2022年も、東京には注目の新店が続々と誕生し、レストランシーンを盛り上げた。

デートをマンネリ化させないためにも、レストラン情報は常にアップデートし続けたいもの!

そこで今回は、昨年オープンしたばかりの新店の中から、間違いなく美味しい店だけを厳選。

「あの店、もう行った?」と話題に出来る、フレッシュな名店ぞろい!



※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。



▽INDEX

1.あの超人気焼鳥の待望の2号店!備長炭で焼く大山鶏が絶品@六本木

2.予約困難なイタリアンが手掛ける、食事パンが主役の新店@松見坂

3.ジビエ料理の美味しさを教えてくれる名フレンチ@西麻布

4.美食家が日常使いしている、秘密にしたい中華料理店@高輪


1.あの超人気焼鳥の待望の2号店!備長炭で焼く大山鶏が絶品@六本木
『とり澤 六本木』


2022/9/26 OPEN



漆黒の空間でいただく焼鳥は、無条件に高ぶらせてくれる


都内きっての“焼鳥激戦区”といっても過言ではない港区にまた一軒、実力派の新店が誕生した。

中目黒で人気を博する『とり澤』の2号店、その上、場所は六本木交差点の程近くなのだから、ここ『とり澤 六本木』がオープンするやたちまち評判になったのは必然だろう。



焼き台に立つのは、西麻布『鳥さわ22』などで経験を積み、中目黒『とり澤』を立ち上げた店主・中村祥啓さん。職人歴は10年を数える。

身質や水分量といった部位ごとの状態を見極めて日々仕込み、ひと串ひと串、丹精込めて焼き上げる。


絶妙な火入れによる肉の煌めきが、港区の夜の輝きを助長する


さっと焼いてわさびを添えた「ささみ」は、しっとりとした食感が身上。



ハリのある様子が鮮度の良さを物語る「レバー」。

しっかり食べて飲んで、予算は12,000円〜。



扱う鶏肉は「大山鶏」のみ。希少な「紀州備長炭」で焼かれ、香ばしい炭の香りを纏って登場する串の数々は、味わいに加えてしっかりしたボリューム感も魅力。

その分「鶏の串を3本ほど続けたら旬の野菜の串を挟み、食べ疲れないことを意識しています」と中村さん。



炭火で焼いた福島産の大きななめこに、大根おろしと薬味を合わせた「なめこおろし」は、串ものの合間の一品。



「白玉」は、強い火で表面を一気に焼き上げ焦げ目をつけるのがポイント。

齧れば、中から黄身がとろりと。



ストップをかけるまで料理が出てくるスタイルだが、内容や順番は食べ進む様子を見つつ、ゲストごとに変える、という細やかさ。

大人を満たす条件がそろっている。



六本木交差点から溜池方面に坂道を下っていき、1つ目の信号を越えてすぐ、というロケーション。

アクセスのしやすさも魅力だ。



真剣に焼きつつも、フランクにコミュニケーションを取ってくれる中村さん。

焼鳥への熱い思いが綴られている、店のInstagramも必見。


2.予約困難なイタリアンが手掛ける、食事パンが主役の新店@松見坂
『PANEVIA』


2022/8/20 OPEN



この店の満足度は、いつも以上に弾む会話が物語る


アクセスは良いとはいえない路地裏に立つ一軒家。

が、その密やかなロケーションとそこでしか味わえない料理、非日常感のある空間に魅せられるゲストが跡を絶たないイタリアンが『チニャーレ』だ。



料理のお供に登場する焼きたてのフォカッチャの評判が高まり、ついに目と鼻の先に自家製の食事パンが主役の店『PANEVIA』を開くに至った。

そして、2022年11月からはパンの販売に加えてディナー営業をスタート。


上質な食事パン!


もっちりとした生地に、くるみやレーズンがたっぷり!な「カンパーニュ」900円(1/4)。



ふわっとした生地の「フォカッチャ」1,400円。


カジュアルに楽しむ夜こそ、料理はレベルが高い方がいい


『チニャーレ』のオーナーシェフ・東森俊二さんのフィロソフィーに基づいた料理と自慢のパンを、こちらではアラカルトで味わえる。

シェフの大沼貴美さんが腕を振るう厨房と客席とがシームレスな空間も、一体感があってたまらない。

料理と味わうことを想定してオイルを控えた「フォカッチャ」に、中がもちもち、外はカリカリの「チャバッタ」、そして料理に負けない存在感の「カンパーニュ」。

料理との見事なペアリングに、会話とワインが止まらない。



シェフが手打ちで製麺する「自家製サルシッチャのラザニエッティ」2,700円。

強力粉だけで打ったできたての生地は、デリケートな食感。



素揚げしたワタリガニに、爽やかなフレッシュトマトソースを合わせた「渡り蟹のフリット トマトバジルソース」3,200円。

中華の調味料「豆鼓」が隠し味に。


3.ジビエ料理の美味しさを教えてくれる名フレンチ@西麻布
『ラミ・デュ・ヴァン・エノ N』


2022/9/5 OPEN



ジビエのオーソリティによる、フランス料理ならではの力強い品々に陶酔する


1997年、神宮前にオープンしたフレンチレストラン『ラミ・デュ・ヴァン・エノ』。

シェフ・榎本 実さんによる骨太なジビエ料理が評判となり、17年間にわたってゲストを満足させてきたが、2014年に惜しまれつつクローズした。

あれから、8年。2022年9月、榎本シェフが再びレストランの厨房に立つ、という朗報が舞い込んだ。

新たなステージに選んだ地は西麻布。店名は“新しい”という意味のフランス語「Nouveau」の頭文字を添え『ラミ・デュ・ヴァン・エノ N』に。


大切な人とは特別なフレンチへ。ジビエとワインのマリアージュをここで知る


料理にも、時代に即した変化が見られる。

まず、ひと皿ごとのボリュームを以前よりも控え、その分皿数を増やしたおまかせコースのみに。

しかも、牛スネ&鶏の出汁をメインとしてさまざまな出汁の旨みを融合させた、「50℃ 仏 和のコラボ」と題したスープからスタート。

そして主役のジビエは、熟成期間を長くしすぎないことで、複雑味を湛えつつ軽やかな食後感に仕上げることに心を砕く。

練達だからこそ、緩急自在。その技を堪能したい。



前菜にもジビエを、という声から生まれた「雷鳥のビスク」。

焼いて、煮て、粉砕して……、気が遠くなるような行程を経て完成する。



「鴨の燻製のムース」は、華やかなモンブラン仕立てに。

バターナッツの絞り出しの中に、ピレネー産サラミやクルミと合わせた鴨肉が潜んでいる。



ソムリエの富永直人さんが選んだコルベールに合う1本は、ニュイ・サン・ジョルジュ。

「今のシェフの料理には、エレガントなブルゴーニュがマッチします」



64歳にして、再び現場で腕を振るうことに。

フランス料理への冷めやらぬ想いから「人生最後の挑戦」と、オープンを決意したという。


4.美食家が日常使いしている、秘密にしたい中華料理店@高輪
『華丘房』


2022/9/23 OPEN



店内にともる穏やかな灯りが、ふたりの心の壁を崩してくれる


高輪エリアの中でも高台に相当する「伊皿子坂上」。

少し前には上皇陛下ご夫妻が過ごされた「高輪皇族邸」もある閑静な高級住宅街に、心和む小体なチャイニーズが誕生!

オーナーシェフの丸山輝雄さんは、中国料理界の大御所・脇屋友詞シェフのもとで四半世紀にわたり切磋琢磨した人物。昨年秋、満を持しての独立を果たした。

『華丘房』では上海料理をベースに、時には四川や北京のレシピ・技法も柔軟に取り入れた丸山さん流のヌーヴェルシノワを、おまかせコースで提供する。


肩肘を張らずに上質な料理をいただく。そんなささやかな特別感が心地いい


常時8〜9品が登場する、目にも楽しい「彩々前菜盛り合わせ」。

有頭海老の上海炒め、愛媛・今治産の鹿の煮こごり、広東風焼豚、よだれ鶏、砂肝の生グリーンペッパーなどバラエティに富む。



四川省でポピュラーな塩水発酵の漬物「泡菜(パオツァイ)」をソースに使った「新鮮魚の強火蒸し」。

この日の魚はイトヨリ。



旬の野菜を添えた「黒毛和牛のスネ肉 上海風煮込み」は、豚や鶏の骨、香辛料などを煮出した「鹵水(ルースイ)」と呼ばれる調味料で煮込むことで、独特のコクが生まれる。

料理はすべて、おまかせコース(9,350円)の一例。



ホテルのダイニングなど、チームで切り盛りする大箱の店でも経験を積んできた丸山さんだが、ここでは料理に関してはすべてをひとりで。

そして、奥様が柔らかな接客でフロアを切り盛りする。

旬の野菜や新鮮な魚介類を使い、優しい味わいに仕上げた料理とアットホームな雰囲気が、リラックスできる時間を約束してくれる。



店を訪れると客席にセットされている、美しいショープレート。

コースの中でも、アンティークやヴィンテージの食器やカトラリーが惜しげなく使われる。



外観は至ってシンプル。



壁面には、中国の伝統的な意匠である丸窓をモチーフにしたデザインが施されている。



料理もムードも、女性をときめかせる要素が盛りだくさん!

昨年に引き続き、間違いなくデートの切り札として重宝するレストランだ。


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