卸売市場のあり方を考えるシンポジウム「築地閉場、豊洲開場から一年」が十六日、千代田区の上智大で開かれた。来年六月に施行される改正卸売市場法の問題点などを、大学教授や市場関係者が議論した。

 問屋の売り惜しみで食料品価格が高騰したことなどを背景に、公正な取引を守るため一九二三年に同法が制定された。法改正を重ねて規制が緩和され、来年の改正では、民間業者の中央市場開設が認められる。卸業者が仲卸業者や売買参加者以外の業者に売ることや、仲卸が産地から直接仕入れることも可能になる。

 この日、北條勝貴・上智大文学部教授(東アジア環境文化史)は「(大手の進出で)画一的な場所がつくられ、地域の固有性が失われる」などと指摘した。同法に詳しい三国英実・広島大名誉教授も「法改正で大企業優位の市場運営が強まり、中小の仲卸業者や買い出し人が市場から締め出される」と危ぶんだ。

 東京中央卸売市場労働組合の中沢誠執行委員長は、法改正後、価格操作などで市場の公正さが失われる危険性を指摘した。また、築地市場(中央区)から移転して間もなく一年を迎える豊洲市場(江東区)の現状について、場内のエレベーターで人身事故が起きていることや、駐車場不足などで買い出し人が他市場に流れていると報告した。

 シンポは市民団体「希望のまち東京をつくる会」(宇都宮健児代表)などが主催し、約百六十人が参加した。 (石原真樹)