男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「最高のデートプランを用意したはずなのに、落とせなかった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:女を喜ばせるテクに長けている男。それでも女を最後まで落とせないのには、理由があって…



知り合いのレセプションパーティーで出会った和也。女友達と2人でいる時に声をかけられたのがキッカケだった。

「じゃあ花さんはアパレル系なんですね!」

私の話も一生懸命聞いてくれようとするし、彼に悪い点は見当たらない。

「そうなんですよ。そのつながりで、今日ここに呼んでいただいて。和也さんは?」
「僕はこの会社の社長と仲良しなんです」
「ナルホド。っぽいですね」

30歳独身経営者。彼からは、“モテる”オーラがかなり感じられる。

また自分に絶対的な自信がある、モテる人特有の、余裕のある雰囲気を醸し出していた。

そしてこのとき連絡先を交換し、解散後すぐに和也から連絡が来て、デートに誘われた。

この流れも、完璧だったと思う。

ただそこから二度ほどデートをしてみたものの、私は彼の“ある部分”が気になって仕方なかった…。


一見、完璧な男。女ならば誰もがなびくはずだけれど…

A1:彼の本心が、見えなかった。


和也は女性を誘い慣れをしているようで、驚くほどスムーズに、初めて会った日から1週間後に初デートが決まった。

しかも予約してくれていたのは、話題の『クローニー』。

それだけではない。お店へ入り、席へ通されるとびっくりしてしまった。普通の席ではなく、特別な空間の個室だったから。

― 初デートで、ここまでしてくれるの?

「わぁ、素敵…♡」

驚いて感動していると、和也は微笑みながらサラッと嬉しいことを言ってくる。

「でしょ?ここの個室は特別だから、花さんと来たくて」



和也のスマート過ぎる言動に驚いたけれど、デートが進むにつれてそれは加速していった。

「和也さんって、そんな若いのに経営者なんだ」

顔面偏差値は高く、かつ経営者という肩書き。そして甘いトーク…。モテないはずがない。

「いやいや。そんな若くもないし、年齢は関係ないよ」
「しかもそのルックス…。絶対モテるよね?」
「んー、どうだろう。人並みって感じだと思うよ。それより花ちゃんのほうこそモテそう。綺麗だし、気遣いもできるし…」

ドラマのセリフかのように、サラッと褒めてくる和也。すべてが最高だった。

「全然だよ。…ちなみに和也くんって、年上はアリな人?」
「ん?どういう意味?」
「私、和也くんより年上なんだよね」

30歳の和也からすると、私はどう見えているのだろう。そう不安になったので聞いてみたけれど、この答えも100点満点だった。

「そうなんだ!若く見えるね」
「今年で34歳なんだよねー…」
「花ちゃん美人さんだし、全然見えないね。肌もすごい綺麗じゃない?」
「一応努力してますから(笑)」
「僕はむしろ、年上の人が好きだよ」

女性を喜ばすのが上手な和也。絶妙な女ゴコロのツボを、しっかり押さえている。カンペがあるのかなと疑うくらい、パーフェクトな受け答え。

「和也くんといると、本当に楽しいな」
「こちらこそ。次は、いつ会う?」
「来週とかどうかな。早すぎる?」
「全然。むしろ早く会いたいから嬉しい」

どこまでも完璧な和也とのデート。

すごく楽しかったし、こんな人と交際できたら最高に幸せだろうなと思った。

でもこの初デートも、そもそも初対面の時も…。和也の本音があまり見えなかったように感じたのは、私の思い過ごしだろうか…。


どこかザワつく男とのデート。二度目のデートで言われたセリフが決定打となり…

A2:二度目のデートで家に誘うのは早すぎる。


フワフワとした気持ちを抱えたまま迎えた、二度目のデート。

でもここで、どうしてこんなに完璧な和也に、気持ちをギュッとつかまれなかったのかわかった気がする。

二度目のデートも、和也は素晴らしいお店を予約してくれいてた。

最上級のペアリングコースが楽しめる、西麻布にある『焼鶏 ひらこ』だ。



そして今日も、和也はカッコイイ。シンプルに顔がカッコいいだけでなく、会話までハンサムだった。

「なんてオシャレなお店…」

しきりに感動していると、私の顔をじっと見つめながら、甘い声で和也がささやく。

「美味しい食事を一緒に愉しめる女性って、素敵だよね。花ちゃんは本当に美味しそうに食べるし、喜んでくれるし…。僕、花ちゃんみたいな人が好きだな」

― “好き”!?今、「好き」って言った?

こんな素敵な人に「好き」と言われて喜ぶべきなのはわかっている。

でも今日は二度目のデートで、最初はほぼナンパという出会い。どうも、すべてが薄っぺらく見えてしまう私は性格が歪んでいるのだろうか。

「和也くんって…そういうこと、よくサラリと言えるね」
「だって本心だもん」
「もー。人の心を弄んで!」
「そんなことないよ(笑)ひどいなぁ」
「和也くんカッコいいし優しいし…本当に独身なの?」

もはや段々と、彼のスマート過ぎる振る舞いに疑いの目を向け始めてしまった。

和也が素晴らしい男性であることに間違いはないのだけれど、どうも言葉に重みがない。

「当たり前だよ!独身じゃなかったら、花ちゃんをデートにも誘わないでしょ」
「そうだよね」

すぐに「好き」と言うのはどうなのだろう。そう思っていたけれど、食事を終えて外に出た瞬間に彼が放った一言で、私はすべてが腑に落ちた。

「花ちゃん、このあとどうする?よければうちで飲まない?家にお酒がたくさんあるんだよね」

― なんだ。結局はそれなんだ。

まだ今日は二度目のデート。それなのに、早々に家に誘ってきた和也に私は少し幻滅すると同時に、ショックだった。

彼が優しくて甘かったのは、すべてはこのためだと悟ってしまったから。

「そうなの?でも今日は帰ろうかな。明日ゴルフだから、朝が早いんだ」
「それは仕方ないね」

しかも「今日は帰る」と言った途端にさっさとタクシーを止めて私を乗せ、運転手さんに「お願いします」と言って早々に出発させた和也。

断った瞬間に、タクシーに押し込む姿はスマートなのか、スマートじゃないのか…。

ただひとつだけ言えるのは、和也の言動から本気度が見えない、ということ。

きっと色々な女性に対し、同じようなことを言ってきたのだろう。そして、何度もこのパターンで家に呼び、女性たちを落としてきたに違いない。

― だから歯が浮くようなセリフも、噛まずにスラスラと言えるんだ。

完璧すぎて、逆に怖い。

多少、カッコ悪くてもいい。もっと自分の弱音や本心を見せてくれる、人間味溢れる人のほうが素敵だなと思った。


▶【Q】はこちら:女を喜ばせるテクに長けている男。それでも女を最後まで落とせないのには、理由があって…

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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男女の友情は成り立つのか!?