これまで、LINEのテクニックを3ヶ月にわたり伝授してきた。

これはいわば、マンツーデートに漕ぎつけるための駆け引き。

この難関を突破し、いよいよデートに臨む諸君に捧ぐ『デートの答え合わせ』、開幕である。



デートの際のお支払い。女性はいくら払うべきなのか、払うフリをすべきなのか?

何度デートを経験しても、結局私は正解が分からずにいる。



篤人さんは、同期が開催した食事会で出会った。勝どき界隈にある総合商社勤務の28歳。

生まれも育ちも東京都心で、体型にぴったり合ったスーツ。そして端正な顔立ちに、私は出会った瞬間から何かを感じた。

「由理ちゃんはにゃんにゃんOL系?」

「違いますよー。今は六本木にある外資系の広告会社で営業をしています。」

26歳、独身。仕事は順調で楽しいけれど、そろそろ真剣に結婚も視野に入れて彼氏を探そうと思っていた。

「由理ちゃん、今度ご飯いかない?」

食事会の後、こっそり私にそう言ってくれた篤人さんに対して、私の気持ちは高まる。

結局、デートの約束は2週間後となった。

2週間で、何ができるのか考える。ネイルへ行き、ヘアサロンへ行き、もし時間があるならばエステにも行っておきたい。マツエクもリペアに行こう。

しかも初デート。彼好みの服装で行きたいし、そのためにショッピングにも行かないと。


女はデートするまでに、結構お金がかかる。


投資額は、デート相手に対する気合い度に比例する。本気で決めたい相手であればあるほど、事前の準備額は増えるのだ。

それを男性は知っているのだろうか。

だから毎回、デートのお会計の時どう振る舞うのが正解なのか、悩んでしまう。


会計時。お財布を出す“フリ”をするか否か

Q1 :1軒目のお会計時。たとえ演技でも、お財布を出すフリをすべきなの?


デート当日。私は買ったばかりのニットのセットアップを着ていくことにした。

前回の食事会の際に、篤人さんが「優しくて、柔らかそうな雰囲気の人が好き」と言っていたことを思い出し、ふんわりとしながらも女らしさが強調できるこのワンピースを購入したのだ。

篤人さんが予約してくれたのは、『Obicà Mozzarella Bar 六本木ヒルズ店 』だった。



伝統的なスタイルの「ピンサ」を用いたピッツァが味わえるこのお店は、たまに女子会でも使う、使い勝手のいいお店である。

店に着くと篤人さんは既におり、私を見るなり爽やかな笑顔を向けてくれる。その笑顔に、私は今日のために色々と投資してよかったと心底思った。

「由理ちゃんは、普段何してるの?」

「週末は友達とご飯を食べに行くことが多いですね。あと休みがあれば、数泊でも旅に出たり。」

20代独身は、楽しい。

自分である程度稼げるようになってくると、全て自分に使える。好きな場所へ旅行できるし、良い店だって稼げば自分で行けるようになる。(でも、デート代は男性に払ってほしい)。

「篤人さんは、週末は何をされていますか?」

「ゴルフが多いかなぁ。あとは食べることが好きだから、気になる店を探して行ってみたり。」

頭の中で、篤人さんの年収を計算する。28歳の総合商社勤務。年収1,000万くらいだろうか。

「うっそ!私も食べるの大好きです♡」

そこから2人で、最近行ったお店の話で盛り上がる。

私の好きなお店ベスト3や、お鮨好きな篤人さんのオススメのお店などを言い合って盛り上がっているうちに、ワインは1本空いていた。

「この後、どうしようか?由理ちゃんの時間が平気ならどこか行く?」

「もう一杯だけ、飲みましょうよ。」

デートは、良い感じに盛り上がっている。お手洗いに行って化粧直しを終えて戻ると、ちょうど篤人さんがお会計を待っているところだった。

「おいくらですか?少し払います。」

「大丈夫だよ。初デートなんだから、ここくらい僕に払わせて。」

篤人さんの笑顔に胸を打たれながら、私はお財布をカバンの中に押し込んだ。

「ご馳走様です。」


男女で異なるスマートな会計時のお作法。

Q2:この2,000円に、何の意味があるの?


改めてお礼を言い、外に出るとひんやりと冷たい夜風が吹いていた。でも酔いを冷ますのには丁度良い空気だ。

「ちょっとだけ、歩きませんか?」

「由理ちゃん、ヒールだけど大丈夫?僕は酔い覚ましも兼ねて歩きたいから嬉しいけど。」

こういった気遣いができる男性はモテる。篤人さんは、ごく自然に女性をエスコートできる人で、そこが更に魅力的だった。

「今日は歩ける靴なので、大丈夫です。私も酔いを覚ましたいので。」

お互いの意見が一致し、少し寒い日だったが西麻布にあるバーまで歩いて行くことにした。

酔い覚ましに途中コンビニでお水を買ってもらい、店へ向かう。

「冬って1人だと寂しいよね...」

そんなことを言いながら、私たちは六本木通りを西麻布方面へと向かって歩いた。

手を繋ぎそうで繋げない少しの距離が、2人の間にはまだある。でもきっと、次に会う時にはもっとこの距離は縮まっているはず 。

その初々しい感じを楽しみながら2軒目の『バー アンバー』へ向かった。



結局2軒目でも私たち二人は結構飲み、気がつけばもう12時を過ぎていた。

「楽しすぎて時間があっという間だね。」

そんなことをお互い言い合いながら、会計を貰う。携帯をチェックしていると、私は予想外の言葉に思わず頭を上げた。

「じゃあ、由理ちゃん。2,000円だけもらおうかな。」

携帯を打とうとしていた私の手の動きが、ピタリと止まる。

—2,000円取るんだ...

毎回、思うことがある。この2,000円に何の意味があるのだろうか、と。

でもそんなこと、口が裂けても言えない。ここで篤人さんを逃すのは惜しすぎる。

それに結婚したら財布は一つになる。男性は少しケチなくらいが丁度いいのかもしれない。

そんな先のことも考えつつ、私は笑顔で財布から2,000円を取り出し、篤人さんに渡した。



しかしこのデート以降、篤人さんから連絡は来なくなった。

デート中に悪いことはしていないし、2軒目ではきちんとお支払いしている。


男性から見て、何が悪かったのか。
私はその答えを、知りたい。


▶NEXT:11月19日日曜更新予定
お会計問題、男性が求めている行動とは?:デートの答えあわせ【A】


<これまでのデートの答えあわせ【Q】>
Vol.1:2軒目のデート開始30分。彼女が「明日朝が早い」と突然帰宅したのは、ナゼ?
Vol.2:2人きりでの食事・デートの誘いに乗ってきた。=“脈アリ”じゃないの?
Vol.3:初デートは「19時、駅に待ち合わせで。」このNGポイントはどこ!?
Vol.4:私の、どこがダメだった…?会話も、化粧も服装もすべて完璧だったのに
Vol.5:初デート。「もう1軒行かない?」と言われた時に男が取るべき行動とは
Vol.6:デートの重要なポイント、店選び。女が男を“友達”だと判定した理由とは?