身長164センチ、
“見た目45点”と言われる男…
その名も山田―。

彼は冴えなかった学生時代を経て、
メーカー勤務の営業マンから、カリスマ経営者に―。

なぜ山田は成功を手に入れたのか?その“謎”を解く。

▶前回:「だって山田君の方が…」キー局の人気女子アナを射止めた“見た目平均以下男”の魅力とは?



“曖昧なカンケイ”を2年間続けていた女の告白


皆さん、無駄だと思う恋愛ってしたこと…ありますか?

例えば5年も付き合ったのに結婚に結びつかなかったとか、彼のために精一杯尽くしたのにフラれたとか。

こんな体験をしたら皆こぞって愚痴をこぼしますけど、私は無駄な恋愛なんてないと思います。

だって、一瞬でも幸せな時間を過ごしているはずだから。

だから山田との2年間も、無駄じゃなかった。

たとえ2年間付き合うことがなくても、夜中に呼べばすぐに来る「都合のいい男」だったとしても。

…そしてその男が、自分と会った次の日に“他の女との手繋ぎデート”をしていたとしても。


会食終わり、初めて行った山田の家で過ごした最後の夜

友達に山田の話をすると、大体最初はみんな良いじゃんって言ってくれたんです。

早稲田出身、元メーカー営業で、現外資コンサル。

「早くその不思議な関係から一歩進めて、外コン君と、付き合いなよ」なんて煽られてましたね。

…でも、写真見せると、みんな面白いくらいに一気に掌を返してくるんですよ。

こんな背が小さくてカッコよくない人、経歴じゃカバーしきれないよ、とかもういい歳なんだから結婚相手探さないと時間の無駄だよ、とか言われて。



でも、なんだか逆にそれが悔しくて、「そうだよねぇ」なんて笑って返事しながら、そのアドバイスを聞き流していました。

ところで、どうして20代早めに結婚した女子たちはあぁやって結婚が正義みたいな顔するんですかね?

少なくとも、私は彼女たちの結婚式に行っても、全然羨ましくなかったです。むしろ、結婚式に行くたびに、一人の人と今後50年くらいずっと一緒に過ごすのが段々と怖く感じるようになってしまったんです。

だから、山田と遊ぶくらいがちょうどよかった。

毎週金曜日の夜に六本木のクラブに一緒に行ったり、どうでもいい日常の報告をLINEしあったり、夜に寂しくなって私の家に呼び出したり...付き合ってはいないけどそうできる関係が心地よかったんです。

だから、正直、最後がどうしてあぁなったのかは、わからないです。

彼と過ごした最後の一夜。目を閉じても思い出すくらい、幸せだったのに。

あの日はちょうど今日みたいに季節の変わり目で、天気がものすごく良い夜でした。

会社の会食帰り、ほろ酔い気分で山田と連絡を取っていたら、珍しく彼の家に呼ばれたんです。2年間、山田と会い続けていて彼の家に呼ばれたことなんて、一度もなかったのに。「都合のいい関係」だったから、特に気にしなかったんです。

山田から教えられた住所を辿ると着いたのは、コンシェルジュのいる高級マンション。

入り口でインターホンを鳴らすと、「ちょっと待ってて」と言って、山田はすぐに1Fまで降りてきてくれたんです。

お風呂上がりだったのかラルフローレンのバスローブを羽織っていたんですけど、貫禄がありすぎて、私、どこかのお父さんが降りて来たのかと勘違いして、思わず会釈しちゃったんですよ。

そしたら山田に「何してるの」と笑われたので、「はじめて山田君の家来たから」と返しました。

彼はそれに「…ようやく家が片付いたからね」と言ったんです。

引っ越したばかりでもないのに、家が片付いたってなんだろうってその時は不思議に思ったんですけど、今考えると、彼女と別れたからって意味だったのかもしれないですね。


ベッドの上で、2人の関係を打ち切った決定的な発言とは

山田の家に足を踏み入れて一番に驚いたのは、本の数でした。

8畳くらいの大きさの部屋に、ものすごく大きな本棚が置かれていたんですけど、300冊くらいですかね?ものすごい数の本が並んでました。



谷崎俊一郎や三島由紀夫みたいな文学から、コトラーなどのビジネス書、隈研吾の作品集みたいな建築の本や...そうそう『HUNTER×HUNTER』とか『キングダム』も全部揃ってましたね。

「本、好きなんだね」

本棚を目の前に口をポカンと開けながら思わず言葉を漏らしたら、横に立っていた山田がボソッと言ったんです。

「俺、人の10倍頑張らないといけないからさ」

よく理解できなくて「どういうこと?」と返すと、それ以上その話をしたくなかったのか、彼はそっと腕を私の腰に回したんです。

「今日は仕事も疲れたし、もう寝よう」

そう言うと彼はクローゼットからTシャツと短いズボンを出してくれて、私はお風呂場でそれに着替えてからベッドの方に向かいました。

ベッドの上で、彼は眼鏡をかけてKindleを読んでいたんですけど、私を見るとニコッと笑うと、そのまま腕を広げてくれたんです。

私はそのまま彼の腕の中に包まれにいきました。

山田、あの身長なんですけど、鍛えていたから胸板だけはものすごく厚くて。私にとっては、どんな高級ホテルの枕よりもふかふかで寝心地がよかった。

それでいて、初めて彼の家に呼ばれたのが思いのほか嬉しくって、ほろ酔い気分だったのもあって、少し大胆な気持ちになったんです。

だから、いつもはしない話してみようかなって思って、「ねぇ、私たちって付き合うこととかあるのかな?」なんて聞いてみたんです。


2年間付き合うことのなかった2人の関係は進展するのか?

そしたら山田は目を閉じたまま天井を向いて、何も返事をしないんです。さすがにイラっとして、「ねぇ」と少し強めに言うと、「どうだろうね」と大きなため息混じりで彼は呟きました。

「どうして?」とすかさず聞き返したのですが、彼、そのままいびきをかきながら寝始めたんです。のび太君かと思うくらいの寝る速さでしたよ。

でも、彼も今日は疲れたと言っていたし、私もうとうとして来てしまったので、また朝になったら聞いてみようと思って、そのまま眠ることにしました。

なのに朝起きたら、隣にいたはずの山田がいなかったんです。

携帯を見ると「ジムに行ってくる。帰ってていいからね」とだけLINEが来ていました。

その日は女友達とランチの約束はあったものの、それまで山田のこと待ってみようかなと思って、シンクに残っていた食器洗ったりして、時間を過ごしていました。でも、結局彼が帰ってこなかったので、そのまま家を出て、表参道に向かったんです。

そしたら、まさかのですよ。

表参道ヒルズの前、遠くから見覚えのある背の低い男の子が歩いて来たんです。

まさか、と思ってよく見ると、案の定、今朝まで隣に寝ていたはずの山田が、深く帽子をかぶった女の子と、手を繋いで前から歩いてきたんです。



驚きすぎて、咄嗟に思わず近くのお店に逃げ込んでしまったので、たぶん山田は私に気がついてないと思います。

あの日以来、山田からは連絡も来てないし、私も連絡しなかったです。そのあとにあの週刊誌の報道。隣にいたのは、最近ドラマやCMでよく見かけるあの若手女優だったんですね。

結局付き合うことも結婚することもなかった私が山田と過ごした2年間。無駄だったと思いますか?

無駄、なんて言えたらいいのに。そんなこと言いたくないくらい楽しかったのが、悔しいです。

そういえば彼、こないだニュースサイトの起業家インタビューで「仕事も恋愛も駆け引きをするのが好き」って言ってたんです。

…もしかしたら、あの日寝る前にした質問が、駆け引きの終わりになってしまったのかもしれないですね。

駆け引きだなんて。大して恋愛力も高くない山田のくせに。


▶前回:「キラキラ男子より、彼の方が…」キー局の人気女子アナを射止めた“見た目平均以下男”の魅力とは?

▶NEXT:10月14日 水曜更新予定
噂のアナウンサーの元カレが語る、山田という男の執念