男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「初デート直後に、男から“友達で”と言われてしまった理由とは?」という質問。さて、その答えとは?



—百合亜:次はいつ会えるかな?

百合亜からのLINEを見て、僕は思わず小さな声で“困ったなぁ”と呟いてしまった。

百合亜は物凄く美人で、出会ったときに僕の方からデートに誘った。だがそのデート中に、彼女はお付き合いできるような女性ではないと悟ったのだ。

けれども本人のキャラクターもあるだろうし、いい子ということに間違いはない。だから僕は、傷つけぬように、当たり障りのない友達付き合いを提案してみた。

—陽介:いつにしようか。今度は、綾子も入れて3人にしない?もしあれなら僕の男友達も呼ぼうか?

たしかに最初は、僕は積極的だった。綺麗だし、いいなと思ったことも事実だ。

けれどもこの歳になると、それだけでは交際には発展しないし、ましてや結婚なんてありえない。

なぜ僕が、1度きりのデートで彼女を友達認定したか?それは、もう一度よく振り返ってみれば簡単に分かることなのかもしれない。


男が“ないなぁ”と思った残念すぎる理由とは!?

A1:初対面の印象は完璧。おしとやかでいい子だと思った。


百合亜と出会ったのは、昨年の秋のこと。学生時代からの友人である綾子に連絡を取ったのがキッカケだった。

たまたまその日ポッカリと予定が空き、綾子に連絡をしてみたところ、彼女が“美人の友達といるよ”と返信をしてきたのだ。

僕はいそいそと綾子の飲んでいる店へと向かう。

「どうも。陽介です」

お店に到着すると、綾子と、そしてハッとするほど美人な百合亜がいた。あまりにも綺麗で、思わず緊張してしまった。

だが、これが僕の悪いところでもある。意外に人見知りなところがあるため、初対面の人に威圧感を与えてしまうのだ。

それを分かっていたので、だんだんと場が和んでから百合亜に問いかけてみた。

「ごめんね、百合亜ちゃん。俺って一見怖いでしょ?(笑)」

すると、少し恥ずかしそうに微笑みながら俯く百合亜。

—綺麗なだけじゃなくて、何て奥ゆかしいんだ・・・!!



しかしそんな僕の気持ちが透けて見えたのか、横から綾子が茶々を入れてくる。

「あのね、陽介は初対面で美人がいると分かりやす〜く無口になるのよ。百合亜、美人でしょ?」

ズバズバとした物言いに、“今何もここで言わなくても・・・”と思ったが、彼女の紹介がなければそもそも出会えていないので、ここは感謝するに徹しよう。

「うん、すごく綺麗だから緊張する。本当に美人だよね」

僕も、綾子の言葉に同調する。すると、百合亜は少し顔を赤らめながら否定してきた。

「買いかぶりすぎですよ〜」
「そうかな。よかったらさ、今度デートしようよ」

気がつけば、そう口走っていた。だがこの時の僕は、決して中途半端な気持ちで誘ったわけではない。

「え?私でいいんですか?」
「もちろん!百合亜ちゃんは、何が好きかな?食べたいものリクエストあったら、予約しておくよ」
「何でも嬉しいけれど・・・和食?それか肉とか?」
「OK。そしたらお肉が美味しいお店へ連れて行くね」

きちんと向き合おうと思っていたし、最初は友達候補ではなく、きちんと恋人候補として見ていた。

だが、デートをして正直がっかりしてしまったのだ。

後になって、この初対面の時はただ百合亜が緊張していただけだと気がついた。また、実はこの時既にその兆候があったのだが・・・


デート中に女が“やってしまった”失敗とは?

A2:言葉遣いが汚くて、品性を感じられない。


そして気合を入れた初デート。僕は行きつけの表参道にあるレストランを予約した。先に着いたので待っていると、少し遅れて百合亜はやってきた。

今日も彼女は華やかで、パッと人目を引く。笑顔で迎え入れようとしたら、入ってくるなり百合亜は大声でキャッキャとはしゃぎ始めた。

「わ〜すごい!!素敵なお店ですね♡」

あまりにも大きな声だったため、周囲の人もチラチラとこちらを見ており、恥ずかしくなった。

けれども、きっとすごく喜んでくれたのだろう。それは良いことだと自分に言い聞かせて、デートを続行する。

「百合亜ちゃん、声大きい(笑)でもそんなに喜んでくれると嬉しいな。それにさ、もう敬語は無しにしない?」
「わかった。じゃあ敬語はナシで」
「よし、じゃあここからはフランクに話そう。百合亜ちゃん、苦手な物とか嫌いな物はある?」
「基本的には何でも大丈夫。あ、でも牡蠣は苦手かなぁ」

とりあえず、デートらしい会話を楽しみながら、楽しく食事をしていた時だった。僕は、物凄く違和感を覚えたのだ。

「じゃあ百合亜ちゃんは綾子と同じ会社なんだ」
「そうそう。新入社員時代から仲良しで。大人になってからできる友達って貴重だしね」
「いいね〜そういう関係。俺の人間関係は、学生時代からあんまり変わらないからなぁ」
「そっかぁ。東京の中心地出身だと、そうなるのかもね。…あ、メインのラムがきたよ!」

ちょうどメインの仔羊が運ばれてきた。こんがりとローストされたラムは、見た目から食欲を掻き立て、本当に美味しそうだ。

しかしその時、百合亜が発した一言に、僕は耳を疑ってしまった。

「うぅ、うまそう〜」



—う、うまそう??

何気なく言ったようだが、彼女の「うまそう」という一言がひっかかった。

ハッキリ言うと、僕は“うまい”と言う女性が苦手である。美味しい、という美しい日本語があるではないか。

ーそう言えば、初対面の時に“お肉”ではなく、“肉”って言っていたな・・・。

そんなことをぼんやりと考えていると、更に追い討ちをかけるように百合亜は続ける。

「やばっ、これ本当に美味しい!私、ラムはそんな得意じゃないけれど、これならいけるなあ」

一体、何が“ヤバイ”のだろう。

僕は半ば呆れながら、百合亜を見つめる。彼女のボキャブラリーが少ないのか、それともこういう話し方をする子だったのか。

どちらにせよ、百合亜の言葉遣いからは品性を全く感じられないのだ。

「ってごめん、話の途中だったよね。何の話をしていたっけ?」

“最初からラム苦手なら言ってくれよ”と思いつつ、話を元に戻してみる。だが、一度気になり始めたら、百合亜の言葉遣いが気になりすぎて全く話が入ってこなくなってしまった。

育ちとセンスは買えないと聞いたことがあるが、言葉遣いは少しの心がけで変えられる。

けれども、きっと百合亜からしてみたら、“うまい”とか(多分“デカイ”とかも言うんだろう)、そういう言葉を会話の中で使うことに全く違和感はないのだろう。だから、この先も気づかないのだと思う。

—可愛いけど、ちょっと品がないなぁ。

こんなことを言うなんて、細かい男なのかもしれない。

でもやっぱり綺麗な日本語を話す女性は美しいし、言葉遣いからは、その人の人間性や育ちが垣間見える。

しかも結婚を見据えた交際ならば、なおさら彼女には下品な言葉を使わないでほしい。

肉ではなく、“お”肉と言ってほしい。いつか子供ができたときのことを想像すると、余計に気になるのだ。子供は、自分の親が話す言葉を覚えて育つものだから。

そう思うのは、僕だけなのだろうか?


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