TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。12月20日(月)放送の「フラトピ!」のコーナーでは“日本のEV(電気自動車)戦略”について深掘りしました。

◆EVの技術革新は環境問題にも大きく寄与

大手自動車メーカー・トヨタがEV(電気自動車)戦略を発表しました。まずは世界販売目標を2030年に350万台とするとし、これは従来の200万台から大幅増。また、2030年までにEVの開発に4兆円を投資するとしています。

豊田社長は「(カーボンニュートラル実現のための)車の選択肢を広げる」としており、EVだけでなくハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)を提供する「全方位戦略」を進める方針です。

この発表に「ワクワクが止まらない」と大きな期待を寄せる日大文理学部 助教の大澤正彦さん。なかでも今回は“電池”に注目。これまで電池はあまり進歩がなかったものの、ここ最近は飛躍的に進化。大澤さんは、その要因の1つとして「全固体電池」を挙げます。通常、電池のなかには液体が入っており、それを個体に替えるのは困難とされていましたが、それがようやく実現しつつあり、しかもEVに搭載される動きになっていると解説します。

今回の発表でも電池の開発予算に2兆円をかけると言っていたそうで、大澤さんは「電池はEVだけでなく、エネルギーミックス全般に寄与する。そこで開発されたものが環境問題全般に関係していく。そういうところも注目すべき」と期待を寄せます。

◆環境問題とともに雇用問題にも対応するトヨタ

世界的な市場を見ると、EUでは2035年までにHV含むガソリン車の新車販売禁止。アメリカでも2030年までに新車の半分以上をEVなどにするとし、中国は2035年までに全ての車をHVやEVに置き換えるとしています。

一方、日本はというと、ホンダは2040年までに全ての新車をEVやFCVに、日産は2030年までに車種ラインナップの半分以上をEVなどにするとしています。

現状、従来のガソリンを使った車は約6割。2030年までにこれを30〜50%、現状0.91%のEVを20〜30%まで増加させ、EVやHVで50〜70%を占める目標を掲げています。また、政府は2030年度の温室効果ガスの排出量を46%減、運輸部門では38%減らすとしています。

唯一の趣味が「F1鑑賞」で、車好きだというNPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、本音としてはEVよりも内燃(ガソリン)へのこだわりがありつつも、今回のトヨタの発表については「EV至上主義のEUに、ある種対抗できるような王者の風格を感じた」と率直な印象を語ります。

そして、「脱炭素のなかで忘れられがちなのは雇用の問題」と指摘。現在、日本の自動車産業には約550万人が従事するなかで、もしも全てEVへと切り替わると100万人以上の雇用が失われる可能性があると言われています。しかし、トヨタはEVとともに水素やバイオエネルギーなど代替のものを活用する形で内燃も維持するということで、「豊田社長は雇用を維持するという考え方が強い。これがEU(の自動車メーカー)などに欠けている視点」と大空さん。

また、足元の技術を守りながら、次世代エネルギーを使用していくことが大事なポイントとし、「脱炭素で地球に配慮することも大事で尊いと思うが、今生きている人間、しかも同じ国で一生懸命頑張っている町工場の人たちも大勢いて、そうした存在を日本一の企業の社長がしっかり見ているというのは、ものすごく心強い」と今回のトヨタの方針を絶賛します。

EVに関しても課題は多く、例えばその1つが「車両価格」。現在は従来のものより割高だとして、政府は1台あたり80万円の補助金を出すとしています。また、生産過程でも二酸化炭素が発生するとし、生産過程での脱炭素化。さらには使用する電力を再生エネルギーの発電にすること、充電場所の問題などが挙げられています。

こうした課題にどう対処すべきなのか、大澤さんは「(EVが)徐々に増えていくということが大前提の解決策」と言います。なぜなら、価格も販売台数が増えれば下がり、電力や雇用の問題も急激に変化してしまうと負担は大きいものの、徐々に増やしていくことでバランスの調整も可能だから。課題解決に向け、みんなで計画的に行動していくことを望んでいました。

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