― イイ男はすでに売約済み ―

婚活戦国時代の東京で、フリーの素敵な男性を捕まえるなんて、宝くじに当たるくらい難しいと言っても過言ではない。

待っているだけじゃ『イイ男』は現れない。

超絶ハイスペックな男性が寝顔に惚れ、キスで目覚めさせてくれてゴールイン…なんて、おとぎ話もいいところ。

現実は、うっかり寝ている間に誰かにさっさと取られてしまう。

これだと思う人を見つけたら、緻密な戦略を立ててでも手に入れる価値がある。たとえその人に、彼女がいても…。

「じゃあ、奪っちゃえば?」一挙に全話おさらい!


第1話:「何考えてるの!?」食事会にしれっと参加する既婚男。婚活を妨げ大迷惑なのに…

「あぁ、もう!あいつの頭の中の花、全部むしり取ってやる!」

悪態をつきながら、東京でいい男と出会うことの難しさに泣きそうになる。凛は3ヶ月ほど前、4年間付き合った大手商社マンの彼氏にあっさりとフラれてしまった。

慶應大学卒で外資大手IT企業勤務の凛にとって、結婚がすべてではない。それでも30歳という年齢に、焦りを感じている。だから、悲しみに暮れている暇もなく、最近出会いを求めて食事会に参加しているのだ。

そして今日。久々にちょっと良いかな、と思える人に出会えたと思ったのに、これだ…。

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第2話:「出会いがない」と嘆く30歳女。“イイ男がいる”と友人に意外な場所に連れて行かれ…

涼子の夫である神谷圭吾は、同じ会社のエンジニア部門のディレクターだ。見た目は熊のように大柄で、穏やかで優しそうな顔をしている。

ウワサによれば、見た目通り部下にもおおらかで頼り甲斐があるが、いざ交渉ごととなると、その優しい仮面を被りながらも一歩も譲らず、ぐいぐいと相手の懐に攻め入って仕事を勝ち取っていくらしい。

そんな人だから凛はてっきり、彼からグイグイ攻めたのだと思っていた。

「ううん、私が奪ったのよ。知り合った時、圭吾には彼女がいたけど、絶対にこの人だと思ったから、私からアプローチしたの」

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第3話:平日は即レスなのに、週末は連絡がない女。実は、男に内緒であることをしていて…

「人にもよるけど、3ヶ月で落ちる人もいれば、2年以上かかる人もいるわ。でも、そこを覚悟できなければ、そもそも略奪恋愛なんてしない方がいい。

自分の恋愛黄金期を費やしてでも奪う価値のある人じゃなきゃ、略奪なんてするべきじゃないわ」

そう言って、涼子は優雅な所作で目の前の白ワインを一口飲む。

悠馬は自分の理想に合致しているうえに、不思議と縁を感じている。やはりどんなことをしても手に入れたいと思う凛は、覚悟を決めた。

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第4話:友達から恋人になりたい…。24時のタクシーで2人きりになったとき、女は大胆にも…

年齢は、悠馬の4つ下で28歳で、付き合って3年。父親がアメリカ人、母親が日本人のハーフで美人。横浜にある高級ブランドショップで働いているという。

「遠恋で3年も続くなんてすごいな。結婚は?」
「遠距離は2年だし、途中別れていた時期もあるけどね。結婚はまだ…」

そう言って、悠馬は自分の話はいいから、と別の人に話題をふった。

― 超遠距離を乗り越えたなんて、絆深そうだな…。私に入り込む余地なんてあるの…?

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第5話:イイ感じだったのに、急に連絡が途絶えた彼。不安になった30歳女は暴走し…

スマホを確認するも、悠馬からの連絡は当然ない。ふと店内を見渡すと、背格好が悠馬に似た男性が、ハーフっぽい綺麗な女性と食事をしている姿が目に入ってきた。

― 悠馬の彼女、エリさんもあんな感じなのかな…?

悠馬と長く会えていなかったせいか、これまで抑えていたエリへの嫉妬心が突然むくむくと膨らみ、凛の心を支配した。

― 確か彼女、横浜のハイブランドショップで働いてるって。もしかして今日もいるんじゃ…?

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第6話:「彼の家はホテル代わり…」清純美女の正体を見抜いた男。きっかけは、女の“ある持ち物”で…

「凛が彼女のいる人を好きになっちゃって。しかも相手は、横浜のハイブランドで働いてるハーフで美人な子なの。凛を諦めさせるために誰か紹介してあげてよ」

彩香の話を聞いた隆也は「ん?」という顔をした。

「その女の子の名前って、もしかして“エリちゃん”て子だったりする?」
「え、そう!でもなんで、知ってるの…!?」

驚く凛に、隆也はスマホでInstagramを開いて画面を見せた。

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第7話:「今夜は勝負!」と思っていたのに、男の“ある態度”で女の心が急変。1杯で帰ったワケ

『略奪作戦の5つ目。好きな人と彼女の間にヒビが入っているときに、一気に攻め落とす。ずるずる行くと“都合のいい友達”で終わっちゃうから。好きなことを匂わせて、女性として意識させる。でも“好き”とは言わない』

“自分から告白してはいけない”のは、男性の“追いかけたい願望”のためというより「自分が決断した」と思わせることが重要だと涼子は言う。

『“押し切られて仕方なく乗り換えた”では、相手は後々不満を持ってしまう。絶対に相手から言わせること』

凛は、涼子の言葉を頭の中で反芻する。そして、18時になるとメイクを直し、凛は気合を入れて会社を出た。

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第8話:久しぶりのデートを1時間で切り上げて帰った30歳女。彼女が、男に賞賛されたワケとは

凛から見て2人の愛は本物に見えたし、涼子が圭吾の話をするときの嬉しそうな表情は、愛する人に見せる顔だった。

もしもこの話が涼子の耳に入ったら、彼女はどれほど悲しむだろうか。凛は想像し、胸が締め付けられる。

「人ってわからないものね、涼子さんがかわいそう。私も結婚したら、そんなことに悩まされたりするのかな」

彩香の言葉に凛は大きくうなずく。

いざ好きな人と結婚できたからといって、その後もずっと幸せが保証されているわけではないと。

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第9話:何度もデートしていたのに女が告白した途端、態度が急変した男。そのワケとは…

― 私にはテクニックを使うなんて無理。私は私のやり方でやろう。ストレートにぶつかってみよう。

そう覚悟を決めた凛は、悠馬の顔をもう一度見る。だが、先ほどまで愛おしい人を見るような優しい目で凛を見ていた悠馬が、今は冷めたい目をしている。

「とりあえず、今日は帰ろうか」

悠馬はそう言うと、サッとお会計を済ませてしまった。店の外に出ると、アプリでタクシーを手配しながらさっさと乗り場へと向かう。

― さっき私がキスしたことも、好きって言ったことも、なかったことにしてる…?

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第10話:「何これ…」初めて彼氏の家を訪れた女が洗面台の下で見つけた、生々しい女の影とは?

すっかりと肌寒さを感じるようになった金曜日の20時。凛は悠馬と麻布十番の『Courage』で会っていた。

2ヶ月半ぶりに会った彼は、自分の気持ちに整理がついたのかすっきりした顔をしている。

「今日、告白の返事をもらえるはず」と思うと凛は落ち着かない。

テーブルに通され注文を済ますと、悠馬は言葉を探しながら「あのさ…」と切り出した。

「ずっと連絡しなくて悪かった、色々とあって。それで、結論から言うと…」

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第11話:元カノと「友だちになった」と連絡を取り続ける男。今カノが、激怒するとまさかの反応で…

「エリさんと…まだ連絡を取ってるんですか…?」

不機嫌な様子を見せる凛に、悠馬はさらに焦った顔をした。

「いや、そういうワケじゃない。でも付き合いが長かった分、そんなすっぱりとは…。共通の知り合いもいるし、友達に戻ったから」
「友達って…」

悠馬と付き合うことばかり考えていたため、冷静に彼のことを見極めていなかった。

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