生まれた時から勝ち組。

そう言われる一方で、「親の七光り」「二代目は会社を潰す」と揶揄されることもある二世たち。

親の潤沢な資金を受け継ぎ、悠々自適に暮らしているようにも見える彼ら。

そんな彼らの生態を暴いていこう。

これまでに、身分を隠しながら嫁を探す幸一郎や親の資産格差で悩む慶應幼稚舎出身の航平、母親の起業によって突然二世の仲間入りを果たした亮太などを紹介した。

今回は?



<今週の二世くん>

名前:鉄平
年齢:30歳
職業:不動産会社勤務
年収:約600万
居住地:武蔵小杉
親の職業:元不動産会社 経営


一生涯暮らしていける資産があったはずなのに


鉄平の父親は、一代で不動産業を築きあげた。

今でも世田谷区の一角には、鉄平の父親の名字、つまりは鉄平の名字がついたビルを数軒見かけることができる。

そんな鉄平は大学卒業後、就職活動が嫌だという理由だけで2年間ほどアメリカへ留学。

(大学などには進学せず、語学学校に通っていたため、留学より遊学と言った方が適切な表現かもしれない...)

「当時は本当に楽しかったですね。女性に対して、若干23歳くらいなのに何でも買ってあげられるし。」

当時、鉄平は親のすねをひたすらかじって暮らしており、月々のお小遣いは最低でも30万。

お小遣いの限度額は、なかったそうだ。

そして帰国後はそのまま父親の会社に入り、入社直後から役員報酬を貰い始める。

「苦労も知らず突然社会人になり、社会人になっても良いポジションが用意されていて。自分は永遠に恵まれていると、信じて疑いませんでした。」

そんな矢先、鉄平が26歳になった時、父親から呼び出される。

「会社がなくなるから、と。」

一見順調そうに見えた父親の会社だが、実際は経営難に陥っていたことを、鉄平は全く知らなかった。

そしてその日から、鉄平の生活は一変した。


ある日突然の倒産宣言。親のスネ以外で、どうすればいいの?

経済力=女性からのモテ度。そこに例外なし


元々、ハングリー精神もなければ自力で生きて行く術も持たない鉄平。

親の手厚い加護の元ぬくぬくと育っていただけに、26歳にして突然世の中に放り出され、ただ愕然としたそうだ。

「とりあえずどこかに引っ越そうと考え、当時付き合っていた彼女に連絡をしたんです。しかし状況を話した途端に、その場で振られちゃって。」


—女は、薄情である。


鉄平は、この時に身をもって学んだ。

「それまで散々、僕のカードでいい思いをさせてきてあげたのに。金の切れ目が縁の切れ目と言いますが、女性はまさにその通りなんだなぁと。」

2年間ほど交際していたその彼女に費やした額は、デートの度に行っていた高級店に、記念日に泊まる外資系のラグジュアリーホテル。

そして貴金属類にカバン...と、金額は計り知れない。

「今から思うと、勿体ないことをしたなと思います。でも当時は、毎月50万くらい女性に使うことなんて、痛くもかゆくもなかったから。」

鉄平は、失って初めて気がついた。

女性を甘やかすと、それが当たり前となり、感謝もされなくなることに。



一体なぜこうなった?資産を食い潰した二世くん


そもそも、鉄平の父親は一代で会社を築き上げ、順風満帆だったはずだ。

生まれた時の環境に何も疑問を持たず、お金は言えば親から降ってくると思っていた。

家には高級外車が常に3、4台あり、国内外合わせて別荘は6軒も所有していた。

鉄平の姉も学生時代からバーキンを買いあさっていたそうだが、鉄平も大学時代はセレクトショップで毎月20万以上の“オトナ買い”が当たり前。

毎年数回は行く家族旅行は全員ビジネスクラスが“常識”。

それに慣れていたため、大学の卒業旅行も、同じような二世くん同士でパリまでビジネスクラスで行き、五つ星ホテルにステイ。

学生時代、遊ぶ時は毎週末、一席10万以上するクラブのVIP席を押さえるなど、一般人とは金銭感覚がかけ離れていた。

「不思議なもので、その時は気がつかないんです。だって、それが当たり前だったから。」

だがそんな生活は、泡となって消えていった。


親から貰う額の方が、給料よりもはるかに高い?不思議な逆転現象

「学生時代の小遣い>30歳の年収」という二世ならではの悲しい現実


現在は、大手不動産会社に勤務している鉄平。

年収は、昔学生時代に、親からお小遣いとしてもらっていた額より大幅に減ったという。

「20歳の頃の方が、今より経済力がありました。本来ならば、逆ですよね。」

そう言いながら笑う鉄平だが、不思議と悲壮感は感じられない。むしろ、穏やかで幸せそうな顔をしている。

「本当に大切なものは何かが、分かった気がするから。」

離れていった彼女とは全く連絡を取っていない。そのかわりに、今は3歳上の彼女がいるという。

自身で会社を営んでいるという彼女は、自立しており、何かあったら私に任せてと言ってくれる、頼もしい存在だそうだ。

現在一緒に暮らしているが、生活費は”綺麗に折半”。

しかし家賃は、鉄平と彼女の支払い割合が7対3である。

これは、彼女曰「自分が払ってもいいけれど、若いうちは苦労した方がいい」という、彼女なりの飴と鞭だと鉄平は知っている。

「完全に、彼女の尻に敷かれてますが...そっちの方が、僕には合っているみたいです。」



また、女性関係は大きく変わったものの、男の友情は変わらない。

今でも学生時代の仲間とはよく遊んでおり、そこに何の分け隔てもない。

「友達の中には、気を使ってくれる人もいますが。でも、自分でも隠していないし、むしろ今の姿を見せることに恥じらいはない。」

そう強く言う鉄平だが、今の状況を受け入れ、旧友たちに真実を伝えるまではそれなりに時間がかかったそうだ。

「最初は、落ちぶれた姿を見せるのが怖かった。でも、今はそれを乗り越えた分、強くなった気がします。」

そんな鉄平だが、いつか自分で起業し、昔父親が見せてくれていた世界を再び体感することが目標だと言う。

しかし、一度親の失敗を目の当たりにしている。そこに恐怖心や嫌悪感はないのだろうか?

「今だから、色々と分かることがある。失った物を取り返すように、自分の力で、また一から築き上げられればいいのかなと思っています。それが親孝行だから。」

どうしようもないボンクラ息子は、皮肉にも一度失敗したことで、大事なことを学んだようである。


▶NEXT:9月8日金曜更新予定
これぞ華麗なる二世のネットワーク!子供の頃から身に付いている遊びとは?


【これまでの二世を狙え!】
Vol.1:「20代でバーキンを持つ女には近付かない」身元を隠し嫁を探す男
Vol.2:親の格差は子の格差。慶應幼稚舎出身でも、実家の資産総額で生じる隔たり
Vol.3:就職活動は、TV局のお偉いさんとの会食。ゆるゆる縁故採用の実態
Vol.4:永遠に越えられない、有名すぎる父。豊かさと引き換えに受け入れた葛藤
Vol.5:資産があるゆえ。幼い頃から見てきた女性の本性に、未だに癒えぬ傷
Vol.6:ほかの二世とは一緒にしないで。どんな女性に言い寄られても心動かない男