いま、都内ではワインバーが続々とオープンしている。さっと寄って気ままに楽しめる気軽さが、今の世相にはちょうどいい。

イタリアンの『TACUBO』やフレンチの『ル・ブルギニオン』など、誰もが知る人気店にゆかりのある店が多いというのも、興味をそそる。

洗練された社交場として注目を集めるワインバーへ、宝塚歌劇団出身の俳優・七海ひろきさんとともに訪れた。

2回に渡ってお送りしている、七海さんのインタビュー後編も必読!

▶前編はこちら:国宝級の麗しさ!元宝塚スター・七海ひろきの意外なギャップに胸キュン!

【後編】
■七海ひろきさんのテンションも上がった!代官山で話題のワインバー
■【WEB限定】編集部は見た!七海さんの撮影当日の裏話

※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。


1.『TACUBO』肝入りのワインバーが高感度な大人の社交場に@代官山
『ミラク』


感度高き大人が集う代官山。今年ひっそりとオープンした店が、連日賑わいを見せている。

そこは、イタリアンの名店『TACUBO』の田窪シェフが経営に名を連ねるワインバー。ワイン好きが熱く支持する一軒だ。



イタリア人建築家が60歳を過ぎて作り始めたというシチリアの赤、「SERRAGGHIA」グラス 2,900円。ワイン愛飲家の間では、出合えたらラッキーという銘柄だ。

「希少な1杯と聞いて、少し緊張します」と七海さん。


1本、1本のワインが持つストーリーを聞くと興味が湧きますね


クールな表情を求められることが多い七海さんが、撮影中に見せたナチュラルな笑顔。

「お酒に詳しくない私でも、こんなにおしゃれなお店でお話を聞いたらテンションがやっぱり上がります」



代官山アドレスの真裏、東急東横線の線路沿いに店を構える『ミラク』。

セレクトショップのような佇まいだ。



個性豊かなナチュラルワイン。世界中の醸造家が自由に造り上げているものが多いゆえ、当たり外れが如実に出てしまうから素人が選ぶには難しいところ。

だが「安定してクオリティの高い、“きれいなナチュール”を中心にそろえています」と、ワインバー『ミラク』を切り盛りする下田 悠さんはほほ笑む。



実は彼女、OLをしながら夜はワインバー経営という、二足の草鞋を履く。

元々、不定期でナチュラルワインのイベントを開催していたところ、たまたま『TACUBO』のシェフ、田窪大祐さんが通りがかり、意気投合したのが店の始まりというから驚きだ。



偶然とも奇跡とも呼べる出会いからスタートし、まだ半年足らず。にもかかわらず、夜な夜な洗練された男女が集い、グラスを空ける。

女性のひとり客が多いのも、彼女の温かな雰囲気が店に反映されているからだろう。



スタンディングでも着席でも可のカウンター。

温もりあるサーモンピンクの空間は、人工物に触れてはいけないというナチュラルワインの性質に、少しでも人肌を感じさせたかったからだそう。


店で味わえるのは簡単な軽食のみだが、「オリーブ」(600円)は『TACUBO』で出されているもの、などクオリティは高い。

下田さん曰く「おいしいワインを心ゆくまで味わってほしいので、最小限にしています」とのこと。

代官山という立地がもたらす、程よいカジュアルさもリラックス感に貢献している。

「こんな居心地のいい空間なら、ひとりで訪れても楽しめそう」と、七海ひろきさん。その心にもしっかりブックマークされたようだ。


【WEB限定】編集部は見た!七海さんの撮影当日の裏話


帰り際、颯爽と背負ったリュックに、きらりと光るあざらしのキーホルダーが。

さっきまで披露してくれていた爆イケぶりとのギャップに「これは…?」と思わず声をかけると、「アザラシ、好きなんです」とはにかんだ七海さん。

「…可愛すぎかよ!!!」

最後に特大の萌え爆弾を落とし、スタッフの屍を築いて去って行った七海さんなのでした。


2.東銀座で愛される名ビストロの味を“立ち飲み”で知る贅沢@東銀座
『pas loin』


赤土が塗られた壁がほっとする温かさで夜の大人たちを包み込む


ワイン好きかつ食いしん坊な大人たちからの評判も高い東銀座の『ビストロシンバ』が、店から目と鼻の先にあるビルの2階にひっそりとオープンした、『pas loin』。

店長を任されたのは、『ビストロシンバ』のサービスを6年務めた高山南美さん。若手のシェフとともにこのワインバーに立つ。

常時グラスで15種類前後選べるヴァンナチュールと、“シンバ”仕込みの小皿料理をラインナップし、〆は本店のスペシャリテ「ブイヤベース」で作るリゾットを味わえるという贅沢さ。

人気店の味をアテに立ち飲みできる使い勝手の良さと、満足度の高さで夜な夜な舌の肥えたワイン好きたちが集う。

美食エリアでもある東銀座の、新しきナイトスポットだ。


“シンバ”の味を楽しめます!


「ひとくちブーダン・ノワール」500円。

仏オーヴェルニュの生産者、ヴァンサン・トリコの土っぽいニュアンスとベリーの果実味が美味な赤ワインとピッタリ。グラスは1,000円〜。



ミニココットで供される「シンバ特製ブイヤベースのリゾット」1,800円。


『ビストロシンバ』が満を持して姉妹店を


香りと温かさにこだわる本格ビストロ『ビストロシンバ』は、東銀座の地で7年目を迎える。人気店ゆえ予約は1ヶ月先がマスト。

姉妹店のワインバーができてからは、2軒を行き来する常連も多いとか。



店長の高山さん。「22時までの予約は、着席も5名まで可能です」


3.上質なブルゴーニュワインをたしなむ大人のワイン小屋@赤羽橋
『élevé』


都会のど真ん中に潜む一軒家は意外性たっぷりでムードは最高潮に


麻布十番から一の橋を過ぎ、赤羽橋の方面へと向かったところにあるワインバー『élevé』。

ブルゴーニュ産ワインにこだわったセレクトで、ワインラバーたちをもてなしている。

オーナーソムリエの松田 慧さんは、フランス料理の名店『ル・ブルギニオン』に11年勤務し、独立。

師匠である菊地美升シェフ譲りの、“ブルゴーニュ愛”溢れるコレクションを堪能させてくれる。

料理は同店出身の川面貴昭さんが担い、「エスカルゴとキノコの春巻き」や「牛頬肉のブッフブルギニオン」など、本格的なカウンターフレンチとして楽しめる。

名店で磨かれた料理をアテにする贅沢さと、ワインに寄り添う息の合ったマリアージュに酔いしれよう。


名店仕込みのフレンチがオンメニュー


「どんなワインにも合うように」と考案された「エスカルゴとキノコの春巻き」990円(1本)。



川のほとりに密やかに佇む一軒家で、ムード満点。



ボトルは1万円台から、世界最高峰のピノノワール「ヴォーヌ・ロマネ」(109,250円)などと幅広い。

グラスワイン 1,430円〜。


『ル・ブルギニオン』のふたりが新しき挑戦へ


西麻布の星付きフレンチ『ル・ブルギニオン』は、数々のシェフを生み出してきたことでも知られている。

そんな名店で腕を磨いたソムリエとシェフがタッグを組んだ店が、大人を満足させないわけがない。


4.白金の大人たちがひっそりと集う、実力派シェフによるワインバー@白金高輪
『Le Comptoir de NIHEI』


シェフと会話しながら楽しむ絶品フレンチが大人たちの杯を乾かす


シェフの手捌きを目の前で楽しみながら、ワインとフレンチを味わえるカウンターダイニング『Le Comptoir de NIHEI』が、白金は北里通り沿いに誕生した。

オーナーシェフの二瓶拓哉さんは、札幌『コートドール』、原宿『オーバカナル』などを経たのち、ワインバー『モレスク』でゲストをもてなしてきた経験豊富な実力派だ。

プラチナ通り沿いにあり、食偏差値の高い大人たちに長年愛される看板のないフレンチ『モレスク』。

徒歩約10分程度の新店へは、二瓶さんとの会話も楽しみに『モレスク』の常連客が集まる。

料理はオーセンティックなフランス料理が主軸。そこに、ベーコンエッグやカレーなどの庶民的なメニューを紛れ込ませるセンスに頬が緩む。

ワインは熟練した造り手が中心の、地に足がついたセレクトも大人好みである。


『モレスク』の名物カニクリームコロッケも


中にぎっしりとズワイガニの身が詰まった「ズワイガニのクロケット」1,800円。



右より南仏のロゼ「Vol de Nuit」(1,400円)はクロケットと好相性。

ボディのしっかりとしたボイヤック「DOMAINE DE SAINT-GUIRONS」(2,400円)は仔羊のグリエなどと合わせて。

コクのある料理には「CHATEAU GRAND CORBIN-DESPAGNE」1,800円(すべてグラス価格)を。


5.人気スパニッシュが打ち出す“和”なワインバーが新しい@神楽坂
『ORI』


温かい古民家と洒落た現代作家の器。新旧融合のセンスある空間がここに


アペロや2軒目にサクッと寄れる、気軽なバーが案外少ない神楽坂に待望の1軒が誕生。

神楽坂のメイン通りから一本入った落ち着いた通り沿いにあり、土間をイメージした、シンプルでモダンな店内は雰囲気たっぷり。

実はこちらの『ORI』、スペイン料理の名店『エスタシオン』が手掛ける新店。

あえてスペインバルではなく、店主の野堀貴則さんが「近所にあったら嬉しい自分が行きたい店」を実現させた、スタンディングでおばんざいとナチュラルワインを楽しめるバーなのだ。

古民家を改装したからこその、なんともいえない温かい空気感が心地よい。

本店とは異なる野堀さんのアウトプットを味わえる、和テイストな小皿料理もセンスフルだ。


スパニッシュシェフのおばんざいが新鮮


「鯛の酒盗とブラータチーズ」500円、豪州のワイナリーBK WINESの「カルト・ブランシュ ホワイト」グラス 1,400円。

店奥には約700本をストックするウォークインセラーがあり、カリフォルニアやオーストラリア、東欧などのナチュラルワインも。



「セロリと鯖の炒め物」や「キンピラゴボウ」など、日替わりで7〜8品味わえるお惣菜盛り合わせ(2人前)2,000円。



『エスタシオン』のイケメンシェフが仕掛け人に


質実剛健な野堀さんの料理が絶品だと話題の人気スパニッシュ『エスタシオン』。

新店ワインバーとの距離は目と鼻の先なので、スパニッシュを楽しんだ後におばんざいで〆の1杯、とする客も。



▶前編はこちら:国宝級の麗しさ!元宝塚スター・七海ひろきの意外なギャップに胸キュン!

■プロフィール
七海ひろき 茨城県出身。2003年、89期生として宝塚歌劇団に入団後は、宙組と星組で男役として活躍。2019年3月に退団し、現在は俳優、歌手、声優など幅広いジャンルで活動中。2022年10月スタートの初主演ドラマ、『合コンに行ったら女がいなかった話』で演じた蘇芳役が話題に。

■衣装
コート 121,000円〈J.プレス オリジナルズ〉、パンツ 36,300円〈クレスト-ディガウェル × J.プレス-/ともにJ.プレス & サンズ 青山 TEL:03-6805-0315〉、シャツ 51,700円〈カズキナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03-6438-9575〉、その他〈スタイリスト私物〉


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東カレに語ってくれた、七海さんのパフォーマーとしての葛藤とは?

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