時計はかつて人々にとって、時間を知る大切な道具だった。

しかしスマートフォンが流通した現在、時計は単なる装置ではない。

小さな文字盤の上で正確に時を刻みながら、持ち主の“人生”を象徴するものなのだ。

2020年、東京の女たちはどんな腕時計を身につけ、どういった人生を歩むのかー。

「時計じかけの女たち」一挙に全話おさらい!


第1話:「会社辞める?それとも…」30歳の女が、生まれて初めてした衝動買いの内容

強烈に人を惹きつける何かがある人間と、そうでない人間。

これまで私が見てきた「独立して成功している人間」は、前者。いわゆる先天的に何かをもっているタイプのような気がしてならない。

一方で、自分は後者かもしれないと早い段階で気が付いていた。だからこそこれまで、サラリーマンとして人一倍努力してやってきた。

そんな私が、独立するべきかを悩んでいるのだ。はたしてチャンスはあるのだろうか。

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第2話:「21歳の時、年上女から酷い扱いを受けて…」女が見た目ばかり気にするようになったキッカケ

時計との出会いは、父からの就職祝いのプレゼントだった。

―この時計のように、芯の強い女性になってくださいね。

担当の外商が持ってきたグランドセイコーには、父親からのそんな温かいメッセージまで付いていた。

春香の実家は、茨城で有名な会社を経営している。非常に裕福な家庭だが、働くということに関しては、学生時代から出来る限りアルバイトをして社会と接点をもつべきだ、という教育方針があった。

そこで大学4年生だった春香は、父親の会社で受付のアルバイトをすることにしたのだ。ところが働き始めて少し経ったある日、衝撃的な来客があった。

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第3話:美容外科医として輝く28歳の女が、かつて友人からされた痛烈な仕打ちとは

美容外科医の朝子は、目の二重手術が格別に得意だ。

最初から人気だったわけではないが、じわじわと口コミやインスタで人気が広がり、今では予約困難な医者になれた。ありがたいことに育休からの復帰後も忙しい。

夫もまた、医師として働いている。娘は毎日すくすく成長していて、片時も目を離したくないのが本音だが、仕事も復帰したばかりで楽しい。

朝子が仕事の時つける時計は決まって、ルイ・ヴィトンのタンブール ラブリーカップ。

―これを見ると、あの時の負けたくないという気持ちを思い出すから。

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第4話:寝室が別々になって、3か月…。妻がキゲンを取り戻した夫からの一言とは

『ねえ、愛美。うちらやっぱり、30までには第一子が欲しいよね?』

当時瑞希と交わした言葉の通りに、人生計画をしてきたのだ。社会人になって長い時間が経ち、お互い忙しく、連絡はとっていたものの今日会うのは半年ぶり。

「愛美お待たせ。元気だった?」

久しぶりに会う瑞希は、4か月前に婚約をし、幸せの絶頂にいるオンナのオーラを放っていた。

「実はね」

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第5話:「私だけ、ナゼ不美人なの…?」美形一家に生まれた“平凡女”が抱える壮絶なトラウマとは

私の家族は、有名な美形一家である。

父は小顔ではないが全体的に整った顔をしている。たった一人の姉弟である弟は、小学校の頃は頻繁に芸能事務所にスカウトされていた位くらい、顔のスペックが高い。

―それとひきかえ、なんでわたしは飛びぬけて可愛くないんだろう?

家族といるといつも悲しくなる。特に比べてしまうのが、同性である母だった。

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第6話:「俺のほうが、絶対ダンナより・・・」人妻を口説こうとした男の悲しい末路

母に夢中でインドでの暮らしを話しながら、大好物の気まぐれサラダを平らげる。

―こうやって日本に安心して家族といられるのも、夫のおかげ。

そんなことを考えていると、もう二度と聞くことがないと思っていた、懐かしい男の声が聞こえてきた。

「マナだよな?元気にしてた?」

・・・そう。私の人生はたった一度きりの失恋以外、順風満帆そのものだった。

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第7話:抱き合って寝ても、翌朝は1人ぼっち。「絶対タクシーで帰る」という男を3年半待ち続けた女

「有紀さんって、ホント自立していてモテるのになんで独身なんですか?」

飽きるほど言われてきたこの質問に、なんでだろうね、と笑顔で返すと決めている。

―結婚ってそんなに重要な、人生のピースの1つなの?

だが結婚はおろか、きちんとした恋愛さえここ最近しておらず、そしてそんな自分を恥じていた。

…1番直近の恋は、好きになってはいけない人との記憶なのだ。

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第8話:「暇なら、稼ぎなさいよ」専業主婦に思わず毒づく、37歳やり手女経営者の苦悩

社長業の大変さは想像以上だった。一難去ってまた一難、を延々と繰り返す。仕事に夫、そして子育ての時間を考えると、1日が24時間なんかでは到底足りない。

「あれ、光さんなんか渋い顔してますね、今日」

夫の提案で、数年前から出勤前のヘアセットをスタイリストの“志寿ちゃん”にお願いしているのだが、今朝は彼女にも指摘された。

―顔に落ち込みが出るなんて私、最低…。

落ち込んでいる理由は、昨晩聞いた、若手社員からの驚くべき発言だった。

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第9話:異国の地で突然、タクシーに置き去り…。男に捨てられたオンナの逆襲劇とは

今日は、昔の友人だった由利と2年ぶりに『Balcon Tokyo』で近況報告をしていた。由利の横顔は、おでこの形をメンテナンスしたのか、以前にも増してバランスがよく綺麗だ。

現在、彼女は老舗企業の三代目社長の秘書をしているらしい。

―あ、懐かしいな。

思わず由利の時計に向けた視線に、彼女は気づき、「覚えてるこれ?」といたずらっ子のような顔をして、切り出してきた。2人の腕にはお揃いのCHANELのプルミエールが、今日も輝いている。

この時計は、4年程前に遊んでいた経営者に香港で買ってもらったもの。そしてその時に、夫となる大也に出会ったのだ。

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