イタリアンと言いつつ、従来のそれとは違う……。

調布の国領にある『Don Bravo(ドン ブラボー)』が話題だ。

都心から京王線で30分ほどと離れているにも関わらず、訪れる食通が絶えないという。

その魅力を探るべく、東カレ編集部一の食いしん坊、船山が突撃取材を敢行した!



※緊急事態宣言中の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。



噂はかねがね耳にしていた。気にはなってはいたものの、実際に足を運ぶ機会はこれまでになかった。

だがある日、インスタのストーリーで『Don Bravo』に関する投稿が流れてきた。しかも、相当な食通による投稿だ。

「これは行かねば!」不思議な義務感に駆られ、意気揚々と京王線の国領駅に向かった!

京王新宿駅から高尾山口方面の電車に乗り込み、約30分。国領駅は調布駅の一駅先にあり、急行は止まらない。駅前はザ・ベッドタウンといった様相だ。

本当にこの街に美食家を唸らせる名店があるのか??

少し不安になりながらも、駅から歩くこと約3分。1本路地に入った場所に『Don Bravo』はあった!



店は一風変わった作り。コンクリートの壁が店を覆っており、店内から外の様子が見えないようにされている。

聞けば「少しでも料理に集中して欲しいから」という思いからだそうで、ただならぬ雰囲気をビシバシと感じる。

店に入ると、テーブル席が5卓ほどのゆったりとした空間。奥には半個室もあり、想像以上に広い!

店内はダウンライトで、ムードも満点。デートにぴったりな雰囲気だ。



働いているスタッフを見ても、レストランにありがちな堅苦しい空気感はない。

スタッフは皆、カジュアルな服装でお洒落な雰囲気。よくよく聞いてみると“私服”もアリだというから驚き!

そんな自由な空気感が、独自の心地よさを作り出している。



店主は、イタリアの星付き店や都内有名店での経験を持つ平 雅一シェフ。

今のお店の場所は、元々は平さんのお父様が営む鉄板焼き店だったそう。そんな場所にお店を開いたのは“自分の故郷の街でお店を”という以外にも、とある思いがあったという。

「郊外のお店でもしっかり評価されることを示したいと考えて、2012年に国領に店をオープンさせました。というのも、まだ、東京の郊外で星を取ったお店ってないんです。僕らがそれを叶えられれば、若い人たちに郊外でお店を出すという選択肢が増えると思って」

そんなシェフが作る料理は、一体どんな料理なのか?


驚きの料理が続々!11,000円とは思えない最高コスパのコースを徹底解説!

日本のエッセンスをとことん取り入れた、新しいイタリアンは圧巻!


現在、夜は10皿程度(前菜3品、パスタ、ピッツァ、メイン、ドルチェ2種)で11,000円のコースを提供しており、その内容がすこぶる想像を超えてくる!

「うちの料理は日本の食材や調味料、発酵食品などを多用し、それとイタリアンの調理法を合わせます」と平 雅一シェフ。

例えば、序盤に出てくるシグネチャーメニューの「ブルスケッタ」が好例だ。

日本の食卓にも並ぶことの多い鯖の干物と、トマトパウダーを合わせ、旨みと酸味を凝縮!鯖の後に残る旨みとトマトの酸味が、絶妙なバランスで口中を支配。さらに土台となっている、カリッカリに焼き上げたパンのサクサク食感も小気味良く好相性!

これは、食べたことない味わい!と期待が高まる。



続いては「鮎」が登場。

鮎は高温でコンフィした後、内臓を取り出し、ペーストにして再び中へ。シャインマスカットや、おかひじきを添えて仕上げる。

クリスピーな皮目の食感の後に、鮎の美味しさが広がり、最後に苦味が顔を出す。

丁寧な仕事が光るこちらの一品は、五味をいっぺんに味わえると評判で、ここ数年の『Don Bravo』の夏の風物詩になっているそう。



もちろん、イタリアンらしくパスタも。この日は蛤を使った一品。

ソースは蛤の出汁を乳化させたものに、パクチーを合わせている。

出汁の美味しさをパクチーの清涼感が支えるような見事な味の構成になっており、食べてから数日たった今でも思い出すだけで、頭の中に夏が訪れるほど爽やかな味わいの一品だ。

その後は一転して、クラシックなトリッパの煮込みが。ここにも、ゴーヤのオイルをたらし、新しい味わいを感じることが出来た。う〜ん、どれを食べても唸るほどの美味しさだ!



そして、メインの後に待望のピッツァ「マルゲリータ」が登場!

牛久の安部農園の全粒粉や、長野県の清水牧場のヨーグルトから作る天然酵母が生地のベース。さらに、玉ねぎ水を練り込み、甘く仕上げている。

柔らかな味わいで、生地が抜群に美味しい。「コースの余韻を邪魔しないよう、優しい味に仕上げています」とシェフ。

こんなに美味しく、優しいピザは他にはない! と思うのと同時に、コースの流れに違和感なくハマることにも驚く。

ピザ単体でなく、コース内容を踏まえた上でピザを作っているからこそ、このような美しい流れができるのだと一人でウンウンと納得。


わざわざ足を運ぶ価値あり!都心から30分で行ける郊外型レストランに圧倒された!

『Don Bravo』は噂に違わぬ名店だった。

昼でもこのコースは楽しめるので、休日のドライブついでに訪れるなんて最高だ。

都心から離れて、気分も変わり、リラックスもできる。

遠出ができない今だからこそ、近場で思いっきり気分を変えられる、こういうお店に一層の価値が生まれている。


【原稿を担当したのは・・・】