今週のテーマは「一夜を共にした途端に、女の態度が変わった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:家に泊まった翌日から、急に女が冷たくなったワケ。お互いに「好き」と言い合ったのに…



「果林ちゃんのこと、好きだよ」

そう言われたら、嬉しいはずだ。いいなと思っている素敵な男性から素直に好意を伝えられて、嫌なわけがない。

だから私も、とっさに「好きだよ」と答えた。

でもどうしてだろう。

龍太に言われた時、そしてお互いに好きと言い合った時…本来ならば心躍って、胸がキュッと締め付けられてもいいはずなのに、なぜか虚しさが込み上げてきた。

3歳年下の龍太は結構タイプだったし、悪くはない。

でも二度ほどデートをして…そして一夜を共にして、私はハッキリと悟った。

“彼との未来はない”、と。

だから私は、龍太には申し訳ないけれど、なんとなくフェードアウトをしようと思っている。


A1:無意識のうちに、近くなっていただけのこと。


龍太と出会ったのは、知り合いが招待してくれた軽井沢の別荘でのホームパーティーだった。

女友達が家主と知り合いで、誘ってくれた会に行くと龍太がいた。

男女6名のホムパは盛り上がり、特に龍太とは最初から気が合った。ひと通り盛り上がった後、龍太と「東京でも飲みましょう」という話になった。

ただ約束はしたものの、「このままスルッと流れるのかな?」とも思っていた。でも龍太は本当に誘ってくれて、二人で飲み直すことになる。

そしてデート当日。

食通の人たちがこぞって「お気に入りのお店」だという、『トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ』のカウンター席へ肩出しトップスで私は向かったのだけれど、席へ着くなりこんなことを言ってきてくれた。



「その洋服、かわいいね。いや、果林ちゃんが可愛いのか」
「本当に?ありがとう」

この時の「可愛い」はすんなり受け入れられた。

でもこの初デートで、私は何度か「ん?」と思うことになる。

「果林ちゃんって、人懐っこいってよく言われない?」
「んー、言われるかも。距離感が近いね、とかもよく言われる」

私は話している時に、つい人に寄ってしまう癖がある。そっちの方が聞き取りやすいし、夢中で喋っていると思わず体が傾いているらしい。

「だよね。うっかり、ハマっちゃいそうだもん」
「またまた〜」

カウンター席だったこともあり、お互いの席が近くなっていることに気が付く。でも私も距離が近いかもだけど、龍太も近い。

「いや、龍太くんも距離近くない?」
「そうかな?果林ちゃんだからね」
「お互い近いとか、ウケるね」

『トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ』に来たら絶対に外せない、「螺旋状のシチリア伝統的パスタ」を食べながら、私は「パーソナルスペースが近い二人なんだな」なんてことを思っていた。



美味しい食事に、店内の本場のイタリアにいるような雰囲気も相まって、ワインも進む。

そしてデートが進むと、また龍太はサラッと私を褒めてくる。

「果林ちゃんと会話するの、好きだな。すごく楽しい」
「私も。龍太くんといると、話したいことがどんどん出てくる感じ」

でもここまで褒めてもらうと、逆に疑いたくなる。

― この人、どこまでが本心なんだろう?

褒めてくれるのは嬉しいし、「楽しい」と言ってもらえたらもちろん喜ばしい。でも龍太はどこか表面的というか、まるで毎回、誰にでも言っているような軽さがある。

そして私が一番モヤっとしたのは、龍太のこのセリフだった。

「果林ちゃんの彼氏になれる人って、幸せだろうね」

このセリフを、どう受け止めるのが正解なのだろう。

― あなたは「私の彼氏にはならない」ってことですか?

「可愛い」とか、「会話は好き」とか言ってくるくせに、まるで他人事のように彼氏のことを言ってくる龍太。

遊ばれているのか、なんなのか…。

龍太の本心がわからない。それに、最初から「可愛い」とかサラッと言ってくる男性は要注意だ。こういう人は基本的にただの“人たらし”で、ロクな男性はいない。

けれども、一緒にいて楽しいのは事実。だからもう一度、龍太とデートへ行ってみることにした。


A2:「好き」と言われた先が、結局見えなかったから。


そして二度目のデートは、焼肉を予約してくれていた龍太。この日も、早速会った瞬間から褒めてくれる。

「果林ちゃん、今日も可愛いね」
「ねぇ、本当に思ってる?(笑)」
「思ってるよ!じゃないと、こんなこと言わないし」
「じゃあ…素直に受け止めます。ありがとう」

― 今日も軽いな。

そんなことを思いながらも、嫌ではない。

でもやっぱり、龍太の本心が見えてこない。焼肉の煙が上るのを見ながら、私は龍太の出方を少し静観してみることにした。



すると龍太の口からは、まるでテンプレか、「女性を褒める言葉は?」とAIに聞いたかのような言葉が次々とこぼれ落ちてくる。

「僕さ、果林ちゃんみたいなタイプの女性が好きで」
「どういう意味?」
「可愛くて、癒やされるというか…自然体で一緒にいると楽しい女性」
「それ、私が当てはまっているの?」
「うん。果林ちゃんのことでしょ?」

― これは、どっち?

告白されているのだろうか。それとも、ただ軽い気持ちでポロっと言っただけなのか…。

「果林ちゃんは、どういうタイプの人が好きなの?」
「私は優しくて面白い人かな」
「僕も当てはまっているじゃん」
「そうだね」

そんな会話を続けながらも、食事の中盤。ついに龍太が、核心に触れるようなことを言ってきた。

「果林ちゃんのこと、好きだなー」

― これは、本当にどっちの意味?



本気で「好き」なのか。それとも、動物とか子どもに対して「可愛いね」とか言うのと同じテンションなのか…。

しかも「好き」と言われたものの、その先がない。

「ありがとう。私も好きだよ」
「本当に?嬉しい」

独身の大人同士が「好き」と言い合った時。この先には、普通は「付き合おう」という言葉が来るはず。

でも龍太には付き合う気はなさそうで、ただ「好き」と言ったきり、そこの言葉は完全に放置だ。

彼は落ち着く気もないし、この先真剣な交際に進める気はないのかもしれない。

本当に私に好意を寄せてくれているのかもしれないけれど、言葉が宙に浮いたまま、ふわふわとしている。

そして簡単に「好き」と言ってくる男はやっぱり要注意だと思う。何よりも言葉に重みがないし、誰に対しても同じようなことを言ってそうだから。

「じゃあさ、もう少し一緒にいようよ」
「そうだね」

― 逆に…もう遊びでいいかな。

デートの途中から、そんなふうに思い始めてきた。

向こうが遊ぶ気なら、こちらが真剣になるのもバカバカしい。

傷つきたくないし、ライトな関係のひとつやふたつ、あってもいいと思う。

だから私は、この夜龍太の家へ行くことにした。

そして解散後。私はこれ以上深入りをしないと決め、遊びの関係と割り切って付き合うことにした。


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