知らず知らずのうちに、まるでバンパイアのようにエネルギーを吸い取る女。

人は彼女のことを、こう呼ぶ。「エナジーバンパイアだ」と。

付き合ったら最後、残された者には何も残らない。それでも自分が踏み台にされていることを分かりつつ、彼女に執着してしまう。

気づけばもう、次なるターゲットのもとに行ってしまっているというのに。

…誰か教えてくれないか。あの子を忘れる方法を。

「エナジーバンパイア」一挙に全話おさらい!


第1話:「私の家、近くなの」彼氏がいるはずなのに、誘惑してくる女。理性を失った男は…

それは今から2年ほど前、31歳の誕生日を迎えた頃のこと。

当時は全国展開している大手のジムで、インストラクターとしてトレーニング指導に励む日々を過ごしていた。徐々にパーソナルトレーニングも受け持つようになり、顧客数全国ナンバーワンという実績も獲得したばかり。

ずっとバスケットボール一筋で生きてきた裕紀は、根っからのスポーツマンだ。だから自分にとって、インストラクターの仕事は天職だと思っていた。

そろそろ固定のクライアントもついてきたことだし、独立してジムの経営でも始めようか。そう考えていたタイミングで、クライアントとしてジムにやって来たのが、越野えりかという女だった。

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第2話:付き合う前の女の部屋で、一夜を明かしてしまった。翌朝、彼女が漏らした“まさかの本音”に…

「…家、すぐそこだって言ってなかった?」

えりかに案内されてマンションのエントランスをくぐった裕紀は、彼女に向かってそう尋ねた。するとこちらを振り返り、ニッコリと微笑みかけてくる。

「だって本当は渋谷の方だから、結構離れてるでしょ?そう言ったら来てくれないかと思って…」

可愛らしくつぶやき、潤んだ瞳で見つめてくる。たまらず裕紀は反射的に、えりかの華奢な肩を抱き寄せてしまうのだった。

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第3話:「相談があるの…」付き合って3か月になる彼女が、唐突に打ち明けてきた内容とは

「裕紀くんといると、本当に刺激的で時間があっという間に経っちゃう」

久々のデート中。えりかは熱々の小籠包を、美味しそうに味わいながら言う。元カレのことを「つまらなくなった」と蔑んだときこそ驚いたが、付き合いだしてからは何かと立ててくれるし、違和感はない。

この中華料理店も普段は予約が取れない人気店だが、彼女の喜ぶ顔が見たくて、つてがあるというクライアントに頼み込んだのだ。

「あ。そういえばね、裕紀くんに相談があって…」

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第4話:多忙を理由に、彼女からデートを断られてばかりの男。不安を募らせた結果、男はとんでもない行動に…

あるオフの日のこと。例のごとく、えりかに「仕事が忙しい」と言われてしまい、会う約束はできていなかった。

これまでなら仕事が休みの日は、独立に向けての準備を進めていたのだ。しかし彼女のことが気になって、せっかく取り付けた経営者とのアポもドタキャンしてしまった。

何もやる気にならず、もう昼前なのにまだベッドの中から抜け出せていない。そして、そんなときはロクなことを考えないものなのだ。

― もしかして、本当は仕事なんかじゃなかったりして。

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第5話:彼女にコンプレックスを抱くダサい男。見栄を張るため、開業資金に手を伸ばしてしまい…?

― えりかの彼氏としてふさわしい、本物の男にならないと。ブランド物を着こなして、涼太みたいに洗練された男に…。

すると突然、着信があった。

「こんな時間に誰だろう…?」

不思議に思いながらも、ポケットからルイ・ヴィトンのモノグラムのケースをつけたスマホを取り出す。もちろんこのケースも、この前買ったばかりの新しいものだ。

着信の相手は、起業するジムのテナントを格安で貸してくれるという不動産の社長からだった。

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第6話:デート中、あきらかに素っ気なくなった彼女。直後、女が発した“衝撃の理由”に男は…?

今日初めて合った目を、裕紀のほうから逸らしてしまう。

そんな態度に呆れてしまったようで、彼女は大袈裟にため息をつきながら、ストローでコーヒーをかき混ぜた。氷同士がぶつかる音が響く。

「裕紀が言わないなら、私から話していい?」

今日のえりかはどこまでも冷たい。有無を言わせない彼女の雰囲気に、うなずくことしかできなかった。

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第7話:「君と深い関係になることはできない…」美女に恋愛感情を向けられた男が、思い悩んでいたワケ

「それにしても…。えりかってさ、結構大胆だよね?」

涼太はバーテンダーにブランデーのおかわりを頼むと、彼女を覗き込むようにして言った。

「えっ?」

「30年以上生きてるけど、えりかみたいな女性には初めて会ったよ。もちろん良い意味でね?裕紀とは大学時代からの親友だったし、最初はちょっと気が引けたけど。あんなふうに言われて、えりかの本気を知ったらね。俺も自分の気持ちに素直になろうって思ったよ」

― 本当に、えりかはすごい女性だよ…。

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第8話:「自分が何を言ってるのか、わかってる?」彼氏がいるはずの女が持ちかけてきた、ありえない提案

涼太を前にすると「この話を受け入れてくれるのだろうか」という不安が、脳裏をよぎる。そのせいか、うまく言葉が出てこない。

― でも、自分の気持ちには正直でいないと。

そう心に決めたえりかは、フッと小さく息を吐く。そして、そのまま顔を上げると、彼の目をジッと見つめて一気に喋った。

「驚かないでほしいんですけど…。涼太さん、私とお付き合いしていただけませんか?」

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第9話:「こんなんじゃ不完全燃焼だよ…」女がモヤモヤを抱えたまま、帰宅しなければならなかったワケ

パートナーでもあり恋人でもあるえりかの仕事がうまくいくのは、涼太にとっても嬉しいことのはずなのに。なぜだか素直に喜べないのだ。

「どんな仕事なの?」

涼太はモヤモヤとした気持ちがバレないよう、平静を装いながらパソコンをのぞき込む。

「知り合いの実家が果樹園をやっていて、和歌山でも結構大きいところなんだけど。新しくぶどうのブランドを立ち上げるみたいで、そのブランディングを一式お願いしたいって言われて…」

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