ひとつ1,000円を超えるグルメバーガーの第一次ブームから、すでに10年以上。ラーメンやカレーに継いで、万人に愛される国民食になったと言っても過言ではない。

戦後、アメリカ人のファストフードが伝来してから70年以上、日本で独自の進化を遂げ、グルメバーガーとして現在の地位を獲得する影には多くのバーガー職人たちの努力があった。

今回はそんな日本のバーガー史上で大きな役割を果たした名店を紹介しよう。


1996年オープン!
米食の日本人に合う酒種バンズを開発した、東京グルメバーガーの母『ファイヤーハウス』

1996年オープンの『ファイヤーハウス』は90年代、第1次グルメバーガーブームを牽引した立役者。

『峰屋』と酒種バンズを共同開発し、米食の日本人の口にあう、バーガーを生み出した。パンの甘みと肉のバランスを実現し、日本のグルメバーガーの礎を築いた。

バンズの下にちらっと見える特製マヨネーズがふわっと香る。かぶりつくと肉汁のダムが崩壊する。グルメバーガーだが、あくまでジャンクさを残し、食欲をそそる。


2002年にオープン!
ハンドチョップパテの元祖!? 手作り職人技バーガーの『ベーカーバウンス』

2002年に創業した三軒茶屋『ベーカーバウンス』。閑静な住宅街の一軒家を改築したアメリカンダイナー風の店内。

ブロック肉を切り分けてその日使う分をミンチにし、作り上げるパテ。さまざまな部位を混ぜ合わせて作り上げため、とにかく牛脂があふれてジューシー。バーガーにかぶりついても、牛肉の食感が残るほどの粗挽き具合が最高にうまい。

ライスと食べるハンバーグとはことなり、バーガーにかぶりついたときに“牛肉”を感じられる。バーガーのためのパテの在り方を再定義した店だと個人的には思っている。ケチャップからハム・ベーコンまで手作りという、和食出身のご主人のこだわりが半端ではない。


2005年にオープン!
バーガー戦国時代の旗手!パークサイド型ダイナーの元祖『アームズ』

2005年ファイヤーハウス出身の店長が『アームズ』を代々木公園にオープン。ビンテージ家具で彩られたおしゃれな店内が人気に。

当時のカフェブームと相まって、グルメバーガーを食べに出かけることがライフスタイルに。パークサイド型のバーガーレストランというスタイルを確立した。

ベジタリアンやポパイバーガーなど、ヘルシー志向の代々木公園ラバーのニーズに合う独自のメニューもあり、バーガーの向こう側のライフスタイルが見える店作りが面白い。

デリバリー、テイクアウトの専門店舗もあり、現在では駅ビルルミネにも出店。もちろん、バーガーは『ファイヤーハウス』に引けを取らない旨さ。特製ハニーマスタードにセロリがアクセントになった、「セロリー&ハニーマスタードソースバーガー」はぜひ食べて欲しいこの店ならではの絶品だ。


2005年にオープン!
燻製ベーコンと手作りパテの最強肉コンビの元祖!『エーエスクラシックスダイナー』

2005年、駒澤大学に『エーエスクラシックスダイナー』がオープン。ファンゴーの元店長による、2代目バーガー。駅からのアクセスは悪いが、当時爆発的な人気だった『バワリーキッチン』もあり、多くの人を引き寄せた。ワンちゃんがOKというのも、愛犬家にはうれしいポイント。

つなぎなしという100%ビーフをハンドチョップでパティに仕込み、炭火で焼いたバーガーは、とくかく肉肉しい。ハンドメイドソースや、桜とヒッコリーで燻したベーコンなど、脇役にもこだわり抜いたベーコンチーズバーガーは絶品。


2005年はオープンラッシュ!?お次は元フレンチ職人が作る絶品バーガー!

2005年にオープン!
グルメ評に登場し、グルメバーガーの地位を引き上げた『フェローズ ザ バーガースタンド』

2005年『フェローズ』が駒沢大学に開店。フレンチで料理人として働いた経験を持つオーナー黒川氏による料理バーガー。

レストランジャーナリスト、犬養裕美子氏が取り上げたことで一躍脚光をあびる。日本一のバーガーなど呼ばれ、ハンドチョプのパテや、炭火焼きなど、そのこだわりは同世代の手作りバーガーに引けを取らない。

塩胡椒だけで味付けしたパテに、トマト、オニオン、レタス、ピクルス、そしてマヨネーズというシンプルな構造が潔い。初めて食べたとき、その黄金比に衝撃を受けた。肉のフレッシュさや味わいを前面に打ち出しながらも、具材との完璧なハーモニーを醸し出す、バーガーとして完成度の高い一品。


2007年にオープン!
イビザ島の味を再現!絶品タルタルソースの超粗挽きバーガー『ハンバーガー&サンドイッチ ベイス』

2007年、『ハンバーガー&サンドイッチベース』が護国寺にオープン。フランクリンアベニューの元店長が手がける超粗挽きパテが特徴。パテはオーストラリア産、国産のビーフのさまざまな部位をまぜあわせ、食感が残る超粗挽き。シンプルな構造ながらも、バーガー全体を力強い印象に仕上げた。

こだわりは何と言ってもタルタルソース!千葉の契約農家から取り寄せている9種類の野菜・根菜を食感が残る程度の大きさに刻んで作っているそう。そして、フランスの伝統的マスタード“マイユ”も使用。食感や、ソースの味わいなどが口の中で交わり、レイヤードの奇跡を起こす。


2007年にオープン!
グルメバーガーに新潮流を生んだ!みんなの理想を再現した好感度バーガー『ザ・グレートバーガー』

2007年『ザ・グレイトバーガー』が原宿に開店。2002年にオープンしたeaseの車田オーナーによるバーガー専門店。

バーガー店出身ではないシェフが、峰屋の酒種バンズを使わず、自身で開発した白神こだま酵母によるバンズを開発し、2代目を継承したほかのグルメバーガーとは別の系統が生まれた。

粗挽き赤身7,和牛牛脂3の割合で配合された特製パテはジューシーそのもの。革新的なバーガーというより、みんなが思うバーガーの理想形を実現したような好感度の高いバーガー。たまに帰りたくなる実家のような一品。


まだまだあります!野菜感ゼロのジューシーな肉食バーガーが登場!

2008年にオープン!
野菜感ゼロのジューシーな肉食バーガーが斬新! 21世紀のアメリカを再現した『ゴールデンブラウン』

2008年、中目黒に『ゴールデンブラウン』がオープン。NUTS art worksによるサインペインティングがとても印象的。それまでのバーガー屋が目指した、60〜70’sのオールドアメリカではない、モダンなアメリカ風が開店当時とても新鮮だった。

イタリアンレストラン『キャンティ』出身のオーナー久富氏がプロデュース。さまざまなバーガー専門店での経験を持つバーガー職人金子氏が厨房を務める。

この店の真骨頂は「ゴールデンブラウンバーガー」だ。葉物の野菜は一切ないという潔さ。とにかくダイレクトに肉の味と肉汁が迫ってくる。スモークチーズの香ばしさとティーオニオンの甘さが肉と切磋琢磨しあって、とにかく前のめりで不器用なバーガーだ。ここでしか食べられない味なので、ぜひ挑戦してほしい。


2012年にオープン!
グリーンスムージーとバーガーが出会った!肉食だってスローがいい『ザ・サードバーガー』

2012年『ザ・サードバーガー』が1号店を骨董通りにオープン。開店時はモデルの秋元梢がプロデュースしたバーガーも登場。ファッション業界からも注目を集めた。

グリーンスムージーや、コーヒーハンター川島良彰さんによる、コーヒーも提供されるなど、変化しつつあるライフスタイルに、バーガーが寄り添ったことで生まれた新スタイルのバーガー店だ。

店内で食肉からのパテ加工を行い、パン生地の発酵・ベイクも行っているにもかかわらず、グルメバーガーよりお手頃な価格帯を実現した。ファストフードでも、グルメバーガーでもないで新ジャンルを開拓!


2015年にオープン!
代官山とA5黒毛和牛の共演!コンパクトな牛脂バーガー『ヘンリーズバーガー』

2015年、市ヶ谷の焼肉の名店、『なかはら』による『ヘンリーバーガー』がオープン。オーナーの中原さんのミドルネームがヘンリーだとか。

肉屋さんらしい肉を食わせる粗挽きのパテ。バーガー自体は小ぶりだから女性でもペロリと食べられる大きさ。A5肉を使用しているだけあって、牛脂のあふれぐあいもなかなかのものだが、これだけコンパクトなサイズであれば、味わいやすい。

店内の席数は4席とすくなくテイクアウトがメインだが、街ぶらデートのついでにも使える、代官山らしいスタイル。バーガーレストランではなく、バーガースタンドという形態が、コーヒースタンドも流行る現在にぴったりの新スタイルだ。