私たちはこれまでに散々、LINEやデートのHow toを学んできた。

しかし、やっとの思いでLINEやデートに漕ぎ着けても、失敗の可能性は常につきまとうのだ。

あんなに盛り上がったはずなのに、突然の既読スルーに予期せぬ別れ。 恋人同士になれたかと思ったのに、いつまでたっても一進一退を繰り返す関係性。そんな経験、無いだろうか?

男女の関係を次に繋げる方法を学ぶため、あなたに宿題を出していこう。

さて、今週の宿題は?



「麻理奈って、最高だよね」

康二の言葉が、頭の中にこだまする。“最高だよね”と言われるなんて、嬉しすぎる。

最近、康二と会う頻度が増えていた。この前なんて二人で映画にも行った。そこからイタリアンレストランへ行き、バーへ行き、深夜まで二人で飲んでいた。

手も繋いでいないし何もしていないけれど、毎回支払いは全部してくれるし、これはもう正真正銘のデートである。

「ねぇ康二。気がついていると思うけど、私は康二のことが好きだよ」

半年くらい会っていない時もあったが、最近のこの距離の縮め方からすると、彼も気があるに違いない。そう思っていた。

けれども今、目の前の康二は明らかに狼狽している。 そして、こう言ったのだ。

「え?嘘でしょ?本当に?」

嘘でもなんでもなく、真面目に交際を申し込んだつもりだったのに、私はあっさりと玉砕した。

あんなにも仲が良くて、距離も近かったのに。一体私の何がダメだったのだろうか・・・


仲の良かった二人。それなのに交際を断られたのはナゼ?

宿題1:男が女を1対1で誘う時の心理とは?


康二と出会ったのは、3年前のこと。共通の知人を介して知り合った。

「僕の後輩の、麻理奈。素直で可愛い子だから。あとこっちは友達の康二」

友人からそう紹介され康二を見ると、なかなかのイケメンで爽やかだ。そしてその日はしばらく二人で話していたのだが、私たちはとても気が合った。

「え?じゃあ康二くんも、横浜出身なの?」
「そうだよー。僕の場合は中学から東京に引っ越してきちゃったけど。もしかして、麻理奈ちゃんってあの横浜のお嬢様学校出身?」
「そうだよ!なんで分かったの?」
「雰囲気がそんな感じだなぁと思って」

私は横浜では有名な女子校出身なのだが、それを見抜く康二はさすがだ。

「さすがだね。康二くんは?今はどこに住んでいるの?」
「僕は今池尻大橋だよ。麻理奈ちゃんは?」
「私は中目黒。近いね(笑)」

話せば話すほど共通項が多く、驚いていた。

でも当時、私には交際中の彼氏がおり、康二の方にも彼女がいた。だからお互い少し意識しながらも、男女の関係に発展することもなく終わってしまった。

けれども康二のオープンな性格もあり、そして何度か積極的に誘ってきてくれたお陰で、私たちはたまに連絡を取り合って飲む仲になっていた。



康二と会う時はいつもカジュアルな会話が多く、一緒にいるとどこかホッとする人だった。二人でカフェでお茶をしたり、大人数で遊ぶこともあった。

「麻理奈、元気だった?」
「うん、何とか・・・実はこの前彼氏と喧嘩しちゃって。彼、なんか女の影があるんだよねぇ」
「そうなの?例えば?」
「この前、彼が学生時代のサークル仲間と飲んでいたんだけど、途中からLINEが繋がらなくなって。しかもその日、帰ってきたのは朝の5時だったらしい。完全に朝帰りだよね?」
「うーん。単純に飲みすぎていただけじゃなくて?」

康二は優しい。だからついつい、心を開いてなんでも話してしまう。それは彼の方も同じようで、お互いざっくばらんに話し合っていた。

「康二は?」
「僕の方は相変わらず絶好調!と言いたいところだけど、彼女がなかなかヒステリックでさ」

康二は康二で、悩んでいるようだ。

「康二が彼氏だったら、こんな悩まなくて済んだだろうになぁ。お互いの価値観とか、感覚が似ているって大事なことだよね」
「本当だよね」

思わずそう口にしていた。康二といると自然体でいられるし、楽しい。私は徐々にそう感じ始めていた。

—でも、彼女がいるからダメだ。

けれども、事態は動いた。

私が彼と別れ、間もなくすると、まさかの康二も彼女と別れることになったのだ。


お互いフリーになった身。それでも男がYESと言わなかったのはナゼ

宿題2:タクシーの中で急に彼が冷たくなったのはナゼ?


—康二:今から会えない?

康二からLINEが来たのは、金曜の22時過ぎだった。お互い恋人と別れてから、私たちの会う頻度はさらに増していた気がする。

ここ最近の親密度から考えると、康二は今すぐにでも会いたいと思ってくれているのだろう。私は慌てて支度をして、康二が待っているバーへと急いだ。

指定されたのは目黒駅からほど近く、おしゃれな地元民の常連さん達で活気に溢れているビアバー『Another8』だった。



「ごめんね、また急に呼び出して。麻理奈と飲みたいなぁと思って」

お店へ行くと、既に康二は出来上がっているようだ。頬が赤い。

「急な呼び出しはいいんだけれども。それよりも康二、結構酔っ払ってる?」
「ううん、そんなことないよ…と言いたいところだけど、ちょっとだけ」

それに加えて、なんだか今日の康二は元気がなさそうに見える。

「本当に?大丈夫?」
「うん、平気。麻理奈がいてくれて良かったわ。顔見たら、元気になってきた」

突然そんなことを言い出した康二。今までにないちょっと大人びた表情に、私は急にドキドキしてきた。

「今日、先輩たちと飲んでいてさ。つい飲み過ぎちゃったよ」
「そうなんだ。何かあったのかと思って、心配したよ」

そしてしばらくお酒を飲んでいると康二も落ち着いてきたようで、私たちは一緒にタクシーに乗り込んだ。

「ごめんな、麻理奈。急に呼び出して。でも会えて良かった。ありがとう」

酔っているせいか、いつもより康二の距離が近い。私はどうすべきか、頭の中で必死に考える。

そしてエイっと覚悟を決めて、思い切って康二の膝に手を置いた。

外は寒いけれど、二人の距離が近いせいかタクシーの中が妙に暑く感じる。私は膝に置いた手をそのままにしながら、康二の方を向いた。

しかし彼の表情を見て、驚いてしまった。全く表情が変わっていなかったからだ。

もう一歩踏み込もうと、再度しなだれかかってみる。

「ちょっと酔っちゃったかも…♡」

けれども特に動じることもなく、そのままの状態で携帯をいじり始めたのだ。

—ちょっと待って、嘘でしょ!?これに対するリアクションはないの?

結局そのあとも、妙に距離が近い状態のまま、私の家の前まで送ってくれ、“じゃあまたね”とタクシーであっさり去って行った康二。

—あれ?私軽い女って思われた?だからそんな素っ気ない態度なの?

今の状況では手すら出されず(むしろ拒否られており)、“都合のいい女”にさえなっていない。

そして次に会った時に告白をしたのだが、思いっきり肩透かしを食らった。


あんなにも仲よくて、相性も良かったのに、康二はどうして私を受け入れてくれなかったのだろうか。


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タクシーで女の方から積極的に来ても、応えなかった男の心理とは