沖縄慰霊の日(二十三日)に合わせて、沖縄戦や、沖縄からの移民がフィリピンなどで経験した地上戦の体験談と写真を紹介する「沖縄の戦争展」が二十二、二十三日、中央区八重洲で開かれる。 (杉戸祐子)

 「『今、死ぬから固まれ』と言われ、私は母に抱っこされていた。二十四人の中で母と自分だけが生き残った」(沖縄・伊江島で集団自決。当時九歳)

 「日本兵が女性を銃剣で刺して、食料を強奪して逃げて行ってね。『大丈夫ですか』って聞いたら、その人は腰を刺されて血のついた手で私の手をつかんで、最後に『ありがとう。ごめんね』」(フィリピン・ミンダナオ島の山中を逃避行。当時七歳)

 これらはパネルで展示予定の体験談の一部。会場では、元兵士や元女子学徒隊など戦争体験者約三十人が、沖縄やフィリピン、サイパンなどでの地上戦の記憶をたどった映像を書き起こして紹介する。当時の写真約三十枚も準備している。

 主催するのは「戦場体験放映保存の会」(北区)。二〇〇四年に発足し、太平洋戦争の体験をインタビュー映像で後世に残すために活動。集めた証言はおよそ二千七百人分にのぼる。沖縄での聞き取りは〇八年から行い、沖縄から移民した人らを含め、約百八十人の証言を録画してきた。

 「戦争体験のない本土の人間による活動が受け入れられるか、迷いや怖さがあったが、体験者は『自分たちが話さないと体験が世に残らず、正しく伝わらない』と口を開いてくれた」と事務局長の中田順子さん(44)は話す。

 今回の展示では、来場者と共にインタビュー映像を見て語る座談会も企画。体験者が今なお抱える心的外傷後ストレス障害(PTSD)や民間人戦後補償、遺骨収集の現状などに関する講演会も予定している。

 JR東京駅八重洲南口近くの八重洲ブックセンター本店八階ギャラリーで午前十時〜午後七時半。両日とも、座談会は午後零時半〜一時半、講演会は午後二時〜四時。入場無料。問い合わせは同会=電03(3916)2664=へ(火、木、土、日、祝日のみ)。