県が台風15号の直撃を受けてから三日目となった十一日も県南部の内陸部を中心に停電や断水が続いた。東京電力による復旧が大きくずれ込む現状に、森田健作知事は「復旧が見通しとかけ離れているのは大変遺憾」と不満を示した。 (中谷秀樹)

 東電や県によると十一日現在、停電は午後七時現在で四十万世帯近く、断水は二万世帯残る。森田知事は県の災害対策本部会議で、東電の復旧の取り組みについて「全力での早期復旧と正確な情報提供を改めて要請する」と話した。

 この日も厳しい残暑で県内百二十四カ所の避難所に同日夕方現在、九百十人が避難した。停電エリアで市原市に隣接する長柄町は町福祉センターで昼間から五十人ほどが過ごした。防災担当の蒔田功総務課長は、復旧の遅れに「やっぱり無理なんだろうなと思った」と諦め口調。町内では断線や電信柱の倒壊が百カ所近くあるといい、「一にも二にも電気の復旧だけ。それがあれば全て解決する」と願った。

 防災会議では、さまざまな被害や対応が報告された。酪農では、停電で牛乳を冷蔵できず、廃棄処分するなどの被害が出ていると伝えられた。県警は避難所に女性警察官を配置して防犯に努めるなど、被害の長期化を想定した新たな動きも見られる。

 九百三十七世帯が断水している鴨川市内のホテル三カ所では、被災した市民に無料で風呂を開放し、多くの人が利用している。そのうちの一つ「鴨川館」の広報担当者は「停電や水不足で苦しんでいる人にせめてお風呂だけでも入ってほしい。復旧するまで続けます」と語った。

◆給水・充電など生活情報を告知 県内自治体HPに

 停電や断水が続く県内自治体では住民への給水を続けているほか、スマートフォンや携帯電話の充電スポットを開設するなどしている。これらの情報は各自治体がホームページ(HP)などを通じて告知している。被害が深刻な市原市では、十日からHPのトップ画面を台風関連の情報一覧に作り替えた。避難所の開設など市からの情報のほか、電波障害が発生している携帯電話会社への外部リンクなどを一つの画面で見られるようにした。同市シティプロモーション推進課は「市民が必要としている情報を一元化して見られるようにした」と説明した。