TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。12月2日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「Forbes JAPAN」Web編集長の谷本有香さんが“DV被害の実情”について述べました。

◆DV件数は年々増加も…見えにくい現状

厚生労働省は、2007年1月から2018年3月に発生・発覚した心中以外の児童虐待死亡事例に関し、死亡した児童の実母へのDVの有無に焦点を当てた分析結果を初公表。検証可能な死亡事例270人のうち、実母がDVを受けていたのは51人。この家庭の地域社会との接触状況を調べると、「乏しい」「ほとんどない」が38人で、虐待とDVの関連性や孤立しやすさが浮き彫りとなりました。

内閣府による調査を見ると、配偶者暴力相談支援センターへの相談件数は年々右肩上がりで、コロナ禍においてはさらに増加。また、配偶者から暴力を受けたことがある女性は約7人に1人で、谷本さんは「恒常的にDVを受けている人たちが一定数いることを我々は知らなくてはいけない」と言いつつ、その反面「DVはあると言われていても、見えにくいところがある」と懸念します。

そんななか、谷本さんは耳鼻咽喉科の医師でコミュニケーターでもある和佐野有紀先生を取材。彼女のもとには以前からDV患者が多く、コロナとの因果関係はわからないものの、現在は「確実に受診の数が増えている体感値がある」と語っていたと言います。

具体的にどんな患者が多いかというと、やはり主に女性。年代は「30〜40代に1つの大きな山があり、60〜70代にもうひとつ山がある」と谷本さん。その理由について、和佐野先生は、仕事を辞めるタイミングなど「ライフスタイルが大きく変わるようなところにあるのではないか」と推察していたそう。

◆DV被害者に多く見られる特徴的な3パターン

和佐野先生が「DVには3つのパターンがあるのではないか」と分析していたことを受け、今回はそれを谷本さんなりの解釈で紹介。

1つは「DV共依存型」。この場合、受診時は男性と女性が一緒に来て、互いに庇い合っているように見えるものの、「DVが2人のバランスを維持するために機能しているよう」と谷本さん。なお、このケースは軽傷の方が多いそうです。

2つ目は「DV封印型」、3つ目は「感情フリーズ型」で、双方女性が1人で受診に来ることが多いと言います。そのなかで「DV封印型」は、DVがあったことや相手男性のことなど「全てを封印して何も言わない」。和佐野先生曰く、このタイプが一番多く、比較的に高齢の方が多いのが特徴で「DVというものが構造化されていて、反復性や継続性が強い」と説明。

一方、厄介なのが「感情フリーズ型」で、正直に話すものの感情が失われていて、自分自身を客体化してしまっているそうで、「この状態はとても危険で、命に関わるようなケースが多いらしい」と谷本さん。

和佐野先生は多くの受診者は、DVを受けているにもかかわらず「そのことを一言も言わない」と危惧していたそうで、谷本さんは「それが社会のなかでDVを見えにくくしている問題だと思う」と指摘。そして和佐野先生は、DV被害を減らすには周囲の人たちがいかに気付いてあげられるかが重要で、ストレスを作らない社会や意見を言いやすい環境作り、さらには窓口などへの相談を促しつつ、「友人や知人など自分に関わる人をどれだけ増やしていくか、それによって傷を少なくできるのではないか」と提言していたそうです。

元厚労省官僚で、当時虐待やDVなどを担当し、現在は株式会社千正組代表の千正康裕さんは、「相談件数が増えている一方で、支援がまだまだ足りない」と指摘。ただ、多くのジレンマを抱えるなかでも「こうして報道で現状を伝えてくれると世の中の雰囲気が変わり、政治家も動く」と今後に期待していました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross