美食の街・銀座。グランメゾンから鮨、中華などあらゆるジャンルの一流が集まるこ銀座で、いまも注目を集めている店がある。

成熟した美食シーンに彗星のごとく現れた『銀座 盡』とは、一体どんなお店なのだろうか。



わずか6席のみのカウンター。銀座随一のプラチナシート
『銀座 盡』

自らの感性の赴くままにひと皿ひと皿を創り上げる。そんな若き料理人が増えている。単にイノヴェーティヴという言葉では語り尽くせぬ、新感覚料理を味わいたい時、訪れるべきが『銀座 盡』。

佐藤慶シェフの奇才ぶりが耳目を集めている。

今年の4月、神戸芦屋から銀座へと移転。口コミで評判が広がり、瞬く間に予約至難(既に2018年は満席)なレストランの仲間入りを果たした。

古い雑居ビルの6階に潜む佇まいはまさに美食の隠れ家だ。

重厚な扉には、三日月マークに盡のロゴを記した真鍮の看板。会員制のバーのような趣に、一瞬たじろぐかもしれないが、心配は無用。

扉と店内を仕切る幕を開ければ、そこは静寂に包まれた小宇宙。


佐藤シェフの穏やかな笑顔とスタッフのもてなしの心が紡ぎだす非日常の空間が待っている。カウンターは檜舞台。素材は役者。

そして、選りすぐりの役者をそろえ、オリジナルな皿の数々を演出。

〝美食〞というエンターテインメントで客を魅了する佐藤シェフは、いわば総指揮者といったところだろうか。

アンティークな真鍮製氷の冷蔵庫や檜の蒸篭など店内に整然と並ぶ調理用具に至るまで佐藤シェフの美学が息づいているようだ。


「自分にとって、より厳しい場所に身を置くことで、モチベーションを高めたいと思ったんです」銀座進出の思いを率直に語った佐藤シェフ。

愛媛県出身。イタリア料理店で4年、フレンチ、和食各1年。その後、朝は市場で働きながら鮨屋で修業したマルチな経歴の持ち主。

そこには、世界のVIPが集まるこの街で、自分の料理がどこまで通用するのか試してみたいという思いもあったのだろう。


さて、料理は全12〜15品から成るおまかせコース一本のみ。イタリア料理を振り出しに、フレンチ、和食、鮨と多くのジャンルを経験してきただけに、料理は縦横無尽。

洋をベースに、和の〝引き算の哲学〞を信条とした料理は、無駄な装飾を一切排したシンプルさ。それでいて味の構成は立体的だ。とりわけ特徴があるのは酸味使い。


異才のシェフが繰り出す、気になるコースの内容とは?

白子のグリエ ロワイヤル。ヘルシーな米油でグリエした白子と帆立貝ベースのフュメで作った茶碗蒸しを合わせた、和と洋とのコラボ的な料理


ハマグリの白ワイン蒸し。上に振りかけているのは、オーブンで乾燥させたふきのとう。ふきのとうの苦みとハマグリの磯の風味が絶妙


例えば「車海老のシャンパン蒸し」。新鮮な北海道産帆立貝で取った出汁とシャンパンで蒸し上げた一品だが、車海老と帆立貝の仄かな甘みを、引き締めているのがシャンパンの酸味だ。

更に仕上げに自家製バターを加えることで、和にシフトしがちな味わいを洋に振り戻している。


また、毎日作る自家製バターが絶品。それに合わせてパンも手作り。このパンを始め、コースの最初に出す挨拶代わりの魚のフュメや米の精米にしても、すべて客の来店時間に合わせるきめ細やかさ。最上のタイミングで提供するための、たゆまぬ努力が客席に感動を与えるのだ。


店のインテリアは檜と真鍮、銅がテーマ


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