TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。「モニフラZ議会」では、Z世代の論客が“国民の省エネ意識”について議論しました。

◆ウクライナ侵攻により世界的にもエネルギー不足に

3月16日の東北地方での地震により、現地の火力発電所が停止。そのうちの2基が東京電力管内にも電力を供給していたため、東京電力管内で電力不足に陥り、初の「電力需給ひっ迫警報」が発令されました。

こうした電力不足は来年1月にも起こる可能性があり、停電のおそれが懸念されています。専門家である国際環境経済研究所の竹内純子理事は、この原因について「東日本大震災の前は3割を賄っていた原発の稼働が今は少ないこと」、そして「火力発電の休止や廃止が相次いでいること」を挙げています。

災害に限らず、現在はコロナ禍のステイホームで電力需要は拡大。さらには、ウクライナ侵攻によるエネルギー資源への影響が案じられるなか、ドイツでは節電を呼びかけるなど世界的にも省エネの動きが加速しています。

一方で、岸田首相はウクライナ侵攻による資源価格高騰を背景に、脱炭素を新たな成長に繋げる考えを強調。2020年度の日本の発電割合は火力発電が7割以上、再生可能エネルギーは約2割でしたが、政府は2030年度までに再生可能エネルギーを36〜38%まで拡大する目標を掲出。専門家は「今はエネルギーの移行期。送電網の整備など社会インフラの転換には数十年単位でかかるが、利用者側の意識の変化も必要」と指摘しています。

こうした状況のなか、私たちは何ができるのか。

microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは新たな概念として“Save to Earn”と提唱します。現在、渋谷さんのフィールドであるNFT(非代替性トークン)業界では、歩けば歩くほど仮想通貨がもらえるアプリが流行していることに触れ、ウォーキングやランニングなど、続きにくい日頃の運動も「そこに対して(対価として)仮想通貨がもらえるなら続けようという動きがある」と紹介。このアプリのように、省エネをしたら仮想通貨がもらえるような仕組みを提案します。

しかし、それを実現するためには仮想通貨の規制緩和が必要なため、渋谷さんはこの機会にそれも含めた改善を希望。現在、仮想通貨は他の証券と違って税金が高く、事業として行う場合は発行時に日本円に換金しなくても持っているだけで課税対象になるなど、規制は厳しいといいます。

株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは、「省エネをしたいと思うが、正しい省エネを知らない気がする」と指摘。例えば、エアコンはこまめに付けたり、消したりするよりも、付けっぱなしのほうが消費電力は小さいと言われていますが、それは本当なのか。「限られたエネルギーを正しく、いかに有効に使うかを考えたほうがいい」と声を上げます。

◆省エネ=常に節電している必要はない!?

街頭で省エネ対策について話を聞いてみると「極力自然の明かりを部屋に取り組む」、「使わないときは電気を消す」、「設定温度を20度にする」といった声が。

番組Twitterには、蓄電池の必要性に関するツイートが寄せられていましたが、再エネベンチャー Looop広報の坪井友里香さんも蓄電池を推奨。ちなみに、この日の九州エリアの卸電力市場価格を見ると、昼間は0円になっています。

なぜかといえば、天気が良く、太陽光発電が捗り、電力が余っていたから。「省エネというとずっと節電するイメージだが、太陽光発電などもあり、実は昼間は(電力が)余っているので使ってもいいときもある」と坪井さん。「東日本大震災のときなどは電気の供給予備率がテレビなどで表示されていた覚えがあるが、そういうものが常に表示されるようになっても面白いと思う」と電気の供給・市場価格の可視化を望みます。

また、再生可能エネルギーのひとつである太陽光発電は天候によって発電量が大きく左右されますが、「再生可能エネルギーは、主力電源を目指していかないといけないので、このままにしておくわけにはいかない」と懸念しつつ、「0円になったときこそ充電ボーナス。そうしたときに充電しておき、夜や悪天候のときなどに放電すれば、停電の危機を回避できる。やはり蓄電池は必要」と訴えます。

◆自治体や学校でも進む省エネ意識の啓蒙

現在は自治体による省エネ意識への啓蒙が盛んになり、42の都道府県で今年度予算に新規の脱炭素事業が盛り込まれています。例えば、長野県では太陽光発電など環境に配慮した住宅の購入に最大150万円の補助があり、福岡県では既存住宅の省エネ化に向けた断熱を高める改修に120万円を助成。また、神奈川県では、電気自動車の購入に最大20万円の助成があります。

さらに、学校現場でも省エネ意識を根付かせようという取り組み「省エネ教育プログラム」が行われています。これは、東京ガスと住環境計画研究所が全国の小学校から大学の約1万人を対象に省エネ教育を実施し、その効果を検証。その結果、自宅でのCO2排出量が約5%削減され、なおかつ教育から1年経っても省エネ行動は持続したそうで、省エネ教育の継続的な学校教育への導入を国や自治体に促しています。

最後に省エネ意識を根付かせるためにはどうするべきか。坪井さんは「さまざまなフックの情報提供が重要」と提言。環境問題だけでなく、仮想通貨やゲームなど、多種多様なフック=情報を得るきっかけを作ることで、より多くの人々の関心を集めることができると言います。

他方、小幡さんは「メリットをしっかり作るべき」と主張。「例えば、太陽光が最初に普及したときは投資対象商品として多くの企業が投資し、大きく広がった背景がある。節電や発電などもそれに関わることで利用者にわかりやすいメリットがあればもっと広がるので、そこをもっと作っていければ」と話していました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag