TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。5月31日(火)放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、政府が実行計画案を固めた“新しい資本主義”について議論しました。

◆所得倍増を掲げる岸田政権の肝いり政策「新しい資本主義」

個人の金融資産を貯蓄から投資へ導く「資産所得倍増プラン」を来年夏までに策定するなどとした政府の「新しい資本主義」の実行計画案が固まりました。

資産所得倍増プランでは、NISA(少額投資非課税制度)の投資限度額などの拡充を検討課題とする他、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象年齢を現行の64歳以下から65歳以上にも広げ、全世代での資産形成を後押しします。

また、新しい資本主義を実行に移すために計画的な投資を行うとした経済財政運営の骨太方針には、4つの柱として「人への投資」、「スタートアップ支援」、「科学技術への投資」、「脱炭素・デジタル化の加速」が掲げられ、とりわけ「スタートアップ支援」については「5ヵ年計画」として年末までに策定するとしています。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんが、注目したのは「iDeCoの加入対象年齢引き上げ」。変更したことで「どのぐらい効果があるものなのか」と案じつつ、「余裕のある方に投資してもらわないといけない状況があると思うが、我々の世代や、65歳以前から投資できる方は少ないと思うので、これは疑問が残る」と話します。

microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは、「スタートアップ支援」に着目。これは主に科学技術領域のスタートアップ支援となるものの、それを担う研究者が薄給かつ閉じこまったひどい環境にあるそうで「もっと研究者の人材投資をやるべき」と憂慮。

さらに、先日、政府は海外VC(ベンチャーキャピタル)に出資し、海外VCの知見とノウハウを取り組むと同時に、日本国内のスタートアップへの投資を促す方針を示しましたが、これに渋谷さんは否定的な姿勢を示します。

というのも、海外の有名なVCであれば日本政府に頼らず一瞬でお金を集めることができ、「“日本国内に投資しなさい”という、いわゆる札付きのお金をわざわざ日本政府からもらってやる必要が1ミリもない」と渋谷さん。

他方、テクノロジー領域に投資する国内のVCは無視状態とあって「本当にズレた政策になっている」と懸念。そして、「国内のディープテックと呼ばれる深いテクノロジー領域に投資するVCにお金を集め、国内のスタートアップを盛り上げる。シンプルなことをやればいいのに、なぜこんなよくわからないことをやっているのか」と異議を唱えます。

一方、スタートアップ支援をしている法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは、政府の海外VCへの出資に関して、知見が入ってくること、そして現状では海外では日本に投資する必要性が希薄になっているという話もあるため、「日本に投資してくれる流れを作るという意味ではいいと思う」と私見を述べます。

由井さん曰く、そもそも日本のスタートアップへの投資領域とアメリカのスタンダードには若干違いがあるそう。それは元来アメリカから入ってきたものですが、その仲介には日本人の専門家が介入し、投資家に有利なよう改変されて入ってきている感があると言います。

また、直接海外とやりとりすることで「グローバルスタンダードを日本に普及させることができる」と由井さん。しかも、アメリカのほうが日本よりもスタートアップフレンドリーとメリットもあり、そうしたことも加味した上で「外からお金が入ってくることは私としてはいいことだと思う」と語ります。

キャスターの堀潤としては、今後の世代がしっかりと教育を受け、開発したものに投資をし、特許・権利として活用し、さらにはそれを原資として次なる産業を生み出していくことを望み、一方で格差・貧困の中からチャンスを求めている子どもたちを大人たちが育成する、そうした仕組みこそが「シリコンバレーの良さ」と言い、改めて人材育成の重要性を強調。

長内さんは、渋谷さんの今の捉えた話と由井さんの未来を見据えた話、双方を鑑み「今なのか、未来なのか、またそれぞれ違うと思うので、そういうところも気をつけて見ていかなければいけないと思った」と感想を述べていました。

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