「生き方をまねしたいけれど、できないから憧れる」と語る。

 市原市ちはら台東の高校二年生小村深優菜(みゆな)さん(16)は「決めたことをやり遂げるところに芯の強さを感じる」。松戸市松飛台の大学二年生福沢みなみさん(19)は「強い女性の象徴。ファッションも古くさくなく、常に新しいのが魅力」と話した。

 一九九〇年代後半、同世代のファッションリーダーとしても高い人気を集めた安室さん。結婚や出産などを経て、歌とダンスに真摯(しんし)に取り組む姿が女性たちの共感を呼んだ。

 江戸川大学(流山市)の西条昇教授(エンタメ論)は「コンサートではほとんど話さず歌と踊りで見せる潔さ。自分の判断で引退するところも含めて、女性たちはかっこいいと感じている」と分析する。