TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。12月15日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、矢野経済研究所 社長の水越孝さんがコロナ等の非常時における“企業のリスクヘッジ”について述べました。

◆感染拡大か経済か…コロナ禍でのある企業の事例

この日、水越さんが取り上げたのは自身が社長を務める矢野経済研究所の話。コロナ発生以降に何をしてきたのか、まずは時間軸に沿って紹介します。中国・武漢が閉鎖された昨年1月23日に上海事務所の在宅勤務を開始し、中国への出張を全面禁止に。そして、3月31日には全従業員を在宅勤務に切り替え、社内会議は全てオンライン化。さらには国内外出張禁止し、会食や接待も全面禁止にするという対策を講じました。

当初、コロナ禍における影響は限定的だったものの、水越さんは3月末には雰囲気が変わり、全産業に影響を及ぼしそうな気配を察知。そして、緊急事態宣言が発令されると、社員の間では「私は感染したくない」、「私の会社は大丈夫か?」など健康面や生活面に関して不安を吐露する人も。「要するに“感染拡大か経済か”という不安をみんなが抱いた」と言います。

これに対し、水越さんら経営陣は社員を安心させる意味でも予算を変更。その原則は通期の決算で営業赤字を出さないこと。その上で、続けていた投資をやめないこと、さらには体制維持を表明。また、4〜9月は減収しても10月以降に前年並に戻せば大丈夫といった内情を伝え、在宅勤務体制の整備や営業戦略の練り直しなどを敢行。

その結果、上期の収益を前年比3割減と設定していたところ、1.5割減の前年比85%で乗り切りました。

◆コロナ禍の危機を乗り越えるためのヒント

そんなコロナ禍での10ヵ月間を振り返り、水越さんは危機を乗り越えるための手段として「戦略・方針をみんなと共有すること」、「経過を公開すること」、「ぶれない、でも柔軟に修正していくこと」の3つを主張し、「菅政権に欠けているのもまさにここ」と指摘します。

そして、「コロナは世界中みんなが初めての経験なので、対策に正解はない」としつつ、イギリスのボリス・ジョンソン首相の行動を紹介。当初、ジョンソン首相はコロナの対処法として集団免疫を選択しましたが、その1週間後には方針転換。水越さんはこの行為を「すごく正しい」と賛同し、「なぜ選び、なぜ変えたのかを、彼は国民に語りかけた」とその理由を説明。

さらには今後について「災害は繰り返されるということを前提に、事業を考えていかなければならない」と言います。そこで考えられるのが、まずは「人の移動量の自然増をあてにするビジネスは成立しない」と水越さん。

2つ目は「バラバラであること」。生産拠点やマーケット、事業内容、サプライチェーン、全て分散することがキーワードになると言います。そして、3つ目は「リアルの再価値」。例えば、オンラインによるライブやセミナーでは、会場費などのコストを抑えことができ、人数を無制限に受け入れ可能なことなど、コロナ禍でリモートの価値が明らかになりました。水越さんは「それゆえにリアルの価値が高まっていく」と推測し、“リアルの価値”を見直した上で「ビジネスを構築していくのがいいのではないか」と提唱します。

MCの堀潤もコロナに限らず、ウイルスや自然災害などのリスクを盛り込んだ上での今後の体制づくりを懸念すると、水越さんは社会のセーフティネットの必要性を示唆。というのも、防衛費が過去最高になるなか、医療面では問題が山積みとあって「国民の生命・財産を守るという意味では、防衛費も医療も一体的に考えて将来リスクをどう減らしていくのかという視点で考えるべき」と訴えていました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross