美食の街、麻布十番。新進気鋭の職人が握る話題の店がここにある。

多くの人々から注目されている鮨店、その名も『すし家 祥太』。

名店『鮨かねさか』の味を引き継ぐ精魂込めた鮨を、なんと1万4,300円で頂けるという。

そんな話題の一軒『すし家 祥太』の、気になる握りの数々を覗いてみよう。



※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。


清く、端正に、美しく。その心を体現したような握りの数々


「赤貝」は小ぶりなサイズを好んで使用する。

小ぶりのものは、香りが上品なところがいいという。

磯の香りが最も強いひもの部分を一緒に握ることで、その香りも表現している。



宝石のように透き通った赤身の「ヅケ」も特徴的だ。

握りの流れはオーケストラをイメージして緩急をつけ、食べ手を楽しませる。

握りの最後は、かんぴょう巻きでゆっくり〆る。

そしておまかせは、つまみ2品から始まり、握り14貫、玉子、ねぎま汁という内容。



『鮨かねさか』にも引けを取らない魚の質を保ちながら、おまかせは1万4,300円と意外なほどリーズナブル。

その理由を聞くと「30代の自分と同世代の人にも鮨を食べて欲しいから」とはにかんだ。

握りを主体にすることで価格を抑え、人より早く市場へ出かけていいものを仕入れる努力を欠かさない。



漫画『将太の寿司』を読んで、鮨職人を目指したという韓国出身の祥太さん。

名店『鮨かねさか』系列で腕を磨いた後、独立。

瞬く間に一ツ星を獲得し、話題を集めた『すし家 祥太』。

祥太という名前は、彼の想いが成就するようにと親方が名付けてくれたものだ。

応援したくなる、柔らかな人柄。

この笑顔に会いたくて、また次の予約をとるのだ。



祥太さんが一番好きだという小肌。

「〆ものである小肌は1年や2年では習得できない難しい仕事です」という。

その修業の先にいきつく境地にやりがいを感じるというのだから、根っからの職人なのだ。

程よく〆た小肌は、まろやかに酢をまとい、旨みを滲ませる。


江戸前の仕事をベースに、常に進化を続けるのが“祥太”の流儀


整然と美しく並べられたねた箱にも魚を丁寧に扱う心意気が表れている。

休みの度に日本各地の漁港を回るという祥太さんは、最近訪れた金沢で、昆布締め文化に興味を持ったという。

多種多様な昆布を使って魚を〆る郷土料理のエッセンスを、鮨に生かす方法を研究中だ。



握りの美味しさはシャリにあり、というのも祥太さんの考え方。

温かいシャリは酢が飛びやすいため、ゲストが到着する20分前に炊きあがるように調整している。

魚の甘さを引き立てるようにと鮨酢は酢と塩のみで仕上げる。

鮨への気概は人一倍で、赤貝ひとつとっても、納得できるサイズでなければ握らず、煮ハマグリは貝の旨みをもう一度含ませるために4日ほどもつけおくという徹底ぶり。

朗らかな人柄の奥に妥協を許さぬ職人気質が垣間見える。

そんな惚れ惚れするような鮨がこの価格。これはもう望外の幸運としかいいようがない。



赤だしでは強すぎて握りの余韻を消してしまうからと、雑味のないまぐろ節の出汁を使ったねぎま汁が最後を飾る。

最後まで手を抜かないからこそゲストは店を出るその瞬間、満足感に満たされる。



レアチーズケーキのように滑らかな玉子焼きは2時間かけて焼き上げている。



茶室をイメージした店内はやや天井が低く、心を落ち着かせてくれる。

カウンターはゲストと目線が合うようにと高さを計算して設えた。

「店を清めるところから職人の仕事は始まります」と祥太さん。



効果的だがさりげなく、北大路魯山人の作品が随所に飾られる。



店があるのは麻布十番でも、名店が点在する二の橋に近い静かなエリア。

こざっぱりとした外観に、小さく控えめな看板のみ。

そこに謙虚で実直な人柄が表れているかのようだ。

そんな店主の魅力あふれる『すし家 祥太』へ、是非足を運んでみたい。


【Price】おまかせ 14,300円
【Reservation】1ヶ月前
*予約は店への電話のみで受付している。昼も夜と同じおまかせが楽しめる。また、1組につきサービス料1,100円がかかる。