台風15号による影響で、県内の医療機関や社会福祉施設では計二百カ所以上で停電が発生していたことが、県への取材で分かった。十八日までに大部分が復旧したが、停電の影響で病院運営が危ぶまれ、熱中症の疑いで死者が出るなど現場は切迫していた。 (中谷秀樹)

 県健康福祉部によると九日以降、災害拠点病院二十六カ所のうち、君津中央病院(木更津市)と県循環器病センター(市原市)で停電が発生。一般病院三百十三機関のうち、七十機関で停電の報告があった。特別養護老人ホーム(特養)や障害者施設など県所管の社会福祉施設では、七百九カ所のうち、少なくとも百三十二カ所で停電が発生した。十八日現在、停電が続くのは民間病院一機関のみ。社会福祉施設は停電が続く十五カ所で、電源車を置いて対応している。

 停電中、病院では電力不足でCTスキャンや人工透析などができず、患者を別の医療機関に送るなどの対応に追われた。非常用電源による限られた電力を医療行為に優先させるため、エアコンの使用を制限していた病院も多かった。君津市内の民間病院は患者の管理が困難と判断したため、入院患者九十九人を県内外の別の病院に移送した。

 社会福祉施設では十五日現在、熱中症の疑いで三十九人が病院に入院搬送された。このうち、君津市内の特養に入所していた女性(82)は十一日に発症。最初に搬送された病院が停電で十分な治療ができず、程なく違う病院に移されたが、翌十二日に死亡した。県高齢者福祉課は「熱中症など健康確認に引き続き注視するとともに、停電中の施設は運営に支障がないように支援していく」としている。