結婚3年目の夫婦に、待望の第一子が誕生。

これから始まる幸せな生活に心を躍らせたのも束の間―。

ささいなことから2人の愛情にひびが入り始める。

すれ違いが続き、急速に冷え込んでいく夫婦仲。

結婚生活最大の危機を、2人は乗り越えられるのか?

「産後クライシス—結婚3年目の波乱—」一挙に全話おさらい!


第1話:出産の“ご褒美”はダイヤモンド。夫の愛に浸るセレブ妻の大誤算

ピンクのバラの花言葉は、「感謝」らしい。そういえばプロポーズの時は真っ赤なバラだった。

情熱的な愛から家族愛に変わったんだなと、彩佳は微笑ましく思う。

そう、これから自分たちには家族が増えるのだ。新たな幸せの始まり。

彩佳は、久しぶりにつけた婚約指輪のまばゆい輝きを見つめながら、期待に胸をおどらせた。この後に起こることなど、想像できるはずもなく。

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第2話:育児でクタクタな私の横で、昼まで爆睡ってありえない!口だけで何もしないエリート夫にキレた妻は…

「もう起きちゃったの…」

退院後、初の土曜日。結衣の泣き声で目を覚ました彩佳は、思わず心の声をもらした。

時刻は6時。30分前に結衣を寝かしつけて、彩佳もウトウトしていたところだった。

「勘弁してよ。ママが泣きたいよ…」

結衣を抱きながら、目から涙があふれ出る。その時。ゆっくりと寝室のドアが開いた。

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第3話:夫のキスが気持ち悪い…!突然、恵まれた結婚生活に幸せを見いだせなくなったセレブ妻の苦悩

「疲れてるところごめんな。親父たちも、早く結衣に会いたいみたいで。長居させないようにするから」
「うん、大丈夫。お義父さん、お義母さんの気持ちもわかるし」

力なく答えた彩佳を、昌也は「ありがとう」と呟き、後ろからぎゅっと抱きしめた。そしてそのまま彩佳の頬に触れ、顎をクイッと持ちあげてキスをする。これまでと変わらぬスキンシップ。だが、その瞬間。

― やめて。

彩佳の体は、夫への拒否反応を示した。

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第4話:確かに保活も職場復帰もしないけど…。悠々自適な専業主婦をモヤらせた、バリキャリママ友の一言

「なんて出来た旦那さんなの!直樹とは大違い。私なんて、毎日のように旦那にキレてるわ」

玲子は、彩佳の反応など目もくれずに話し続ける。

「私、保育園の関係で早めに復帰せざるを得なかったけど、もう少し休みたかったもん。彩佳は育児に専念するんでしょう?羨ましいよ。それでいて協力的な旦那とか、彩佳、恵まれすぎ!」
「そ、そうだね。まあ、私も色々あるけど」

苦笑いしながら、暗に自分も大変だと訴えるが、玲子は気づかないようだ。

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第5話:玄関に見知らぬ女物の靴が…。夫に子守を任せて外出した妻が帰宅後に目にした衝撃の光景

「不安かもしれないけど、まずはやってみよう。俺も、育児の大変さを分かち合いたいんだ。ほら、出かける準備して」

だが昌也は、自分で世話をする気満々らしい。彩佳をなかば強制的にドレッサーの前に座らせた。

「本当に…いいの?」

ここまで言ってくれるなら、一度任せてみるのもアリかもしれない。積極的な昌也の姿勢に、彩佳の考えも次第に変わっていく。

「任せて!どうしてもダメなら連絡するから」
「そうね。じゃあ、近くにいるからお願いしようかな」

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第6話:「振ったのは私だけど…」頼れる夫に変身した元彼の姿を見て、女が思わず漏らした本音

「彩佳は、育児に専念してほしい」

不意に彩佳の脳裏に、昌也の言葉が蘇った。これまではありがたいお言葉くらいに思っていたが、今となっては義母のようになってほしいと言われているように聞こえるのだ。

悠々自適なセレブ妻ライフが一転、彩佳に結衣のお受験というプレッシャーがのしかかる。跡継ぎという問題も、今後出てくるかもしれない。

― ああ、憂鬱。

彩佳はこの時、昌也と結婚したことの重みを初めて感じてしまった。

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第7話:夫との不仲に悩む女のもとに、結婚したはずの元彼から連絡が。奥さんと順調なのか探りを入れると…

「メインは、鯛のムニエル…。すごっ」

元彼の義人と遭遇してから、彩佳は毎日のように彼のInstagramをチェックするようになっていた。先ほどアップされた昨晩の夕食の投稿を、食い入るように見つめる。

献立は、鯛のムニエルにシーザーサラダ、野菜スープとピラフ。彩りも鮮やかで、栄養バランスも抜群だ。付き合っていた当時は、味噌汁すらまともに作れなかった義人の変貌ぶりに、ただただ驚く。

― 奥さんが忙しいからって、あの義人が家事全般を甲斐甲斐しくやってるなんて。信じられないんだけど…。

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第8話:夫とはもう無理かも。育児でボロボロ、すれ違い続きの夫婦生活に耐えきれなくなった新米ママはついに…

「さすがねぇ」

ある休日。友人・玲子は、ソファに座るなり感嘆の声をもらした。彼女の視線の先にあるのは、結衣の産着、散らばったオレンジボックスやブルーの袋だ。さっきから、「ひぃ」や「さすがねぇ」を繰り返している。

「彩佳は、大丈夫なの?」

リビングを一周ぐるりと観察し終えると、玲子はキッチンに立つ彩佳に向かって、不意に尋ねた。

「な、なにが…?」

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第9話:「産後、こんなに幸せを感じたのは初めて」育児に疲れた妻を癒したのは、愛情たっぷりの…?

実家にたどり着いた彩佳は、震える指先でインターホンを押した。母が「はぁい、どちらさまー?」と、甲高い声で応答した。

「あの、私…」

声を振り絞るように告げると、インターホン越しの母が、絶句したのがわかった。それと同時に、外にいてもわかるくらいに、バタバタと部屋の中を走る音が聞こえてくる。

玄関の前で立ちすくんでいると、勢いよくドアが開き、玄関から心配そうな表情を浮かべた母が出てきた。

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