男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「今夜は、もう少し飲みたい気分です♡」腕を絡ませてきた女が、男の家を5分で帰ってしまい…



それは、ある日突然やってきた。

「裕子ごめん。別れたいんだ…」

交際期間約2年。慎二から別れを切り出されたのは、よく晴れた日曜の午後だった。

私の家に彼が泊まり、朝から掃除機をかけ、一緒にブランチを食べてから洗濯機を回す。そして午後は近所のカフェに行こうかなと考えていた、本当にいつも通りの休日だった。

「え…?」

突然のことすぎて、そして驚きすぎて声が出ない。

「なんで?」

そう聞くのが精一杯だった。しかし何度聞いても慎二は明確な答えをくれず、「やりなおしたい」と訴えてもダメ。

今年で34歳になる私と、32歳の慎二。

この年齢で捨てられるのは、かなりキツイ。何度も泣いたが、結局私はなぜ彼からふられたのか、わからずにいるのだ。


交際期間2年の間に、男が感じていたことは?

Q1:女がうっかりやっていた、男に対するNG行為は?


慎二と出会ったのは、食事会だった。彼は専門商社勤務で、つるんとした綺麗な肌が目をひく塩顔のイケメン。

私のタイプどんぴしゃで、一目見た時からドキドキしていた。

そしてラッキーなことに隣の席になり、話が盛り上がった私たちの距離は一気に近くなった。

何度かデートを重ね、交際に発展。こんなカッコいい年下のイケメンと交際でき、私は完全に浮かれていた。

しかもそのタイミングで世の中が一斉に自粛ムードになったので、浮気の心配もなく、仲良くやっていた。

「慎二と付き合えて、嬉しいなぁ」
「それはこっちのセリフだよ」

優しくて自慢の彼氏だった慎二。ご時世的に家に引きこもっていることが多かったけれど、そんな家デートも楽しかった。

あれは、私の家で二人でテレビを見ていた時のことだ。

「この人、カッコイイよね」

そのときハマっていたイケメンがテレビに映っていたので、私は思わずそう漏らした。すると、彼が反論してきたのだ。

「そう?」



その反応が可愛く、予想外だったので嬉しくなった。

「あれ、嫉妬?まぁ慎二はカッコイイけど、このアイドルはさらに慎二より年下だしね〜」
「別に嫉妬はしていないけど」
「じゃあ慎二はどういう人がタイプなの?」
「特にないけどなぁ」
「ふ〜ん。どうせ今まで会社の後輩の子とか、『年収1,000万の人と結婚したいです♡』みたいなわかりやすい子とデートしてきたんでしょ?」
「何その設定は(笑)。そんなことないよ」

そう言いながら、2人で笑い合う。ただテレビを一緒に見ているだけでも楽しかった。この時間が永遠に続けばいいなぁと私は願っていたのだ。

「慎二。今日も泊まっていくでしょ?」
「うーん。明日朝からリモート会議あるから、今日は家に帰ろうかな」
「なんで?うちのほうが広いし、こっちですればいいのに」
「PC持ってきてなくて。今日は帰ろうかな。また来週ね」
「うん、わかった」

お互い自立していて、過干渉でもない。適度に距離感もある良い関係。だから2年も続いていたと思う。

緊急事態宣言も明けて、これからたくさん一緒に出かけられる。そんなタイミングでふられてしまったのだ。


男が交際中の女に対して溜まっていた鬱憤とは?

Q2:男が34歳の女をふった理由は?


交際している2年のあいだで、喧嘩をしたことがないと言えば嘘になる。例えば、彼にこの質問はNGだったようだ。

「慎二って、今の会社にずっといるの?」
「なんで?」

2人で家で飲みながらダラダラしていた時。ふと私は、友人の旦那が転職したことを思い出した。

「いや、この前彩美ちゃんの旦那さんが、外資系に転職したらしくて。慎二なら、もう少し上の会社も目指せそうだなぁと思ったんだよね。お給料も上がるし」

彼の今の年収は正確には把握していないけれど、大体1,000万弱くらいだろうか。いい会社であることは知っているが、もっと稼げる気がする。

「仕事は僕が好きでやっていることだから。今の会社に思い入れもあるし」
「そっか、ごめん」

でも少し気まずいムードになっても、その度にちゃんと謝って仲直りしてきたので、それが直接的な問題になるとは考えられない。

それともゴルフが好きな彼に付き合わなかったことが、悪かったのだろうか。

「何これ?また新しいゴルフクラブ買ったの?」

久しぶりに慎二の家へ行くと、何やら物が増えていた。ゴルフのクラブ代は、馬鹿にならない。いいクラブになると、1本10万以上はする。

「そうそう!いいでしょ?」
「この前買ったばっかりじゃない?お金ないのによくやるね」
「ゴルフは道具も大事だから。裕子も始めたら?」
「いや、私はいいや。貴重な休日に疲れたくないし、それだったら買い物に使いたいかなぁ。時間を無駄にしている感じがして嫌なんだよね」
「そんなことないよ〜。ゴルフ、楽しいのに」

結局私がゴルフを始めることはなかった。もしかすると、これがダメだったのだろうか?

そして何より解せないのは、私たちはちゃんと結婚の話もしていたという点だ。



彼の家でも私の家でも、基本的に家事は私がやっていた。

「どう?今日のご飯美味しい?」

ある日のこと。私の問いかけに、慎二は具体的にこう言ってくれたのだ。

「うん、美味しい。やっぱり結婚するなら、裕子みたいな料理上手な人がいいよね」

“結婚”という言葉に、思わずピクリと反応する。30歳をすぎた彼女に対してこの言葉を口にする意味を彼はわかっているのか、確かめたくなった。

「あのさ、慎二。結婚とか考えているの?」

重い女にはなりたくない。でも、ここでしっかり聞いておくべきだと思った。

「うん。まぁお互い、いい歳だしね」
「そっか。嬉しいな」

アクアパッツアを食べながら、思わず笑みが溢れてくる。そろそろ結婚したいので、私は絶対に彼を離さないでおこうと心に誓った。

けれども同時に、慎二はこんなことも言い始めたのだ。

「でもさ。僕の周り独身も多いし、結婚している人はみんな大変そうで。あまりいいイメージがないんだよね」

それを聞き、不幸せな結婚生活を送っている彼の友人たちを恨んだ。

「それは友達が悪いよ。結婚して幸せな人たちの方が世の中には多いのに。慎二の周りが特殊なだけだよ」

結婚に対していいイメージを持ってもらわないと困る。そうでないと、結婚まで駒をすすめにくいから。

「そうなのかなぁ」

しかし今から考えると、この結婚の話が彼にダメージを食らわせてしまった気がしなくもない。

なぜならこの1ヶ月後に、慎二から突然の別れを切り出されたからだ。

果たして、ナゼ私は彼から嫌われてしまったのだろうか…。


▶前回:「今夜は、もう少し飲みたい気分です♡」腕を絡ませてきた女が、男の家を5分で帰ってしまい…

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男が結婚の話をしてから女をふった理由は?