男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「わずか1ヶ月で女が男に別れを切り出した理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:相性は完璧だったのに…わずか1ヶ月で、男が女から三行半を突きつけられた理由



交際して約1ヶ月になる弘行。私は彼と交際したことを、激しく後悔していた。

「ヒロ君。やっぱり付き合うっていう話、ナシにしてほしい」
「え……?」

驚いているけれど、彼には自覚がないのだろうか。女は一度嫌いなると、とことん嫌いになる。私は一刻も早く、この場から立ち去りたかった。

「ごめんね。もう決めたことだから」
「なんで?まだ1ヶ月だよ?もう少し様子みてもいいじゃん」
「いや、ごめん。色々と考えてみたんだけど…やっぱり無理なんだ」

テーブルの上にあった伝票をつかんで、お会計だけ済ませて足早に去った。

― なんで交際前に、ちゃんと確認しなかったんだろう…。

今年で33歳になるのに、男を見る目がなさすぎて、情けなくなってきた。


A1:一見、ソフトな人当たりでいい人だと思ったから。


弘行と出会ったのは、友人に誘ってもらったホムパだった。少し浅黒い肌に、Tシャツの上からでもわかる、鍛えていそうな体つき。身長も高いので、彼は目立っていた。

最初は一番遠いところに座っていたので話すことはなかったけれど、何かのタイミングで、弘行は私の隣に来た。

「香奈ちゃん、だよね。楽しんでる?」

そう話しかけてきた弘行の手元を見ると、烏龍茶を飲んでいる。

「はい。弘行さんは飲んでいないんですか?」
「今日仕事がギリギリだったから、車なんだよね」
「そうなんですね。残念」

― 私だけ飲んでいいのかな。

そう思っていると、弘行が何かに気がついたらしい。



「香奈ちゃんお水いる?」
「欲しいです!ありがとうございます…って、家主みたいですね(笑)」

なんて気の利くいい人なのだろうと思っていると、彼は私をデートに誘って来てくれた。

「よく来るからね(笑)。香奈ちゃん良ければ、今度2人でご飯でも行かない?」

見た目からしてもう少しオラオラ系かと思いきや、意外に優しい。だから私はデートへ行くことにした。

しかも初デートの場所も、私が行きたかったお店『ta.bacco』を予約してくれていた。



「このお店、来たことあった?『リ・カーリカ』と同じ系列なんだけど、美味しいって評判で。来てみたかったんだよね」
「そうなんですね!実は私も気になってブックマークしていたお店だったんです…!嬉しいな♡」
「じゃあとりあえず、乾杯しようか」

そう言うと手際よくオーダーしてくれた弘行。この前のホムパから思っていたけれど、すごく気遣いのできる人のようだ。

「香奈ちゃん何歳だっけ?」
「今年で33歳になります」
「そうなんだ。同じ歳じゃん!敬語はナシにしよ」

大人っぽかったので、年上かと勝手に思っていた。けれども知れば知るほど見た目とのギャップがあり、とにかく話していると楽しい。

「そうなの!?じゃあ敬語はナシで。弘行くんってどこに住んでいるの?」
「僕は今中目黒だよ。香奈ちゃんは?」
「恵比寿だよ」
「近いね!たくさん一緒に遊べるね」

こうして1軒目は盛り上がり、気がつけばあっという間に解散の時間になっていた。

「あ〜美味しかった!この後どうする?まだ全然飲めるから、もう1軒行く?」

もう少し一緒にはいたいけれど、明日の朝はゴルフの予定が入っているので、なるべく早く寝たい。

「弘行くんごめん!まだもう少し一緒にいたいんだけど、明日朝が早くて…」
「じゃあ仕方ないね。でももし良ければなんだけど…また誘ってもいいかな?」
「もちろん!」

すると、弘行が急に真面目な顔になって私の両肩をガシリと持った。

「香奈ちゃん。まだ会って2度目なんだけど…。僕真剣に香奈ちゃんのことが好きで。もし良ければ、付き合ってくれないかな」

一瞬悩んだけれど、これも何かのタイミング。ちょうど彼氏も欲しいし、弘行に悪い点は何も見当たらない。だから私は首を縦に振った。

けれども、もう少し相手を知るべきだった。特に“あの時”にどうなるかを…。


A2:お酒を飲んだ時の態度が怖い。


スピード婚ならぬスピード交際だった私たち。でも最初は嬉しかったし、素敵な彼氏ができたことに喜んでいた。

最初の異変に気がついたのは、交際して2週目になるときのことだった。

この日、弘行は会食があったので私たちは2軒目から合流することになった。けれども指定されたバーへ着くと、弘行はすでにかなり酔っていた。

「香奈と飲むのは楽しいなぁ。会いたかったよ〜」

会った途端に、急に抱きついてくる。付き合っているから抱きつかれることは構わないのだけれど、シラフの私は酔っ払いの弘行のテンションについていけなかった。

でも私が引いたのは、それだけではない。

「ヒロ君、飲み過ぎじゃない?大丈夫?」
「大丈夫だよ。ほら、香奈も飲んで」
「今日は、私はもういいや。酔っ払っちゃったし」
「え〜そんなツマンナイ女だったっけ?ほら、飲んで」

― え。なんでそんな急にオラついてるの?

酔うと気持ちが大きくなるのか、言葉遣いが急に荒くなっている弘行。その豹変っぷりに、若干の恐怖すら覚えた。



さらに酔っぱらっている彼は、異常に私の体に自分を近づけてくる。まだお店なのに腰に手を回してきて、抱き寄せようとしてきた。

「香奈、早く飲んで家に行かない?」
「ヒロ君、ここ外だからね?今夜はどっちの家に行く?」
「今日は俺の家でいいんじゃない?」
「OK。早く移動しよう」

とにかく恥ずかしくて、一刻も早く家に連れて帰りたかった。

― この人、酒癖が悪すぎない…?

交際する前まで、気がつかなかった。初回はシラフだったし、初デートは1軒目で解散していたので、彼が酔う姿をちゃんと見ていなかったから。

段々と、交際したことを後悔し始めていた。

33歳の経営者。見た目も悪くないし、普段はいい人だから、表向きはいい彼氏だと思う。

「香奈、このシャンパンでいい?」
「そんな高いの、いいの?」
「もちろん。ボトル入れよう。好きなの食べていいよ」
「ヒロ君って本当に優しいね。ありがとう」

贅沢もさせてくれるし、お酒が入っていなかったら穏やかで優しい。でもやっぱり、見逃してはいけないサインがたくさんあった。



それは家飲みをした日のこと。酔っ払ってきた弘行の言葉遣いが、また急に荒くなる。

「香奈って本当にいい女だよね。お前みたいな綺麗な子が、俺の彼女でいるって最高に幸せだわ」

― “お前”って言ったよね…。

普段からモラハラっぽい人ならば、こちらとしては防御線を張れる。

でも通常時はいい人なのに、お酒が入った時だけ悪態をついてくる彼は危険すぎる。

「どうしたの突然。ヒロ君もね」
「香奈が僕の子どもを産んでくれたら嬉しいなー」
「え、結婚願望あるの?」
「あるよ!!」

― いや、絶対に無理!!

こんな二面性のある男との結婚なんて、恐怖でしかない。とにかく早めに離れるのが正解だと思い、私は早々に別れを切り出した。


▶【Q】はこちら:相性は完璧だったのに…わずか一ヶ月で、男が女から三行半を突きつけられた理由

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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どうやったら胸がトキメクのか…?