男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「一晩を共にしてから、女の態度が急に冷たくなった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:初めてお泊りした翌朝、彼女が消えた…。女が見てしまった、男の驚きの行為



明け方、4時。

眠れないまま朝を迎えようとしている私は、目をこすりながら考える。

― どうしようかな…。もう帰ろうかな。

隣の正臣からは、気持ちようさそうな寝息…いや実のところイビキが聞こえてきて、そのせいで私は寝れずにいる。

今すぐ帰ることも考えたけれど、これから寝るにしても帰るにしても、時間が微妙で迷ってしまう。

だが結局タクシーを呼び、結局一睡もできないまま、6時前に彼の家をあとにした。

初めて泊まった、正臣の家。部屋は綺麗だし彼もいい人だし、悪いところはないのかもしれない。

でも朝日が昇りゆく街のなかでタクシーに揺られながら、「彼とは、もうこれっきりだな」と考えていた。


初めてのお泊まりで、心躍るはずだったのに…女が“相性が合わない”と判断した理由

A1:食へのこだわりが強い。


正臣と出会ったのは、マッチングアプリだった。

クリッとした瞳が特徴的な濃い顔立ちは、まさに私のタイプ。“いいね”を押してくれていた彼に、私からも“いいね”を返す。

マッチングしたあとにアプリでやり取りをしている段階から、いい人そうだなと思っていた。

実際に会っても彼は気さくで優しくて、顔合わせのお茶デートを終えてすぐに、次は夜に食事へ行くことになった。

彼が予約してくれていたのは、中目黒にある『炎水』。

「すごく素敵なお店ですね」
「前回、瑠美さんが和食好きって言っていたから、このお店にしました!元々『龍吟』にいた方が独立されて作ったお店なんだけど、雰囲気もいいし味も最高で」

実は前回の顔合わせの時に、「何が好きですか?」と聞かれたので「和食」と答えていた。そのことをちゃんと覚えてくれていたらしい。

女性は、こういうちょっとした心遣いが嬉しいもの。彼の優しさに感謝しながら、私たちは徐々に打ち解けていく。

「敬語、やめませんか?」
「ですね」

最初はお互い少し壁があったかもしれないけれど、美味しい食事とともに私たちの会話も弾み、そしてテンションも上がっていく。

「このお店、炭焼きも有名で。絶対瑠美ちゃんも好きだと思うんだ」



千葉県の鴨川で取れた『金目鯛の炭焼き』を食べながら、思わずお互い笑顔になった。

「うん、美味しい!やっぱり美味しい食事って人を幸せにしてくるよね」
「わかる!瑠美ちゃんは、普段は自炊とかするの?」
「うん、するよ。正臣くんは?」
「僕もするよ。以前はまったくしなかったんだけど、コロナで家にいることが多くなって。いざ始めたら、すっかりハマっちゃった。瑠美ちゃんはどういうのを作るの?」
「パパっと作れるような、簡単なものばかりかな。ひとり分だと、つい手抜きになっちゃって」

すると、正臣が意外なことを言い始めた。

「そうだよね。でもいつか、瑠美ちゃんの手料理食べてみたいな…」

― これって、私の家に来たいってこと?それとも将来的に、手料理を食べるような関係になりたいってことかな…。

いずれにせよ、悪い意味ではないだろう。それに私も、彼がどんな家に住んでいるのか知りたい。

「私も正臣くんのご飯、いつか食べてみたいな」

この日はこんな会話だけで終わったが、5度目のデートの約束をしようとしたとき、彼は、自ら家に誘ってくれた。

「今度、僕の家でご飯食べない?作るから」
「え、いいの?行ってみたい♡」

こうして私は彼の家へ行き、初めてのお泊まりをすることになる。だけどこの一晩で、私は「彼とは相性が合わない」と知ってしまうことになる…。


女が男と一晩過ごして感じた違和感とは?

A2:こだわりが強くて面倒くさい。相性が合わないと悟った。


そして彼の家へ呼ばれたデート当日。手土産のワインを手に、緊張しつつも彼の家へと向かった。

家へ上がった途端、まずその綺麗さに驚いてしまった。

「お邪魔します…って、すごく綺麗にしているんだね」
「そうかな?まぁ汚いほうではないと思うけれど…」

ひとり暮らしの男性の家にしては、異常なほど綺麗な部屋。どこに座ればいいのかすらわからず、思わず目が泳いでしまう。

でもそんなことは、まだ序の口だった。私が驚いたのは、正臣のこだわりだった。

「今日はゲストだから、瑠美ちゃんは座ってて!今、カレー作ってるからちょっと待ってね。ワインでいい?」
「うん、ありがとう!そしてカレーなんだ、嬉しい」
「いろんなスパイスを配合させてルウから作った、スペシャルカレーだよ」

嫌な予感がする。

「ルウから作ったの!?すごいね」
「でしょ?最近カレー作りにハマっていてさ。週末はこうやって、ルウから作るんだ。玉ねぎをしっかり飴色になるまで炒めて、大量のニンニクを入れて。そこに5種類以上のスパイスを入れるんだよ」

― ……マジか。

彼の熱弁を聞きながら、少し戸惑う。正臣がこんなにも凝り性だとは思っていなかったから。

「すごいね!」
「で、ここから2時間くらい寝かせたいから、先に軽く飲みながら映画でも見る?」

しかもここから、さらに寝かすらしい。



料理する男性は素敵だけれど、こだわりが強すぎると面倒だ。私の場合、料理はいかに手際良くできるかが勝負だと思っている。

でも嬉しそうに、じっくりとお鍋をかき混ぜている正臣を見ると、何も言えなくなってしまった。

さらに、私が家に上がったのは19時。この時間くらいには食事をしたかったのだが、結局彼の“満足のいく”カレーにありつけたのは、キッカリ2時間後の21時だった。

21時からのディナーは辛い。寝つきも悪くなるし、消化にも悪い。

「カレーどうだった?ハーブの味、わかった?」

正直に言うとよくわからなかったけれど、いろんなスパイスを調合した、複雑な味だったことはわかる。

「うん、美味しかったよ。ルウから作るなんて本当にすごいね」
「満足してもらえてよかった。って、もうこんな時間だね。このあとだけど…どうする?泊まっていく?」

正直この時点で、かなりテンションは低かった。でも5度もデートして彼のことをいいなと思っていたし、カレーだけで判断するのは早急だ。体の相性を確かめたいという気持ちもあった。

「う、うん…」

ただカレーの一件で気持ちが萎えていたせいか、相性が悪かったのか、体を重ねてもそこまで気分も盛り上がらなかった。

そしてコトを終え、シャワーを借りようとした時。さらにうんざりする出来事が起きた。

「こっちがシャンプーで、こっちがコンディショナーね。ボディソープはさっぱりかしっとりの2種類があるから、好きなほうを使ってね」
「ありがとう。お風呂場も、ホテルみたいに綺麗にしているね」

こだわりの強い彼は、お風呂場にもこだわりがあるようだ。

「水回りは綺麗にしておきたくて。ドライヤーは、洗面台の右側の下の扉を開けた2段目に入ってるよ。ちなみに瑠美ちゃん、寝るとき右側派?左側派?」

そして寝る時、どちら側で寝るかも決まっている。

「え〜どっちだろう。あまり気にしたことなかったけど…正臣くんは?」
「僕は左側かな。でも実は、人がいると気になってあまり寝れないんだよね」

そう言われると、隣で寝る私は気を使わずにはいられない。結果として、一睡もできなかった。

いい人だし、優しいし、顔もタイプ。ただ今後ずっと一緒にいると疲れそうだ。

それに今後、一緒に住むような関係になることを想像できない。

― この人とは、一緒には暮らせないだろうな…。

時間は、有限。私は将来結婚できる人を探したい。だから早々に、見切ることにした。


▶【Q】はこちら:初めてお泊りした翌朝、彼女が消えた…。女が見てしまった、男の驚きの行為

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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抱かなければいけないプレッシャー