男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「交際宣言もちゃんともらったのに、体を重ねた途端に男の態度が冷たくなった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「付き合おう」って言われたのに…。体を重ねてから、男の態度が急に冷たくなったワケ



僕の部屋のソファで、亜子が大きな瞳でこちらを見つめている。

「湊。次はいつ会える?」
「うーん。ごめん、ちょっと予定が見えなくて」

予定が決まっていないことは、ない。だが約束する気がないのでのらりくらりと返事をそらしてみるが、亜子は引き下がらない。

「来週の日曜は?」
「その日はゴルフだ。ごめんね」

ゴルフは本当だ。ただ時間を作ろうと思えば、作れるだろう。けれど彼女に対し、そこまでの熱意が湧いてこなかった。

亜子はすごく綺麗だし、スタイルもいい。きっとモテると思う。だからデートには、僕から積極的に誘った。

そして彼女から「付き合うってこと?」と聞かれ、「YES」と答えたかもしれない。

それなのにどうして、と聞きたくもなるだろう。飽きた?一度関係を持ったら興味を失って冷めた?

どれも当てはまっているようで、当てはまっていない。

そもそも男の「好きだよ」という言葉を、女性は少し勘違いしているのかもしれない。


男が“好きだよ、付き合おう”と言った時。その言葉の真意とは?

A1:ちょっと軽そうだなと思った。


亜子に出会ったのは、女友達の英里紗からの紹介だった。最初は二人で会う約束をしていたのだが、英里紗がもう一人友達を連れてきたのだ。

「こちら、亜子。そしてこちらが、湊です。湊は、大学が一緒で。亜子は前の会社の同期だよ」

そう紹介された亜子は、膝丈スカートにノースリーブという、男が好きそうな鉄板コーデ。ふわっとした雰囲気が漂っており、綺麗な子だった。

「はじめまして、亜子です」
「はじめまして。あのさ、亜子ちゃんって、すごく美人だよね」

素直に思ったことを言うと、隣にいる英里紗が呆れたような顔をしていた。だが英里紗は僕の女関係を知っているし、いつものことだと思っていたのだろう。

「亜子ちゃんって、今彼氏はいるの?」
「今いないんですよ〜。募集中で。湊さんは?」

— 募集中、かぁ。

独身で彼氏もいないなら、誘っても罪はない。むしろ僕としては、嬉しい。

「僕もいないよ」

そして英里紗がお手洗いに立った隙に、僕は亜子にいろいろ質問をしてみた。

「亜子ちゃん、ご飯は何が好き?今度、デートしようよ」
「英里紗は誘わなくていいの?」
「うん。英里紗には秘密ね」

英里紗にバレると面倒というよりも、わざわざ言う必要もないと思った。

すると亜子はすんなりと、僕の言葉を受け入れたのだ。

「秘密、かぁ…。わかった。じゃあこっそり会おう」

秘密にしてね、と言ったら秘密にしてくれる口の堅さ。最初は清純派っぽかったのに、急にタメ口になって距離を縮めてくる感じ。

— え?いいんだ。この子って…もしかして都合いい感じ?

僕のなかで、初対面で亜子のポジションが何となく固まってしまった。そしてこのあとの初デートでも、都合のいい女性の特徴が顕著に現れたのだ。



初デートは店へ行こうと思っていたのだが予約が取れず、結局僕の家になってしまった。

「ごめんね、行きたい店がやってなくてさ」
「ううん、大丈夫。家でも楽しいから」

何も言わずに、家での食事を受け入れてくれた亜子。それはそれでありがたいけれど、初デートで、しかも二人きりでも男性の家へホイホイ来る女性なのだなぁとこの時点で思った。

さらに話しているうちに、段々と亜子のキャラがわかってきた。

「亜子ちゃんって本当にいい子だよね〜。なんで彼氏がいないのか不思議」
「なんでだろう。尽くしすぎちゃうのかも」

— あれ?これって典型的な…。

「え?そうなの?でもそれって、最高じゃん」
「最初は違うんだけど、つい家事とか全部やりたくなっちゃって」
「亜子ちゃん、家庭的なんだね。いいね」

初デートでも家に来る。尽くすタイプ。ここまで揃うと、彼女は手の届かない女では一切ないということがわかる。

むしろ、少し押したら簡単になびきそうな隙しか見えてこない。

「今日、このまま泊まっていく?」
「どうしようかな」

悩むふりをしているが、このままもっと強く押せば泊まっていきそうな勢いだ。

「今日は帰ろうかな」

もちろん帰るというならば素直に見送るし、当たり前だが無理に引き止めもしない。お互い大人だ。

「えー帰っちゃうの?」
「うん。だってまだ今日は初デートだし」
「そっか、そうだよね。でも、またすぐに会おうよ。来週とかは?」
「いいよ」

こうして、驚くほど簡単に二度目のデートも決まった。

もうこの時点で、僕の亜子に対する憧れや興味…いうならば、本命の彼女として“落としたい”欲望は、すでになくなっていた。


それなのに、体の関係を持つ前に男が“付き合う”と承諾したのはナゼ!?

A2:その場しのぎの返事で、特に深い意味はナシ。


二回目のデートは、1週間後となった。その間も亜子が律儀に返信をくれるので、なんとなく連絡を取り合っていた。

デート当日、また家からのスタートは申し訳ないなと思ったのと、体目的な感じが否めないので、まずはレストランで食事をすることにした。

「とりあえず、ご飯にしようか」

たが結局、2軒目は僕の家で飲む流れになる。

「家のほうが、飲めるしね。それに好きなワインたくさんあるから」
「じゃあ、お邪魔します」

そしてこの日も、すんなりと家についてきた亜子。

— なんでこんな簡単についてくるんだろう…。

誘っておいてそんなこと言える立場ではないのは百も承知だが、こうなると、亜子に対して一生懸命何かをして口説こうという気は一切おきない。

なぜなら、とても簡単だから。

そして家に着き、少しだけお酒を飲むとすぐにそういう雰囲気になった。

しかし実際に肩に手を置くと、亜子は急に真剣な顔になったのだ。

「でも…ちょっと待って!!」
「何?どうしたの?」
「あのさ、私たちってどういう関係?これって、付き合うってことでいいんだよね?」

— 出た!今ここで言うパターン!

若干面倒だなぁと思いながら、僕は適当に頷く。

「うん。亜子ちゃん、好きだよ 」

こうして、僕と亜子は一晩を共にした。



だが問題は、ここからだった。

この場合、男がどこまで本気で“好きだ”と言っているのか?

たぶん、そこまで真剣度は高くない。なぜならとても簡単に男性の家に来た亜子に対し、どこまで本気になれるのだろうか。

本命だったらもっと大切にするし、態度も違うと思う。

今回のことに関していうと、好きか嫌いかと聞かれたら好き、という程度だ。僕のように、残念ながらその場しのぎで表面的な、甘い言葉を囁いた経験のある男はたくさんいるだろう。

もちろん本気で言う場合もあるだろうけれど、ただ目の前の事象に対して目がくらんでいる男の「好きだよ」に、一切の価値はない。

「とりあえず言っておけば丸く収まるかな」くらいのテンションで言っている場合もある。

だからそれを本気にされても、困るのだ。

最低なことはわかっているけれど、これが真実だ。


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