男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「男が突然女を家から追い出した理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:ある日突然、半同棲中の彼氏から「家から出ていってほしい」と伝えられた女。その理由は…



「ただいま」

家のドアを開けると、瑠璃子の靴がある。それを見た途端に、ドアを閉めたくなってしまった。

部屋へ上がるとキッチンで食器を洗っている。この家で食事を済ませたのだろうか。その姿を見て、もう限界だと思った。

「瑠璃子。もうやめてくれない?」
「え?洗い物を?」
「違うよ。…全部だよ」

キョトンする瑠璃子に対し、怒りが湧いてくる。こんな無神経な女性が世の中にいたのだろうか、とさえ思ってしまう。

「ごめん。何か気に障ったことしたなら謝る」
「そういうことじゃないんだよ。瑠璃子、とりあえずもう出て行って」
「え?なんで?」

僕の家へ勝手に転がり込んできて約3ヶ月。もう我慢の限界だった。


A1:もっとサバサバしている女性だと思っていた。


瑠璃子と出会ったのは、マッチングアプリだった。アプリ上には可愛い子がたくさんいたけれど、何となく“いいね”を押してきてくれた瑠璃子に目が留まった。

― とりあえず返信しておこうかな。

ものすごく惹かれた、とかではない。ただ軽い気持ちで僕も返したので、結果的に僕たちはマッチングすることになる。

そしてそこから何度かやり取りをし、実際に会うことになった。

ただ意外だったのは、待ち合わせのカフェで瑠璃子を見た時だった。女の子は大概加工していると思っていたけれど、瑠璃子は写真とほぼ変わらなかった。そのことに、僕は好感を持ったのだ。



「はじめまして。譲治です」
「はじめまして。瑠璃子です」

お互い少し緊張しながら挨拶をする。瑠璃子は肌も綺麗で、顔も普通に可愛い。そして性格も良いし、一般的にはモテる部類に入ると思う。

「瑠璃子さん、モテそうなのに。何でマッチングアプリを?」
「出会いはあるんですが、なかなか良い人に巡り会えなくて…。もしくは、出会っても続かないんです。尽くし過ぎちゃうんですよね」
「尽くす女性、ダメなんですか?いいじゃないですか」

この時は、そう思っていた。後々この言葉が違う意味になることを、まったく知らずに…。

「そう言ってもらえる人に出会えたら嬉しいのですが。アプリは、友達に勧められて使い始めました」
「そうだったんですね。でも世間の男性は見る目がないですね」
「譲治さんは、なぜ?譲治さんもかなりモテそうですが…」

初めてリアルに会う時の“正解”のような、マニュアル通りの会話を僕らは続ける。しかし次の会話で、僕は瑠璃子のことを“お!”と思った。

「僕ですか?全然ですよ。ただ出会いがあまりないので、アプリだと効率的かなと思って」
「それはわかります。趣味とかもマッチしやすいですしね」
「効率って大事ですよね」

この言葉に、思わず身を乗り出す。

「瑠璃子さんもそう思いますか?僕も効率重視で。女性も、賢くて効率良い人が好きなんです」
「そうなんですね!」

― この子、意外にサバサバしていていいかも。

そう思ったのでこの後も連絡を取り続け、僕は『すし 田いら』へのデートへ誘うことにした。



実際に会うのは二度目だけれど、僕たちはメッセージのやり取りを続けているうちにタメ語になっていた。

「瑠璃子ちゃん、ここに来たことあった?」
「初めて来た♡ずっと来てみたかったから、嬉しい!」
「よく来るの?」
「うん。ただ予約がなかなか取れないから、毎回来たら必ず次回の予約を取って帰るんだ」
「そうなんだ」

そんな会話をしていると、急に瑠璃子の声のトーンが低くなった。

「…誰と来るの?」
「友達が多いかなぁ」
「そっか。人気店の予約枠は争奪戦だもんね。一緒に来れる子が羨ましいな」

僕はどうして気がつかなかったのだろう。この会話に、後々の瑠璃子の性格が表れていたことに。

「譲治って、普段は何してるの?」
「仕事して、美味しいもの食べて…たまにジム行ったりゴルフへ行ったり?特筆すべきようなことは、なにも(笑)」
「でもそういう何気ない日常が一番幸せだよね」

結局会話は普通に流れ、デートは楽しく終わった。

そしていつの間にか、食事後は僕の家に瑠璃子が来る流れがお決まりになっていた。


A2:マーキングと束縛。監視されているようで鬱陶しい


最初は良かった。初めて僕の家に来るとき、「化粧落としがない」と騒いでいた瑠璃子はコンビニでお泊まりセットのような物を購入し、それで済ませていた。

使い捨てだし、問題ない。

そして2回目もそんな感じだったので、特に何も気にしていなかった。けれども次に我が家へやってきた瑠璃子の言動に、何かが引っかかった。



「ねぇ譲治。これ毎回持ってくるのが面倒だから、ここに置いていてもいい?」
「何を?」
「このメイク落としとか」
「あーいいよ。適当に置いておいて」

現状、他に家へ連れてくるような子はいないしいいかなと思った。けれども僕の考えが甘かったようだ。

瑠璃子が帰った翌日。洗面台の引き出しを開けると、メイク落とし以外にも瑠璃子の私物で溢れている。

― え?こんなに置いていったの?

ただこれくらいならばまだ我慢はできた。僕が信じられなかったのは、瑠璃子が僕の家に居座るようになっていったことだった。



「瑠璃子、今日は家に帰らなくていいの?」

今日で3日連続、家にいる瑠璃子。さすがに鬱陶しくなってきて、さりげなく家から追い出そうとしてみる。

「うん。今日は譲治といる日だから」
「でも僕、今夜出かけないといけないんだけど…」

当然、家主の僕がいなくなるのだから、瑠璃子は自分の家に帰るだろうと思っていた。しかし瑠璃子はまったく気にもしていない。

「そうなの?じゃあ待ってる」
「いや、待ってなくていいよ。荷物もあるだろうし、本当に帰らなくていいの?」
「そうだねー…。じゃあ譲治が出かけている間に荷物だけ取ってこうようかな」

― そういう問題じゃないんだけど。

しかも黙って勝手に家にいるだけならまだしも、しばらくすると我が物顔で束縛までするようになってきた。

「今日も帰り遅いの?誰と飲んでいるの?」
「仕事関係の人だよ」
「女性じゃない?私のこと忘れてないよね?」

― え??面倒くさ!!!

心底、そう叫びたくなる。

「家にいるんだから、忘れないでしょ(笑)」

むしろ、いつまでに居座るつもりなのだろうか。瑠璃子が家にいるから帰りたくなくて、僕は積極的に外での飲みの約束を入れるようになった。

それなのにまったく気がつかない瑠璃子は、彼女ヅラして束縛までしてきている。

― ダメだ。もう限界だ。

普通だったら、気がつくだろう。常識のある女の子だったら、勝手に人の家に住みついたりもしないし、居候の分際で詮索もしてこない。

でも瑠璃子の場合、そういう“当たり前”などが通用しないらしい。話し合いをしても無駄そうなので、僕は強硬手段で彼女を家から追い出すことにした。

もともと、ここは僕の家だ。ひとりで楽しく暮らすための家だ。

瑠璃子がいなくなってから、かなり清々しい気持ちになったのは言うまでもない。


▶【Q】はこちら:ある日突然、半同棲中の彼氏から「家から出ていってほしい」と伝えられた女。その理由は…

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

▶NEXT:11月12日 土曜更新予定
結婚したいと皆に言わしめるモテ男が選んだ女