男女の仲を深めるのに欠かせない、デート。

完璧だったと思ったのに、うまくいかないときもある。私たちはそんなとき、こう考える。

―あの時の、何がいけなかったのだろうか?

あなたはその答えに、気づけるだろうか。

会話も食事も完璧だったはずの真衣とのデート。しかし一回デートをしたっきり、真衣から拒絶される。

その答えや、いかに。



知之さんと知り合ったのは、女友達が誘ってくれたワイン会だった。

“素敵な男女が集まる会”だと聞き、興味本位で行ったが、たしかに魅力的な男性と綺麗な女性が集まっていた。

しかしそんなことより、私は珍しいワインたちに心をときめかせていた。

出されたワインを写真に収めようとした時、背後から声をかけてきてくれたのが知之さんだった。

「この会、初参加だよね?僕は主催者の友達で、知之って言います。慶應の医学部を出て、今は都内で父親の跡を継いで開業医として働いています。」

主催者は35歳くらいの経営者だと聞いている。なるほど、そういう人たちが集うのか。

「真衣です。初めて参加しましたが...皆様、ワインお詳しいですね。無知で恐縮です。」

男性陣が持参したワインは中々のもので、有名な銘柄からマニアックな銘柄までひと通り揃っていた。

「良ければ、今度美味しいワイン飲みに行かない?西麻布にお気に入りのお店があって。」

知之さんの誘いに、私は「是非♡」と答えた。

しかし私は一度限りのデートで、うんざりすることになる。


見切った理由は、ただ一つ?男が気づかぬ、女が欲してるもの

A1:肩書と年収にこだわりすぎ。それよりもっと大切なものがある


知之さんが予約してくれたのは、西麻布にある『レフェルヴェソンス』だった。

噂には聞いていたが、実際に店に足を運ぶのは初めてで、期待に胸を膨らませながら食事が始まる。



「今日は、お仕事お休みなんですか?」

ジャケットは羽織っているものの、かっちりしたスーツではなく、どちらかと言うとスマートカジュアルな装いの知之さんに、そう聞いた。

「開業医だから。基本的に時間外は診察しないし、勤務医と違って比較的自由に働けるんだ。」

「そうなんですね!開業医なんて、すごいですね。」

ここで、私は自分の仕事のことを聞かれると思っていた。普通自分のことを聞かれたら、相手にも質問するだろう。しかし、知之さんは違った。

「そんな、全く凄くないよ。父親が医者だったから、その他の選択肢がなかっただけの話で。」

そこから、しばらく知之さんの身の上話が続く。
途中から、私は“相槌を打つ係”に変わっていた。

「知之さんは生まれた時からの勝ち組ですね!」

そんな合いの手を入れながら、私は知之さんの話を盛り上げつつ、ひたすら聞き役に回った。

ようやく私に質問が来たのは、彼の身の上話が一通り終わった後だった。

「真衣ちゃんは、仕事何してるの?」
「丸の内にある貿易関係の会社で働いています。」

しかし私の話をしても、知之さんはニコニコと見つめているだけで、何も会話が発展しない。

仕方なく、またこちらから話を振ってみる。

「知之さんは、普段どんなお店に行かれてますか?色々とお詳しそうなので...」

「そうだなぁ...かなり王道になってしまうけど、銀座の『アピシウス』は昔から通っているよ。鮨は『三谷』。あと新店だと西麻布にできた『龍眉虎ノ尾 西麻布』とかは気になっているから、今度行こうと思ってる。」

途中からあまり話を聞いていなかったので覚えていないが、知之さんはこのデート中、とにかく自分のことばかり話していて、私の話を引き出そうとはしてくれなかった。

「すごいですね〜!さすが知之さん、お店選びのセンスも良いんですね。」


会話の途中から、私は女の“さしすせそ”、「さすがです、知らなかった、すごいですね、センスいい、尊敬します」を繰り返していた気がする。


男が犯していたミス。女は、たった一つのことを求めている

A2:女は、話を聞いてほしい。適当な相槌は、つまらぬ証拠


知之さんが2軒目に連れて行ってくれたのは、外苑前にある会員制の高級バー『&b』だった。

店内の内装はさすがの一言に尽きる。高級家具がセンス良く配置されており、私はここの空間が好きだった。



と言うのも、実は何度かこのお店には連れてきてもらったことがある。

しかしあまりにも自慢気な知之さんを見て、私は何も言わないのが優しさかと思い、敢えて知らないフリをした。

「ここ、会員制なんだ。良いワインが揃ってるよ。」
「素敵なお店ですね。」

そして知之さんは、サッシカイアをオーダーしてくれた。

「赤ワインの中でも、僕が好きなワインなんだ。華やかで口の中に花が咲くようなこのワインは、女性にもファンが多いんだよ。」

とってつけたような説明を一生懸命してくれているが、実は私もワインが大好きで、趣味が高じてワインエキスパートの資格を取得したほどだ。

全く隠すつもりもないし、会話の流れで話そうと思っていたけれど、そんなキッカケもないまま迎えた2軒目。

しかも本人は“ワイン通”を自負しているため、ここでプライドをへし折るのも可哀想かと思い、(むしろ私が口を挟むタイミングもなかったため)、そのまま黙って知之さんの説明を聞く。

「これは何年の物ですか?」

知之さんとの会話の合間に、記録用としてボトルの写真を撮らせて貰おうと思い店員さんに話しかけると、すかさず知之さんから突っ込みが入る。

「お!年代を聞くなんて、真衣ちゃんもワイン通になってきたね!」

「そんなそんな。やめてくださいよ〜。美味しいなぁと思って、興味本位で聞いてみました。」

二人で乾杯し、「サッシカイア」の華やかなアロマを感じる。その良い香りに一人幸せに浸っていると、隣で知之さんはまた自分の話を始めた。

「凄い定番になるけど、やっぱりオーパス・ワンは美味しいよねぇ。あのカリフォルニアっぽい強さとまろやかさがたまらないと思うんだ。」

オーパス・ワンも勿論美味しいけれど、他にも好きな銘柄はたくさんある。一緒にワインの話ができたらいいなと思っていたのに...

「たしかに、美味しいですよね。」

途中から、私は何をしに来たんだろう?と思い始めた。これではデートではなく、むしろ接待だ。

「今度、銀座にあるフレンチに行かない?僕がよく行く店があるんだけど、そこもワインが美味しくて。真衣ちゃんも気に入ると思うんだよね。」

「気になります!さすが知之さん。ワインやレストランに精通していますね。尊敬します。」

最後まで私は彼のプライドを傷つけないように、聞き役に徹した。

全く会話のキャッチボールができないまま、私たちはお互い別々のタクシーに乗り込む。

「何か今日のデート疲れたな...」

ご馳走してもらったのに申し訳ないけれど、彼が乗ったタクシーを見送った後、私は安堵の気持ちに包まれた。


女は、話を聞いてほしい。


とてもシンプルなことなのに、意外にできる男性は少ないのかなと思う。

話を聞くことは嫌いではないけれど、初回のデートは巧みに女性の話を引き出せる人の方がモテることは、明白である。


この回の【Q】はコチラ


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デートの答えあわせ【Q】:綺麗な女にありがちな言ってはいけなNGワード


<これまでのデートの答えあわせ【A】>
Vol.1:「明日、朝早いから帰ります」は真実か?女が2軒目で帰る理由に気づかぬ男
Vol.2:2人きりで食事に行くことの意味。女性がデートの誘いに乗った本当の理由とは?
Vol.3:待ち合わせは「駅or店」どちらが正解?女が思う、ベストな集合時間と場所とは
Vol.4:男がデート中に見ている仕草。女が良いと思っていることが、仇になる?
Vol.5 : 男が勘違いしがちな“無駄な優しさ”。メニュー選びに潜む罠
Vol.6:店選びで女が見ている点。女が男に求める気遣いと、欲する一言とは
Vol.7:女は出す“フリ”をすべきなのか?会計時に男が女に求める行動とは
Vol.8:女だって、恥ずかしい。デート中に、好きな男性にだけ見せる仕草とは
Vol.9:あゝ悲しき男の勘違い。女が仕掛けてくるボディタッチの真の意味
Vol.10:女の「こんなの初めて♡」を真に受け、踊らされる男たち
Vol.11: あなたのセーターは、大丈夫?“家庭的でいい女”を目指した女の失態