生まれた時から勝ち組。

そう言われる一方で、「親の七光り」「二代目は会社を潰す」と揶揄されることもある二世たち。

親の潤沢な資金を受け継ぎ、悠々自適に暮らしているようにも見える彼ら。

そんな彼らの生態を暴いていこう。

これまでに、二世という身分を隠しながら嫁を探す幸一郎や親の資産格差で悩む、慶應幼稚舎出身の航平を紹介した。今回は?



<今週の二世くん>

名前:雅也
年齢:28歳
職業:大手民放テレビ局
年収:1,000万
居住地:赤坂
親の職業:大手外資系自動車メーカー(日本支社長)


前回登場してもらった航平から、元クラスメートを紹介してもらった。つまるところ、友人である雅也も同じく、慶應幼稚舎出身であることは言うに及ばない。

まるで俳優のような整った顔立ちに、趣味のジム通いの成果なのか、隆々とした筋肉。

“天は二物を与える”と不公平さを嘆かずにはいられないが、彼の生い立ちや経歴を聞いていると二つどころか、それ以上のものを生まれながらに与えられたことを知ることになった。

「幼少期は、父の仕事の都合でアメリカに住んでいました。小学校に上がると同時に帰国したのですが、一応、今でも英語は話せます。」

苦労せずに英語力も手に入れ、目黒にある実家で何の不便もなく生きてきた。

(大学生になり、外部生と触れ合うまで、自宅にお手洗いが一箇所しかない家に足を踏み入れたことはなかったそうだ...)

ある意味浮世離れしている雅也だが、彼の就職活動の実態を知り、唖然とした。

「こんなこと言っていいのか分かりませんが...親父の会社は、テレビ局にとってかなり大口の広告主。表面上は就職活動を行ったものの、実際には入る前から決まってました。 」


生まれた時から既に決まっている?二世ならではの就職活動術

全てはお膳立てされていた


大学3年生の時、周囲が就職活動に焦り始める中、雅也は悠々自適に過ごしていた。

何故ならば、既に父親の力で大手テレビ局、及び大手広告代理店から内定を得ていたからだ(厳密に言うと内定を得ていたわけではないが、口約束で決まっていた)。

「僕の周りも、みんなそんな感じで就職していますよ。航平くらいじゃないかな?自力で就職先を掴み取ったのは。あいつ、本当に偉いですよね。」

本人に悪気は全くない。

何故ならば、それはその家に生まれた人の特権であり、彼らにとって当たり前の世界でしかないからだ。

「僕の就職活動ですか?そうですね、皆が就職活動を始める前に、親父と、局のお偉いさんと一度食事に行きました。場所は忘れましたが、赤坂の料亭だったかと。」

これが、雅也にとっての就職活動だった。

その時に大学生活のことや過去にしてきた部活動のこと、そして英語力などを問われ、その後和やかな談笑をしてその会は終了したと言う。

「暫くして、親父から言われました。“お前、テレビ局に就職決定だな”と。」



就職活動の大変さなんて、露知らず。


雅也がテレビ局に就職を決めたのは、もちろん親の口利きのお陰だけではない。

小学校の時から野球を続けており、内部生にしては珍しく部活動に熱心だった。そして日本へ帰国後も、小学校の夏休みには毎年アメリカのサマースクールへ通っていたお陰で、英語も堪能。

加えて慶應義塾大学卒業という、学歴も完璧だった。

しかしここでも気づかされることがある。慶應に幼稚舎から入学できたのも、サマースクールに毎年送ってくれていたのも、全ては親があってこそ。

「でも、部活動は自分の意思ですよ(笑)」

世の中の人たちは、必死に、自力で成功を掴まなければならない。

人気就職先であるテレビ局に入社するのは、至難の技。局に勤める同期たちも、必死に就職活動をし、内定を掴み取った人が多い。

しかしそんな情熱溢れ、時に悲壮感漂う就職活動を同じ世代の人たちが行っている中、雅也は自分は受かると知っていたため、一人だけ余裕綽々だった。

面接官も既に雅也のバックグラウンドを知っており、彼を落とせる権利は持たない。結果として、雅也が就職活動を行ったのは現在のテレビ局1社のみ。

「親には感謝しています。親のお陰で、今の僕があるわけですから。」


果たして、そんな縁故採用組の結末とは?現在の生活に迫る

40万のタワマン住まい。しかし家賃は親と折半?!


現在、女性ファッション誌でも度々見かけるモデルと付き合っているという雅也。

「彼女が若いので、結婚とかはまだ考えてないですね。今が楽しいし、落ち着くのはもう少し先でいいかな。」

今でも週末になると六本木や西麻布界隈で幼稚舎の仲間と集い、遊ぶ日々。

そして現在は実家を出て、赤坂の家で一人暮らしを満喫中だが、実はこの家は父親名義で借りている。

「新卒で入社した時、自分の名義だと借りられる家が狭すぎて。だから親の名義で借りてもらったのですが、引っ越すのも面倒だし名義変更も煩わしいので、ずっとそのまま住みついてます。」

雅也の現在の自宅は、赤坂にあるタワーマンションで、広さは57平米。家賃は40万弱である。

しかしその家賃を、未だに半分親が支払ってくれているというから、驚きだ。

「多分、親父自身も払っていることを忘れているんじゃないかな?何も言ってこないしね。あとテレビ局の給料は安いから、ここまでの家賃を自分一人だと払えないから。」

必然的に、雅也の貯金は増える一方だ。



年収1,000万なんて、取るに足らない金額


「将来ですか?このままテレビマンとして終わるんですかねぇ。」

雅也の親の会社は世界的に有名な自動車メーカーだが、あくまでも日本支社長であり、父親自身が立ち上げた会社でもなければ、息子に譲渡できる権利もない。

必然的に、父親の退社後は雅也自身の力で生きていかなければならないが、雅也からは焦りなど一切見受けられない。

「いつか結婚して子供が生まれた時に、親が自分にしてくれたようなことをしてあげたい、とは願っています。でも、今の給料じゃ難しいかな。」

現在の雅也の年収は約1,000万。

同世代の一般的なサラリーマンの平均給与と比較すると高い金額だが、昔から贅沢な暮らしに慣れている雅也にとって、今の給料は“全然足りない”そうだ。


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野球選手の父の背中が大きすぎて。プレッシャーと戦ってきた二世が行き着く先