いいレストラン、ラグジュアリーな料理を知る大人にも、皆それぞれ本能で欲してしまうひと皿がある。

例えばそれは、懐かしのスパゲティや、背徳的なハイカロリー飯。

酒場の名物の逸品、あっさりした中華そば…と、欲望の限りに。

スパイスたっぷりの刺激的な料理も、そのひとつ。

暑〜い空気が漂う今日このごろ、だらっとした身体には、辛さがもたらす発汗作用の気持ち良さがたまらない。



気温が上がると“辛っ”といきたい健康女子の暑さ対策

遅れてやってきた今年の夏は、本気で暑い。外を歩きたくない。プールに行きたい。

私がそんなことばっかり言っているから、デートのリクエストで「火鍋!」と断言した時、彼は驚いていた。

「なんでまた、こんなに暑い時に鍋?」

違う。鍋じゃなくて火鍋なのがポイントだ。もっと言えば『ファイヤーホール4000』の火鍋を食べたい。



そこは陳建一さんの右腕だった菰田シェフによる火鍋店で、以前、五反田の店に行って以来ファンになった。

その麻布十番店には行ったことがなくて、でも、内装や雰囲気はそちらの方がデート向きと友達が言っていた。

よくある油っぽい火鍋とはまるで違う唯一無二のスープを飲んだ後は、薬膳の力で身体が元気になり、翌朝のお肌はつるっつる。

それに、暑さにだれた身体を覚ますべく、スパイスの刺激を無性に欲している。

あのスープを飲んだあとはアドレナリンが分泌されて、ランナーズハイに近いものを感じるのだ。

…そんな私の熱弁に彼はまだ腑に落ちていないけれど、行けばわかる。

予約した麻布十番店に入ると、なるほど、シックな内装で大人のデートにぴったり。



席に座りさっそく頼んだのは〝ルビーコース〞。

フカヒレに蛤、鯛、車海老などの魚介から黒毛和牛まで並んで、もうお祭り気分。

従来の火鍋の概念を覆す厳選食材ばかりだ。

スープは麻辣と肉骨茶の2色で、初めに少し飲んでみたら、どちらも身体がほどけるような美味しさ!

これは飲みすぎ危険。でも、もう一杯……。


食べたら2人の体に変化が⁉


彼は辛いものが得意じゃないけれど、ここの麻辣スープには、「旨辛い!」と絶賛。

そして具材をどんどん投入。黒毛和牛を麻辣で食べてみると、肉の甘みとスパイスが混じり合い絶妙なコントラスト!

具材ごとにどちらのスープが合うか試すのも楽しいのだ。



食べ始めて5分。彼の額に汗が浮かび、私も顔や首筋に火照りを感じてきた。

舌で感じる辛さはそんなに強くないのに、身体が熱くなる。口内をいじめる刺激じゃなく、お腹を温めている感じ。気持ちよさすらある。



彼の前で汗をかくのは少し恥ずかしいけど、お互いさまだ。何より唐辛子と薬膳を身体中で感じられて、手が止まらない!



完食後、店を出て麻布十番を散歩すると、暑かったのに体温が下がったようだ。

そういえば汗をかくと涼しくなると読んだことがある。もしかしてこの火鍋、美味しく涼をとれる、夏の裏技かも。