川崎市ゆかりの3人組ロックバンド「SHISHAMO(シシャモ)」が来年8月、中原区の等々力陸上競技場でライブを開催する。同競技場で音楽イベントが行われるのは、1967年の完成以来初めて。市民文化大使で市のPRに協力していることなどから、市も異例の協力態勢で会場を貸し出す。 (大平樹)

 シシャモは川崎総合科学高校の軽音楽部で結成され、二〇一三年春の高校卒業後、同年十一月にデビューアルバムをリリース。一七年にはNHK紅白歌合戦に出場した。地元等々力でのライブは同年に市側に打診があり一八年七月の開催が決まったが、当日に台風接近のため中止になっていた。あらためての日程調整を経て、二〇年八月九日の開催が決まった。

 市によると、同競技場に音楽イベント開催を禁止する規定はないものの、利用時間を午前九時〜午後八時半としていることや、サッカー以外での夜間の照明利用を認めないのが原則なことから、実質的に困難だった。過去に音楽イベント開催を打診された際も断っており、今後別のアーティストから依頼があっても認めるかは不透明だという。

 周辺が閑静な住宅街なことから、市は競技場をホームとするサッカーJ1川崎フロンターレにも午後九時以降の鳴り物応援自粛を要請するなど、騒音対策に努めている。今回のライブに向けて、周辺での騒音測定やメンバーも交えた周辺住民訪問などで理解を得た。

 メンバーたちは今月十一日、市役所の福田紀彦市長を訪ねた。ギター・ボーカルの宮崎朝子さん(24)は「昨年中止になった時は、いろんな人の協力があって実現するライブができなくなって残念だった」と振り返った。ベースの松岡彩さん(23)は「中止は悔しくて、等々力陸上競技場でやりたい気持ちが強くなった。絶対に成功させる」と意気込みを語った。